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スポーツ選手もやっている!ビジョントレーニングの実際

これからの季節に向けて、
久しぶりに髪をバサッと切りました。

お風呂上りが快適。
風が気持ちいいです♪


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


今週の「お品書き」です🎵

📘今週のLIBRARYのラインナップ📗

(2024.6.2~6.8)

📒→全員最後まで読める記事
📓→メンバー以外は途中まで読める記事

【月曜日】
📒スポーツ選手もやっている!ビジョントレーニングの実際
【火曜日】
📓《文学③》今週の1冊 from library
📒学級集団形成と組織運営の共通点
【水曜日】
📓孤独力
【木曜日】
📒忖度なし!何度も読み返すマンガ10選
【金曜日】
📓リーダーになりたいと願うあなたに
【土曜日】
📓《note論》有料記事が一気に売れ始める時期と条件
📒後悔しない人生の共通点
【日曜日】
📒共同運営マガジン記事紹介

読みたい記事があれば、
是非、LIBRARYにお越しくださいね✨


「あの子は頭がいいからね」
「頭の出来が違う」

今までは、
学力の差というものは、
「頭の賢さ」なのだという暗黙の認識が
多かったように思います。

一方で、
知能検査というものがメジャーになり、
非認知能力という概念も出てきたことにより、
「頭の賢さ」が最も重要なのではない
という意見がメジャーになってきました。

そして、
発達や療育の視点も入れれば、
もっとその先の世界があると
筆者は考えています。

テストの点数に差が出る。
同じように教えても違いが出る。

そういった「学力の差」というものは、
必ず裏付けとなる発達上の凸凹がある
と、
筆者は感じ始めています。

・認知能力(IQ)
・非認知能力
・発達上の特性

この3つの視点を用いれば、

「なぜ勉強でつまずくのか」

を大方説明できるようになると考えているのです。

今回は、
それらを説明する視点の1つ、

「ビジョントレーニング」

を記事にしたいと思います。

少しでもお役に立つ情報があればうれしいです。



ビジョントレーニングとは?

ビジョントレーニングとは、

「視機能」

と言われる、
眼を適切に動かす力をトレーニングする取り組みを指します。

視機能に凸凹を抱えている子は、
どのような特徴があるのでしょうか。

以下にまとめてみますね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【幼児期】
・積み木やパズルをしたがらない
・折り紙が苦手
・絵本の細かい部分に気付けない
・先生の手本や周りの子どもの様子をみて
 行動することができない

【学童期】
・本を読むことが苦手
(読み飛ばし、勝手読み)
・文字を書くと形が崩れる
・黒板/教科書を書き写すのが苦手
・数字/かな文字/漢字を覚えるのに時間がかかる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

他にも、
左右を間違えやすかったり、
迷子になりやすかったり、
探し物を見つけるのが苦手だったりする特徴があります。

これらの特徴が、
視力がよいにも関わらず、
生じてくる特徴を持っています。

こういったものが、後々、
キャッチボールでボールを目で追うのが苦手などの、運動面にも関わってくることにもなる。

すなわち、運動が苦手な子も、
運動神経以外に理由があるということです。

最近では、
スポーツ選手にも、
ビジョントレーニングの効果が、
認められるようになってきている。

実はこれらの特徴は、
以前からお伝えしている、
発達性読み書き障害と特徴が被っています。

両者の違いは、

発達性読み書き障害は、
脳機能上の凸凹

視機能は、
眼球運動の凸凹といったところでしょうか。

要するに、
発達性読み書き障害の子が、
適切な支援を行っているにも関わらず、
何か「見え方」に違和感を感じる
場合、
視機能に問題があるときがあります。

しかし、
発達性読み書き障害に限る話ではありません。

筆者は、
資格がなくても実施できる、
WAVESという検査を学級全員に行ったことがあります。

結果、

視機能や視知覚認知(色や形の認知)に、
凸凹があった子どもは24名中4人いました。

ということは約15%程度です。

LDの子どもの他にも、
ADHDの特性を持っている子が1人。

もう1人はHSP気質の子。
お兄さんに発達の診断がおりている子です。

ということは、
LDではなくても視機能の問題は、
抱える可能性がある
ということなのです。


視機能と視知覚認知の力

「見る力」は、
2つの能力に分化します。

それはSightVisionです。

Sightは、
視力や視野の広さ、注視できるか、
両眼視、眼球運動の調整などの力。

これが視機能と呼ばれる部分。

Visionは、
形態認知空間認知
目と手の協応などの力を示します。

これらの多くが、
視知覚認知と呼ばれる部分です。

それらを含めて、
「見る力」に必要な要素を整理すると、
以下のようになります。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

■ 形の認識
=空間把握能力(水平、垂直、斜め)
■ 図地弁別
=見るモノと背景の分別
■ 部分と全体
=言葉をまとまり⇔文脈として捉える力
■ 空間反射
=上下、左右、前後、斜めなどの方向感覚
■ 恒常性の維持
=環境・条件に関わらず同じは同じとする力
■ 視覚ワーキングメモリ
=目で見た情報を保持する力

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

始めて知るときは、
難しい言葉があったりするかもしれませんが、
「存在を知っておく」だけ大丈夫です。

目の前の子どもが困っているときに、

「あれ?ひょっとして・・・」

と蘇ってくることがあると思うので。

さて、ここからは、
眼球運動ごとの機能の説明と、
そのトレーニング方法を紹介します。


眼球運動ごとの特徴とトレーニング

ここからは、
実際に困り感が生じやすい機能と、
そのトレーニング方法を解説します。

さわりだけですが、
知っているだけでも違うと思うので、
シンプルにまとめさせてもらいますね。

困り感が生じる、主な機能は以下です。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶前庭動眼反射
❷跳躍性眼球運動
❸追従性眼球運動/輻輳
❹視知覚認知
❺目と手の協調

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶~❸が視機能の凸凹になります。

では順々に解説していきますね。


❶前庭動眼反射

これは、
視界のブレを補正する機能です。
カメラみたいに。

この機能に凸凹があると・・・

・頭の向きを変えても補正がかからない
・平衡感覚がきちんと発達していない場合がある
・体幹が弱い傾向がある

ニワトリが首ごと動かして歩くのは、
この前庭動眼反射の機能をもっていないからです。

トレーニング内容としては・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◆トランポリン+なわとび、テレビ
◆ハンモック+テレビ、的当て
◆くつとばし
◆鬼ごっこ
◆しっぽ取り

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

要するに、
動きながら1つのことを固定して見るという
トレーニングです。

外で思いっきり走りながら、
集団遊びを行う
ことは、
視機能のトレーニングにもなるのです。

これらの凹みは、
眼球の筋肉の動きをスムーズにする練習で改善します。

1日5~10分のトレーニングで、
1ヵ月~3ヶ月で筋肉が発達するので、
効果が出やすい凹みと言えるでしょう。


❷跳躍性眼球運動

これは、
ある1点から離れた1点に視点が移動したときに、
目を固定して視る機能です。

この機能に凹みがあると・・・

・音読時の行とばしがおこる
・情報を適切に探せれない
・黒板⇔ノートの視点の移動が疲れる

といった特徴が見られるようになるのです。

本を読むのが好きではない。
集中力が持続しない。

というのは、
跳躍性眼球運動が弱いのかもしれません。

トレーニング方法としては・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

◆ナンバージャンプ
◆ナンバータッチ
◆ウォーリーを探せ
◆ミッケ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ナンバージャンプ、ナンバータッチは、
要するに、
数字をランダムに散らばらせたものを、
順番に探すという行為を組み合わせたもの。

最後に、
トレーニング集が載っている
書籍も紹介するので
気になる方はそちらをご覧ください。

そこまでいかなくても、
子どもたちの好きな絵本でも、
何かを探させることで鍛えられるということです。


❸追従性眼球運動/輻輳

追従性眼球運動は、
スムーズに何かを目で追いかける機能

輻輳は、
より目とはなれ目です。

これらに凹みがあると・・・

・運筆に沿って見続けることができない
・書き順や字形が乱れる
・読み飛ばし、見失い
・視野が狭い

といった特徴が現れます。

トレーニングとしては・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◆頭を固定し目だけで指先を追わせる
(上下/左右/斜め/円など)
◆見えている方の目をふさぎ
 もう1つの目を動かさざるを得なくする

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

条件を限定して、
使わざるを得なくするトレーニングを
していくということですね。


❹視知覚認知

視知覚認知は、
色や形などを認知する力でした。

この凹みをもつ子どもの特徴は・・・

・鏡文字
・靴の左右のミス
・ダンスの真似が苦手
・地図を読んで方向を知るのが苦手
・単位や計算、筆算が苦手
・図形問題が苦手
・距離感がうまくつかめない

などなどです。

正直、
視知覚認知はアプローチが難しく、
効果が出るのが遅いと言われています。

それを踏まえた上でトレーニング方法は・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◆知識を増やす
◆ボディイメージを向上させる
◆パズル/間違い探し
◆タッチひらがなパネル
◆「ジオボード」で文字をつくる
◆方眼紙で図形をつくる
◆実際に長さを測る

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などなど。

触覚と視覚は親和性が高いと言われるので、
触覚を使って認知させてしまうのが1つ。

また、
覚えている英単語が多いと
英文読解の負担が減るように、

知識を増やしておくと、
文章の中の言葉のまとまりを
認知できる頻度
が増えていきます。


❺目と手の協調

これはそのままですね。
協調に凹みがある。

発達性協調運動障害(DCD)と呼ばれますが、
6~8%の発症率と言われます。

ADHD、ASD、LDなどと
併発する率は2~4割と非常に高いです。

WISCという検査の「処理速度」という項目は、
この力も測っています。

当然ながら、

・お手本を見て真似をして書けない
・筆圧が弱い
・思ったように体を動かせない

という特徴をもつことになります。

トレーニングとしては・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◆時間制限ありの視写
◆ハサミを使った工作
◆折り紙
◆スライムづくり
◆箱の中身あてクイズ
◆目を閉じて指先のみで活動

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などなど。

幼稚園から何気なく行われている工作も、
こういった力を養う活動になっているのです。


まとめ

現在はスマホやタブレットが普及し、
従来子どもが行っていた「遊び」の時間が、
減ってきている
かもしれません。

今までの歴史上で
受け継がれてきた遊びというものは、
人間本来の能力を養うように、
先人たちが引き継いできたもの
です。

その「遊び」を減らすことは、すなわち、
人間の力の弱体化を意味します。

こういったところからも、
子どもたちの学力や非認知能力の弱まり、
メンタル疾患、
学校に行けたくても行けない子どもの問題、
発達凸凹の増加などは
密接に関わり合っている気がします。

筆者もそこまでたくさん
ビジョントレーニングを実践しているわけではないので、
これからも探究し続けていきたいです。

最後に、
ビジョントレーニングの本を、
紹介しておきますね。


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「コメント」も残してくださると有難いです!コメントを読んだ方々が、より教育についての知見が深めることができる図書館でありたいと思います。

いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!


明日の記事は、

📒学級集団形成と組織運営の共通点

です。

学級集団の進化は5つの段階に分かれます。
これは多くの組織に共通しているでしょう。
どのように進化していくかを
組織と照らし合わせて解説します。

是非、楽しみにしていてください🎵

皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊


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