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「子も親も」支援しよう!ペアレント・トレーニングについて

共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


今まで数々の記事で、
発達凸凹の早期支援が、
大切という考えを伝えてきました。

定期健診などで、
発達に遅れや凸凹が見られる子どもは、
早期に療育を受けることができます。

ただ、
あくまで子どもへの療育であり、
自宅に帰れば、
療育で受けた効果が薄れるのは当然です。

そうなると、
週1回などの限られた時間だけ、
療育を受けて
凸凹を環境にフィットさせていくことになります。

もし、これが、
家でもその効果を
高める
ことができたならどうでしょうか。

子どもだけでなく、
子どもと母親両方に、
療育の方法を伝え、
育児自体をトレーニングする方法があります。

それがペアレント・トレーニングです。

この記事では、
ペアレント・トレーニングで行うことの
一部を紹介できればと思います。

何か役立つ知恵があれば幸いです。



ペアレント・トレーニングとは?

ペアレント・トレーニングとは、
発達に特性のあるお子さんがいる家庭の
保護者の方が、
適切な子どもへの接し方を学ぶトレーニングです。

各都道府県の
発達障害者支援センターで受けれたり、

NPOや民間で行っているところも
地域によってあるようです。

ペアレントトレーンングのプログラムは、
設計者によって様々変わるでしょう。

それでも、
これは外せないだろうと思える、
4つのジャンルを紹介します。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

■ 注目名人
■ 観察名人
■ 環境名人
■ 声掛け名人

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

です。

1つずつ解説していきます。


注目名人

子どもの行動を
注目する名人。

もちろん、
叱るために注目するのではありません。

子どもには、
言葉にはできないけれど、
もっている欲求
があります。

自分の気持ちを分かってほしい。
自分の行いに気づいてほしい。
自分のことを認めてほしい。

などなどの欲求です。

だからこそ、
とにかくよい行動や、
がんばっている行動に注目をすることが大切。

注目をする行為とは、
何も褒めるだけではありません。

「片付けをしているね」
「一人ではけたね」
「手伝うってくれてありがとう」

といった言葉も、
注目に値するのです。

つまり、
お母さんお父さんは、
きちんとあなたのことを見ているよという、
メッセージを送り続ける。

これをしないとどうなるか。

何も注目がない状態であれば、
人間は望ましくない行動をすることを学んでいきます。

なぜなら、
望ましくない場合は、
嫌でも注目されるからです。

子どもが危ない行動をしていれば、
大人は無理やりにでも止めさせます。

もちろん、
褒めることも大事ですし、
一緒に遊ぶことも注目行動です。

ずっと褒めていると疲れる親御さんも、
注目なら比較的省エネでいける。

注目グセをつけておくと、
不適切な行動は減っていくはずです。


観察名人

子どもが調子がよいとき、
癇癪を起すとき、
どんなときでも、
とにかく観察をすることが大切です。

特に、
子どもが不適切な反応を示したとき。

この時に注目するのは、
行動の際中と、行動の前行動の後
3つの視点です。

この考え方の元になっているのが、
応用行動分析という、
発達凸凹の子によく使われる療育です。

人間はなぜ行動をするのか。

それは、
何かを手に入れるためか、
何かから逃げるためです。

子どもが癇癪を起しているならば、
何か周囲に不快な刺激
存在しているのかもしれません。

子どもが駄々をこねて動かないならば、
構ってもらうという報酬を求めているかもしれません。

もしくは、
駄々をこねれば買ってもらえるという
誤学習を起こしているかもしれません。

その行動が起きている要因が、
必ずどこかにあると仮定して、
分析をしていくのです。

すると、
客観的な視点を意識するので、
親自身も感情的にならずにすみます。

ハマる方は、
毎回文字に起こして記録しておき、
それを分類したりできるようになる。

そうなると、
いっぱしの療育者です。

すると、
どのような傾向で不適応行動が起きるか。

どのような環境で
快適に過ごすことができるかの
法則が見えてくる。

子ども自身も快適に成長していけますし、
親御さんが何より力を付けていきます。


環境名人

応用行動分析の観点が分かってくると、

「この環境のときは不適応が起きる」

ということが
何となく分かってきます。

よって、
不適応行動が起こらないように、
環境を調整してしまえば、
確実にエラーが減っていく。

療育施設などでも、
不適応行動が起こる要因になるものは、
すぐに調整してしまいます。

触られたくないものを
子どもが触ってしまうのならば、

そもそも目の届くところに
置いておかなければいい

片付けがうまくできないならば、
片付けの手順を写真で示したり、
パーツをしまう場所を分かるように絵をかいたりすればいい。

鉛筆で文字を書くのが嫌ならば、
ホワイトボードで、
筆圧が弱くても書けるペンを用意すればいい。

過敏性を感じる部分があるならば、
着たい服を自分で選ばせる、
食べたいメニューを選ばせる、
ということをすればいい。

ただ、子どもの要求のままに行動しては、
わがままを言えば報酬がもらえると
誤学習してしまうので、
決定権は親がもっていていい。

選択肢を示し、
その中で自由を保障してあげれば、
主導権は親のままで、
子どもは自己決定することができます。


声掛け名人

人間は行動を減らすよりも、
増やすことの方が得意な生き物です。

よって、
減らない不適切な行動を
無理に減らさせるのではなく、
適切な行動を増やして目立たなくする方針も
結構大事だったりします。

どのような声掛けを具体的にかけていくのか。

ほんの一部ですが、
記載していきますね。


■ 1%を褒める

100の内1%でもやっていたら褒める。

大袈裟に褒めなくても大丈夫です。

動作を完全にやり切ってから褒めるでは、
それまでモチベーションがもたない子もいます。

よって、

「お片付けはじめたね」

などと、
始めたことでも褒める。認める。

観察名人を目指していれば、
子どもが大体どれぐらいの力量があるか
何となく分かると思います。

よって、
片付けも大人が7割やって、
あとの3割だけやらせてみるでも、
全然いいです。

「できそう?」

と聞いて、
自信ありげな表情がかえってきたら、
ゴールまでをイメージできているのだと思います。


■ 予告して区切る

ASDの特性をもっている子どもは、
全体像を描きたい思いがあります。

ゴールが分かっていないと不安になるのは、
きっと多くの人にも言えること。

その不安が若干過敏に出ると思ってください。

だからこそ、

「次は○○するよ」

と短く入れる。

年齢が小さければ小さいほど、
長い情報量は入らないためです。

もしくは、

「この赤いのがなくなったら公園に出かけるよ」

でもいいです。

視覚的に、
面積で時間が分かる時計があるので、
それで時間を区切ってあげる。

境界線があることが、
ASDの子にとっては心地よい傾向があるので。

「これやり終わったら、大好きな絵本読もうか」

など、
行動の次に、
本人が好きなものを予告してあげるのも
いいでしょうね。


■ ゲームにする

不安やこだわりよりも、
「楽しい」が勝つと、
発達凸凹の子も行動しやすくなります。

よって、
何事もゲームにしてしまうのは、
楽しく適切な行動を増やせる声掛け。

「どっちが早く着替えができるか競争っ!」

「これが〇秒以内でできたらレベル1アップ!〇秒以内ならレベル3アップだ!」

などなど、
本人が好きなネタを混ぜながら、
ゲームにしてしまうのもいいでしょうね。

ちなみに、
子どもによっては、

「〇才になったら△△ができる」
「〇年生になったら△△ができる」

という、
年齢による境界線を設けている子もいます。

よって、6歳になった途端に、
適切な行動をとるようになったりも。

過度な刷り込みはよくないですが、

「年長のあのお姉ちゃん、あんなことができるんだね~!6歳ってすごいね~」

みたいな憧れをもたせておくと、
歳を重ねた途端に、
急変するかもしれませんね。


まとめ

他にもまだまだ、

人との距離感をとる練習
がまんをする練習
気持ちを伝える練習

などなど様々な種類のトレーニングがあります。

それを、
療育者が手本を見せてくれながら、
実際にその場で練習するのですから、
親としては非常に頼もしく感じるのではないでしょうか。

ペアレントトレーニングのエビデンスは、
欧米では注目されているようです。

1番の効果は、
親御さんのストレスが和らぐこと。

家庭の限定された空間では、
つい主観で埋め尽くされてしまいますが、
専門家が無理やり違う視点を入れてくれるので、
気持ちの面で楽になるのでしょうね。

ペアレントトレーニングは、
集団でも行えたりするので、
そこで知り合った方と共感し合えば、
一人じゃないと実感できそうな気がします。


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共育LIBRARYりょーやん元教師

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