分かる!忘れない!「地政学」を社会科に取り入れるべき?
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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
「え~社会きらい~」
高学年になると、
特に女子からそのような声を聞くようになります。
筆者は、
そのような子たちでも楽しいと思えるよう
様々な指導法の工夫をしてきました。
結果として
「そこまで社会がいやじゃなくなった」
と言う子は増えていきましたが、
その領域にたどり着くまでには
それなりの修練が必要だった。
しかし、最近、
「これは誰が教えても分かりやすくなるな」
と思った学問があります。
それが
「地政学」
です。
地政学の視点を用いれば、
中学高校の社会科がもっと分かりやすくなったり、
大人もより
世界情勢がつかみやすくなったりするのではと
感じています。
この記事では、
そんな地政学という学問について記事にします。
あまり際どい、
ディープな内容はそぐわないかなと思うので、
面白そうなきっかけとなる部分を中心としながら。
知らない人にとっては、
きっと役立つ知恵が含まれていると思います。
楽しんでご覧ください。
地政学とは何か?
地政学とは、
「地理の条件で国際政治というものは決まる」
という学問。
経済や政治情勢、技術革新というものは、
動きゆくもの。
しかし、地理は滅多なことでは動きません。
そして、地理の視点を用いると、
経済の動き、各国の立ち位置なんかが
よりシンプルに分かりやすくなる。
しかも、覚えるような知識とは違い、
1回納得したら忘れません。
そして、考える力の軸や指標となってくれます。
この地政学というものは、
比較的新しい学問。
しかし、今、
世界各国で非常に注目を集めている。
なぜか。
例えば地政学には色々なメリットがあります。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
■ 世界情勢の解像度が上がる
■ 未来予想のための不可欠な視点
■ メタ認知能力が開発される
■ 各国の国の統治者の思考が分かる
■ 歴史、現代社会など他の社会科が分かりやすくなる
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
などなどです。
そんな地政学の中で
面白いと思った知恵をピックアップしていきます。
アメリカが最強である理由
ずっと世界のトップを走り続けているアメリカ。
ただ、現在は、
物価高騰により貧富の差は開き、
犯罪率の上昇により治安も悪化しているようです。
それでも、アメリカは失速しません。
なぜでしょうか。
地政学の視点があると、
色々な「最強が崩れない理由」が見えてきます。
例えば、
「アメリカが海を支配している」
ということ。
実は世界の貿易というのは、
陸路でもなく空路でもなく、
海路が9割の割合を占めています。
アメリカの周辺は・・・海です。
しかもヨーロッパにも、
アジアにも、南米にも、
アフリカにも、
どこかに阻まれることなく行くことができる好立地。
さらに、詳しい説明は省きますが、
貿易船が通過する要所となる部分は、
アメリカが軍をおいて、
船が行き来できるように取り計らっている。
世界の貿易通貨の8割はドルです。
アメリカは困ったら自国でドルを刷れるので、
絶対的に有利。
また、
インターネットのデータのやり取りの99%は、
実は海底ケーブルによって行われている。
その海底ケーブルを
世界で1番張り巡らせているのがアメリカだそうです。
数年前、アメリカの情報機関が、
ドイツの首相の通話を盗聴していたことが発覚し、事件になりました。
海底ケーブルを支配しているが故に、
データを盗み見して、
他の国が知られたくない情報を得ることができる。
他にも、
アメリカが原油出産国で、2015年の時点で
既にサウジアラビアを抜いていたり、
鉱物資源の埋蔵量が世界10位以内であったり、
自国内で資源が完結できるほど
豊富にある国でもある。
地理的な条件だけを見ても、
アメリカが強い理由が分かる気がします。
地政学から見る世界
このように、地政学とは、
以下のような6つの要素で世界をみていきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・気候
・周辺国
・民族性
・産業
・歴史
・統治体制
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
色々な要素が合体する
横断的な学問なのですね。
では、ここからは、
地政学の視点でみた世界の一部分を、
簡単に記していきますね。
❶ロシアの考え方
ロシアは国土が広い。
しかし、国土が広いということは
危険が多く伴うということでもあります。
その状況を地政学では、
豪邸に例えて説明しています。
あなたは豪邸に住んでいる。
豪邸の敷地が増えれば増えるほど、
家が大きければ大きいほど、
窓やドアが増える。
すると、
侵入される可能性がある部分が
増えることになる。
ロシアは、
国内は190を超える民族を抱え、
国境を隣接する国が14もある。
家の中をまとめあげるだけでも大変なのに、
いつ襲ってくるとも分からない窓口が、
14もある。
そういった条件から、
攻められる前に攻めるという
思考になると考えらえているようです。
❷アフリカが貧しいワケ
地球上の2割の陸地がアフリカにあります。
広さは日本の80倍。
人口も日本の10倍。
資源も非常に豊富。
ですが、1人あたりのGDPは
日本の20分の1であり、
紛争、争いが絶えません。
なぜ?
それはアフリカの地図に理由があります。
アフリカの地図の国境は、
やたらと直線が多い。
これは、本当に地図上で、
欧米人たちが国境を区切ったものであるから。
植民地時代の名残から、ですね。
だからアフリカの人々の
民族性のことなど考えていません。
民族がまとまり国をつくったわけではないので、
国内の別民族同士で
対立が生まれるようになっている。
国のトップが大事にするのは
自分の民族。
自分の国にお金を使うのではなく、
同じ民族にしかお金を使わない。
そして、不正に受け取ったお金を
きれいなお金に浄化するように、
ヨーロッパの有力者たちと協力し合って、
国外にお金を流している。
だから、アフリカは
いつまでたっても豊かになっていかない。
世界の現実を
見せつけられる話だなと思います。
❸気候変動
今までは、
地球の北半球の北極付近は、
氷結により航海ルートとしてなかなか使えなかった。
しかし、気候変動により、
少しずつ使える期間が生まれ始めているそうです。
今後も、氷が解けていくことを考えると、
新たな航海のルートが生まれ、
北極や南極の資源をめぐって
世界で色々とあるかもしれません。
そういった部分では、
国の立ち位置が変わる可能性がある
注目するべき部分です。
日本の地政学
実は、日本は地政学的には、
結構いい立ち位置にいます。
何せ周囲が海です。
排他的経済水域の面積は
世界6位。
海水の体積は世界4位。
海の条件は圧倒的によい。
小学校の5年生の社会科で、
尖閣諸島とか、竹島とか、北方領土とか、
様々な領土問題の学習があります。
その中で領土の歴史や、
国際法の規定などを授業にして
「あなたたちはどう考えますか?」
という形で授業を進めていました。
その時に提示するのが、
アジア周辺国の視点でみた、
日本という国の存在です。
これだけの水域をもっている日本。
小学生たちには、
地図をひっくり返して、
中国や韓国の視点で見るように促します。
韓国や中国、北朝鮮などが、
海を渡って太平洋に出ようとしたとき
どう考えても立ちはだかる存在であることが分かる。
その上、上にはロシアの経済水域がある。
このような地理的な立ち位置があるからこそ、
領土問題とは死活問題なのだと分かります。
まとめ
この記事では、
地政学を使った視点のほんの一部を紹介しました。
筆者は、日本国内で言えば、
「みんな競い合うことに疲れている」
「もう競争社会の時代じゃなくなってるんじゃないか」
「共生の時代なんじゃないか」
と思うときがあります。
小さくまとまって、
コンパクト化していく社会でもよいのでは、と。
しかし海外の事情や立ち位置を考えると、
やはり複雑な問題なのだと感じざるを得ないです。
この地政学は「平和」のための学問と言われます。
地理的な事情を掴み、
均衡を保つための条件を導き出す。
そのために活用するのだ、と。
常日頃から考え過ぎると、
シリアスになりすぎますし、
メンタルにもよくないかもしれませんが、
定期的に考える機会をもち、
自立的にこれからの日本や世界のことを語れる大人に少しずつなっていきたいと思います。
様々な考えもあると思いますが、
あくまで一部の捉え方であり、
「学校教育に活用したら」
といった趣旨の記事ですので、
その点をご理解いただければ幸いです。
地政学において参考にさせていただいたのは、
以下の書籍です。
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いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!
明日の記事は、
📓リーダーは「育てる」ものではない
です。
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数々の子どもたちを見てきて、
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