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フィンランドの教育の全体像を網羅する

じめじめする湿気が多い時期。

こんな時期は隙間時間に、
サッと走ったり、運動したりするに限る。

一時の爽やかさを得て、
余計に暑くなります。笑


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


「幸福度ランキング5年連続1位」
「子どもの学習時間は日本の半分」
「大学まで無償」

教育先進国として、
数々の国から調査をされるフィンランド。

日本とは様々な文化的、
歴史的背景が異なるため、
国が参考にできる部分は限られているかもしれません。

それでも、
いち地方自治体が、
いち市町村が、
いち民間団体
取り入れることができる部分は、
きっと存在するはず。

如何にして、
教育先進国になったのか。

具体的に、
どのようなサービスが素晴らしいのか。

そんなフィンランドの教育を、
今一度まとめていきます。

何か役に立つ情報があれば、
うれしく思います。



フィンランドの事実

2018~22年の、
世界の幸福度ランキングで連続1位

SDGs達成度1位。(2021年)

ジェンダーギャップ指数は、
2021年2位

外務省は、
女性が7割

数々の名誉ある事実を残している
フィンランド。

そんなフィンランドの教育は、
2019年に首相になった、
サンナ・マリン氏の軌跡を辿ると、
よく理解できると言います。

マリン氏が首相になったのは、
34歳

マリン氏は、
多様性の権化とも言える、
様々な過去をもっています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・父親のアルコール問題
・両親の離婚
・高校卒業後すぐに大学に進まず
・失業手当をもらって生活
・20歳頃から社会民主党青少年部に参加
・大学は政治活動をしながら
・大学卒業までに10年
・国会議員中に第一子出産
・半年間の産休育休取得

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一人の母親であり、
社会から様々な支援を受けて、
生きてきた。

それもこれも、

「教育の平等性の追求」

「誰しもがとりこぼれない社会」

をかなり実現している
フィンランドの国の制度があるからこそ
過去など関係なく、
首相になれているのだと思います。

フィンランドと日本の、
決定的な差を1つあげるとするならば、
国民1人ひとりの当事者意識だと筆者は考えます。

「フィンランドは小さい国だから」

フィンランド人たちは、
誰しもその言葉を国するそうです。

豊かな天然資源があるわけでもない。
人口も550万人しかいない。

だから、
フィンランドという国を守っていくためには、
たったの1人も見捨てるわけにはいかないのです。

「人こそが資源」

とするフィンランドの教育や福祉を、
さらに詳しく見ていきます。


フィンランドの教育システム

フィンランドの
小学校などの教育システムは
どうなっているのでしょうか。

フィンランドは、
日本で言えば、
小学校~高校までが
義務教育になっています。

(もちろんホームスクールもあります)

その期間は12年です。

そして、
中学校を卒業してからは、
高校に進学するか、
職業学校に進学するかが分かれます。

職業学校は、
実践的なことが学べるために
かなり人気が高いそうです。

その後は、
就職する人は就職するし、
大学に行く人は大学へ行く。

ただし、
日本のように、
「大学生」「社会人」というくくりがない

冒頭の首相のように、
10年かかって大学を卒業する人も
普通のようです。

つまり、
働きながら大学に行くのもOK。

大学というものの敷居は高くなく、
誰しもが「学ぼう」と思えば、
学べる環境にあることがその要因の1つでしょう。

大学が無償であるからこそ、
それができる気がします。

高等学校卒業時まで、
受験のようなものはありません

高校卒業時の試験も、
1回だけしかチャンスがないのではなく、
春、秋と受けることができ、
1人3回まで試験を受けることができます。

しかも、
一人ひとり進路によって、
受ける科目はバラバラです。

これなら、
横一列に並んで、
比較をされるような印象を、
子どもが受けることもないでしょう。

子どもが3歳になると、
女性の就業率は80%を超えます。

小学校に通う年齢になれば、
89.4%にまで上がる。

そのうちの8割が、
フルタイム
で働く方々だそうです。

「人が資源」

だと知っているからこそ、
女性が社会復帰しやすく、
国家の戦力になれるように環境を整えているのでしょう。

女性は貪欲な気質の人が多く、
仕事もキャリアを積みたいし、
子育ても充実させたいし、
プレイべーとも楽しみたい
という方々が多いのだそうです。

フィンランドの男性が、
子どもと過ごす時間は
1日あたり平均で4時間14分

父親が帰宅する時間は、
16時台が最多。

平日に子どもと過ごす時間も、
3~5時間未満が最多で、46.6%です。

そんな中で助け合っているからこそ、
育児の負担をお互いに軽くし合うことができているのでしょう。

フィンランドは、
30代、40代の人が社会の代表
最前線として矢面に立つことが多く、
年長者はバックアップに回り、
陰で支えるポジションになるのだそうです。

だからこそ、
30代、40代の首相が次々と生まれていきます。

そのような若い感性で、
経営・運用を考えて、
先手先手を打っていかないと、
国として生き残れないという思想が、
根底にあるのでしょうね。

フィンランドは小さい国だから。


ネウボラというシステム

フィンランドの教育を語る上で、
欠かせないのが、
この「ネウボラ」というシステムです。

日本の産婦人科のクリニックや
自治体の保健所が一体になったようなもので、

妊婦検診、子どもの定期健診、
発達相談、予防接種などなど、
様々な相談が一括でできる場所。

妊娠から出産直後まで11回
小学校入学まで15回
訪れる機会があります。

かなりの数です。

その訪れる度に、
カウンセリングのような、
個別相談が行われるのです。

その時の担当は、
大抵の場合は同じ人物

フィンランドの人からは、

「ネウボラおばさん」

と親しみを込めて呼ばれているそうです。

仕事はどうか。
悩みはないか。
生活状況はどうか。

そんな些細なことも
相談しやすい雰囲気を大事にし、
たっぷりと1人1人に相談時間を設けてくれます。

重要なのは、

夫婦喧嘩しても仲直りできているか。
家族のユーモアのセンスがあるか。
虐待の傾向はないか。

という、
家族のメンタルヘルス指数に関すること、
マルトリートメント(虐待に近い行動)
の傾向も、かなり話し合うということです。

専門知識をもった、
親戚の頼れるおばさんみたいな存在。

ネウボラがオープンな日もあり、
いつでも相談ができる。

それが各小学校区に1つレベルで存在する。

そんなイメージです。

自分の近くに、
自分の家族のことをよく知っていて、
いつでも受け入れてくれて、
心強い相談相手になってくれる人がいる。

そんな人がいれば、
かなりのメンタルが安心する材料になりますね。

このネウボラの非常に素晴らしい部分は、
計26回のネウボラの記録を、
小学校のスクールナースに送るというシステムです。

これで、小学校の教員も、
どのような成育歴で育ってきた子なのか、
家族が抱えている悩みの傾向は何かを、
予め知った上で教育することができる。

これは、めちゃくちゃでかいです。

日本の場合は、
いちいち成育歴までさかのぼって、
聞かなくてはならないので、
非常にやりずらいのです。

まさに、

「切れ目のない子育て支援」

ですね。

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