人間活動

最近はなんだか気がついたらあんまり仕事も無くて、おいおい大丈夫?という感じなんだけれど、夏だしとても暑いのでまぁそういう期間もあって良いでしょ!って呑気に過ごしている。

機嫌が良いのは間違い無く8月に行われるweezerの来日公演のおかげである。
東京公演のチケットは追加分も含めてソールドアウトらしいのだけど、運良く一発目の先行予約でゲットした。

東京といえば、滞在期間中に普段の数百倍の歩数を歩く羽目になる自分は毎回足腰を痛めてしまうのだけれど、それはもう"痛める"とかの次元を超えて負傷者のような状態にまで、あっという間に到達してしまう。
足を引きずり、同行してくれる現地の友人にも迷惑をかけっぱなしなのだ。

だが、今回は気合いが違う。足腰を強化するべく、なんとウォーキングなどというものを始めてしまった。

健康や身体づくりはおろか、観戦などの楽しみ方を含むどの角度からのアプローチでさえ真っ向から「興味が無い」と目を背けてきた「運動」というものに、ついに手を出してしまった。

こんな事は自分史上絶対にあり得ない事だと思っていたのだけれど、それだけ今仕事がな……いや時間的余裕があるのだろう。自分に驚いている。

下手したら、ただのウォーキングを運動だなんて認めてはくれないスポーツ過激派の面々も居るかもしれないけれど、赤ちゃんが歩き始めるかも?みたいな、ささやかでいて感動的な人間の第一歩だと理解して頂き、ここはひとつ寛大な気持ちで見守ってほしい。
あと、有酸素運動がどうとか、何分以上から効果があるとか無いとか、そういうのも一旦(というか金輪際)置いておいてほしい。

つい見えない敵と戦ってしまったが、そんな自分の悪い癖も忘れて「ウォーキングって最高なのでは?」と声に出してしまうくらいに実はハマってしまった。

この数年ほとんど家に居て、限られた人間としか会話しなかったり、限られた空間にしか存在していなかった自分にとって、雨上がりの水溜まりの匂いだとか、自転車で勢い良くすれ違う学生服の子らの制汗剤の嘘みたいに爽やかな匂いだとか、ふと目に映る知らない床屋さんの店主とお客さんの今にも会話が聞こえてきそうなワンシーンだとか、近づくまでは大人しそうだったのにすれ違う瞬間微笑みかけたら凄い瞬発力で飛びかかってきた散歩中の犬の前脚の感触だとか、内心ドキドキしたのに何でも無いみたいな顔して歩き続けている自分に込み上げてくるニヤニヤだとか、とにかくそういうもの全てが自分に不足していた何かを補充してくれているような感覚になる。

目的こそ足腰の強化ではあるが、あー、こういうの全部遠ざけておいて書けるような詩ではつまらないよなあ、と、自分の曲作りについて考えたりもする。

まぁ、ここまで書いておいてなんだけど、なんか(身体的にも精神的にも)良い感じの事やってる〜って感覚がクセになっているだけなのかもしれない。
でも別にそれで良いじゃん、とも思う。

今日はずっと前から行こうと思っていた本屋さんにも行けた。それはもう、半年とかもっと前?から行こう行こうと思っていたのだけれど、行ってみるとすごく感じの良い店主の方に色々とおすすめしてもらって、今までなら手にも取らなかったような本を2冊購入した。
近所だからすぐに行けるし、特段忙しいわけでも無かったのに行かなかった事を後悔した。

https://scene-books.com


ウォーキングも、普段からあまりたくさん本を読まない自分にとっては本を読む事もそうだし、気になっていたお店の人と会話したりすることも、確実に普段の生活に足りていない何かを補充してくれている。

ああ、宇多田ヒカルが言っていた"人間活動"とはこの事なのかもしれないな、と思った。いや多分違う。多分全然スケールが違うけれど、自分にとって今必要な人間活動はこれで、そういう意味ではあの時の宇多田ヒカルと今の自分が同じだという事だ(?)

さて、7月の終わりから8月のはじまりにかけて、またとんでもなく楽しみな人間活動が待っているので、まだしばらくは機嫌良く過ごせそうだ。

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