正しさハラスメント?
金曜日!
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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
ブラックな労働環境が問題になり、
適切な会社に正していこうとする
現在の社会の風潮。
これはとてもよいことだと思います。
一方で、以前に比べ
労働環境は良くなっているはずなのに、
退職代行を使って、
多くの人が会社に入って早々、
退職してしまうことがニュースになっている。
これはなぜなのでしょうか。
ブラックな労働環境の基準が明確になり、
入った瞬間それを判断できるようになったという
意見もあります。
それもあるでしょうが、
それだけではない気がする。
ある種の「正しい会社像」みたいなものと、
現実の乖離が起きている。
そんな気もするのです。
そこで、この記事では、
「正しい/クリーンな社会を求める風潮」
を、脳科学的な知見を織り交ぜて、
論じることができる記事にしていけたらと
思います。
「正しさ」はハラスメントではありませんが、
使い方を知っておかないと危険だということを
知っていただければと思います。
楽しんでいてもらえるとうれしいです。
正しいことはいいこと?
比較的初期の頃に記事に、
「ホワイト革命化社会」というテーマで、
記事を書いたことがあります。
令和は、
何でもホワイト化していく社会である、と。
労働環境も然り。
政治汚職も然り。
ハラスメントの問題も然り。
清潔さの問題も然り。
SNSの普及により、
今まではベールに包まれていた業界の、
裏を暴く時代になっています。
政治の裏金の問題、
ジャニーズの性被害の問題、
ビックモーターの不正の問題など。
社会全体が、
クリーンさや正しさを求める傾向になっていると
肌で感じます。
身だしなみや、
周辺の清潔さを気にしなければならないことも
その1つです。
これらは一見、
全ていいことのように思えます。
しかし、光があれば陰はあるもの。
「正しさ」を求めることの危うさというものを
認識しておく必要があると思います。
「正しさ」の裏で脳に起こっていること
さて、ホワイト化社会が進むためには、
民衆からの非難の声が必要です。
外部からの圧力のようなものがなければ、
組織はなかなか変わらないからです。
しかし、その結果生まれてしまったのが、
「叩く」
という文化だと考えます。
適切な状況、
適切な度合いで非難ができればいいのかもですが、
そもそも「適切」を決めることが難しい。
よって、
大きいものから小さいものまで、
あらゆるものがすぐに「叩かれる」
ようになってきた。
ここで考えてみたい。
そもそも人はなぜ叩くのか、と。
脳の中ではこの「正しさ」は
どのように処理されているのでしょうか。
前頭前野には、
良心や倫理の感覚を司っているとされる
領域があります。
倫理的に正しい行動を取れば活性化され、
快楽が得られる仕組みになっている。
「正しさ」に反する行いをした場合には逆に、
ストレスを生じて苦痛を感じさせる。
ただ、やっかいなことに、
自分ではない他人が
「正しさ」反する行為をしても、
脳はストレス、苦痛を感じるのです。
そして、それを解消しようとするために、
攻撃的な行動を取らせたりする。
正しさを逸脱した人物に対して、
制裁を加えたいという欲求。
そして、この正しさというものは、
美しさや、清潔さといったものにも、
作動します。
コロナ禍の状況が顕著だったはず。
マスクをしていない人を責める。
消毒をさせ切らない教員を責める。
学校教育現場は、
特に世間からの風当たりが強いので、
押し付けられる「正しさ」のプレッシャーが、
まさしく攻撃性を表していた。
ただ、それはきっと、
どの職場でも同じことだったのではないかと思います。
まさしく、
人を責めることで快楽を得て、
自分に苦痛を与えるものを攻撃する、
人間の性質が顕著にあらわれた時期でした。
「正しさ」がある人ほど不健康?
ニューヨークで興味深い実験が行われました。
マクドナルドのメニューリストを、
サラダが載っているものと、
載っていないもの2種類を用意し、
お客にランダムに配った。
そして、お客が何を購入したかを調査。
結果、
サラダが掲載されたメニューを渡された方が、
ビックマックを選ぶ人が通常10%のところ、
50%にまで増加したそうです。
つまり、「健康」という
倫理的に正しい何かを想像すると、
それが免罪符のような効果を発揮し、
より倫理的に正しくない行動を取ってしまうということです。
健康的な食事を心がけたり、
運動を心がけたりしていると、
「普段から健康に気を遣っているからいいだろう」
と、結果的に不健康なものを
通常より多く食べてしまう。
これは筆者も心辺りがあります。笑
そして、さらなる問題は、
健康だけではなく、
「正義」や「平和」などの概念においても、
同じ作用が働くということです。
要するに、
そういった言葉を連呼する人ほど、
危険な行動を行いやすいということなのです。
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