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2024 J2寸評大会

寸評。去年はあまりにも短すぎた(50字以内)ので今年はちょっと長めにしたよ。それから、なるべくポジティブな面を強調したよ。1クラブ150字くらいは書いてるので、寸評でもなくなったかな…。
それでは、今季も“原作を超える神脚本”で描かれるはずの激熱ドラマを演じてくれる20チームフルキャストの、開幕前の個人的な印象を、全クラブポジティブモードでどうぞ。


#ベガルタ仙台

人件費規模→10億6200万円(2022年度/J2)

新監督は前U-19日本代表の森山佳郎監督。J2の指揮は初だが、戦術より何よりまず、底抜けに明るい“ゴリさん”ならチームカラーを「陽」に変えてくれるはず。戦力をみればとても16位(昨季順位)ではないので、掛け違えていたボタンを元に戻して、自信さえ手にすればプレーオフ以上は現実的な目標。あとは得点力でその上へ!

【気になる新加入戦力】 FW98 エロン
純然たるセンターフォワードタイプが中山仁斗くらいなので、この176cmの新外国人FWの出来が得点力の浮沈を握る。

#ブラウブリッツ秋田

人件費規模→2億5600万円(2022年度/J2)

昨季開幕前、主力が大量移籍したことに対して懸念を示したものの、残留争に巻き込まれることなく、しっかり中位でフィニッシュ。選手がどれだけ入れ替わろうが、「吉田謙色」にちゃんと仕上がることを証明した。今季も志向するサッカーは変わらないだろう。継続は力なり。ブラウブリッツ秋田みたいなチームがいるからJ2は面白い。

【気になる新加入戦力】 FW10 小松蓮
昨季J3得点王。プレースタイルは秋田っぽくない気もするが、ロングボール上等戦術の中でどんな化学反応を起こるか相当楽しみ。

#モンテディオ山形

人件費規模→7億8700万円(2022年度/J2)

今オフJ2の積極補強王。ライバル仙台から氣田亮真や加藤千尋のほか、松本凪生(昨季甲府)や岡本一真(群馬)、有田稜(いわき)など昨季のJ2主力クラスを補強。一昨年熊本躍進の両翼・坂本亘基と杉山直宏が揃うのもアツい。J2で実績ある面々をJ2で実績十分の渡邉晋監督が率いるのだから間違いはない。決めたいスタートダッシュ。

【気になる新加入戦力】 DF5 安部崇士
昨季から最終ラインの主力が抜けたが、今季山形のカギはそこのリカバー。徳島で安定感を増した安部にかかる期待は大きい。

#いわきFC

人件費規模→1億9200万円(2022年度/J3)

経営規模から見れば、昨季初昇格してJ2に残留できたこと自体が快挙。今オフ多くの主力が移籍したが、クラブとしてそれをウェルカムな雰囲気もある。いなくなった分はまた筋肉を付けさせて大きく育てればいい。人が変わっても、パワー優先のサッカーを貫くだろう。それは今のJ2のトレンドとも合致している。筋肉は裏切らない。

【気になる新加入戦力】 FW11 ブワニカ啓太
登録の身長/体重は186/75。これが筋肉付いて82~3kgに増量したらすごいパワー系FWになるんじゃないか…。筋肉魔改造に期待。

#水戸ホーリーホック

人件費規模→3億4600万円(2022年度/J2)

前監督色が抜け、ようやく濱崎監督色に落ち着いた印象。今季は選手の入れ替わりも多く、結構若返った。新加入の半分以上(9人)は高卒&大卒の新人というフレッシュさ。さらにはJ3からの補強も3人(野瀬龍世、飯泉涼矢、田平起也)。実績がなくとも、水戸で実績を積めばいい。そんなふうに成長中の安藤瑞季や寺沼星文も健在だ。

【気になる新加入戦力】 MF23 甲田英將
名古屋のユース育ちの俊英でアンダーカテゴリー代表の常連だった。才能には疑いないが、足りないのは出場機会。つまり水戸向き。

#栃木SC

人件費規模→3億500万円(2022年度/J2)

新監督に就任したのは磐田の黄金期を支えた男・田中誠。監督としてはまだ未知数だが、ヘッドコーチとして支えるのが前金沢監督の柳下正明。誰がみても理想は“柔”のジュビロ黄金期だろう。“湘南路線”から転換でまったく新しい栃木SCが見られそう。とはいえ矢野貴章は健在だし、困った時のイスマイラなど“剛”の手札もアリ。

【気になる新加入戦力】 FW42 南野遥海
もうひとりの“大阪の南野”。昨季は宮崎で38試合に出場して10ゴールとプロでの手がかりを掴んだ。新生栃木の象徴となれるか。

#ザスパ群馬

人件費規模→3億3800万円(2022年度/J2)

昨季並み居る強豪と肩を並べ、プレーオフ進出が見える場所まで辿り着いた。見事な手腕を発揮した大槻監督が続投。主力選手の流失も最小限で、今季は「6位以上」を目標にしても誰も笑わない。あのザスパ草津がこんな位置に上がってきたなんて…感慨深い。補強に派手さはないが、監督がしっかり吟味して選んでいる感じで好感度高し。

【気になる新加入戦力】 MF7 和田昌士
マリノスからあちこちに貸し出されるたびに個の上手さを見せてきたが、大槻監督が構築する組織の中でどう活きるのかは見もの。

#ジェフユナイテッド千葉

人件費規模→8億5700万円(2022年度/J2)

昨季後半戦だけなら首位の陣容がほぼ残った。個が強い選手もいるが、特筆すべきはボールを奪ってから攻撃に転じる迫力。小林監督がブレずにやり続けた切り替えの速いサッカーの土台は既に整っている。移籍した見木友哉の代わりに磐田の主力のドゥドゥ(登録はエドゥアルド)を獲得するなど、戦術・戦力ともに“初昇格”に向けて視界良し。

【気になる新加入戦力】 MF16 横山暁之
神出鬼没な動きで藤枝の躍進を支えた。どことなくプレースタイルが工藤浩平に似ていて、攻撃を立体的にしてくれるだろう。

#横浜FC

人件費規模→17億5300万円(2022年度/J2)

唯一の降格勢。ヘッドコーチだったハッチンソン氏が横浜Fマリノスへ行ったことで、元々の四方田体制に戻った印象。つまりJ2から昇格した頃に戻った訳で、それは結構なポジティブ要素。主力のOUTもあったが、今季揃えた戦力をみてもJ2では十分に上位。それを昇格方法を知っている四方田監督が率いる訳で、昇格の本命と見る人も多いのでは?

【気になる新加入戦力】 FW18 森海渡
昨季徳島でブレイクし、柏に戻るのかと思いきやの完全移籍。チャンスメイカーの多い横浜FCなら抜群のパンチ力がゴールに直結する。

#ヴァンフォーレ甲府

人件費規模→6億4000万円(2022年度/J2)

昨季は紙一重でプレーオフ進出を逃すも、ACLでの躍進でアジアにJ2の名を轟かす。躍進の代償として難しい編成となったが、アダイウトン(FC東京)、ファビアンゴンザレス(磐田)という強力外国人を獲得。ピーターウタカと合わせた前線は強烈そのもの。大卒新人のスカウト力の高さも折り紙付きで、今季新加入の2人もいずれ頭角を表すはず。

【気になる新加入戦力】 MF18 三沢直人
J1では怪我もあって出番に恵まれなかったが、ブレー強度と気の効いた位置取りは、ややピーキーな甲府にバランスをもたらすはず。

#清水エスパルス

人件費規模→22億900万円(2022年度/J1)

昨季、J2の神様から大きな宿題をもらった。「大事なところの勝負弱さ」を課題として向き合うこと。そこさえクリアすれば最も優勝に近いチームなのは衆目の一致するところ。秋葉監督の本領は、個の強さに頼らずともみんなで戦うというチーム作りのはず。何気に守備の良さも武器。実は守備の堅牢さこそJ2制覇のカギになる。

【気になる新加入戦力】 DF66 住吉ジェラニレショーン
水戸で秋葉監督を知る新戦力。鈴木義宜の穴を埋めるというより、蓮川壮大とともにモデルチェンジした鉄壁を築く役割を担う。

#藤枝MYFC

人件費規模→2億100万円(2022年度/J3)

昨季は大躍進を果たし、途中で主力をJ1に奪われるも残留。師匠・大木武譲りの「須藤スタイル」は、シーズン途中からやや現実的な戦術も取り入れるなどバージョンアップしている。昨季夏から加入した中川風希なども短期間でハマっているので、手駒が変わっても方向性は変わらない。須藤流超攻撃的サッカーはJ2屈指のエンタメだ。

【気になる新加入戦力】 FW81 中島大嘉
いわゆる大言壮語型で騒がれた若手だが、実際スケールは大きい。須藤スタイルに合うのか、個性を貫くのか。J2が育てたと言わせて。

#ファジアーノ岡山

人件費規模→5億7900万円(2022年度/J2)

今オフJ2の大型補強王。ガブリエルシャビエル、ブローダーセンは十分ビッグネームだし、藤田息吹なんかもJ2では大物。IN・OUT的に戦力を大きく入れ替えたが、昨年の主力も割と残っていて、つまり“厚く”なった。そもそも2年前には3位に入ったチーム。J1未経験組の中の“次の昇格候補筆頭”だが、今季は絶好のチャンスだろう。

【気になる新加入戦力】 FW9 グレイソン
今季岡山の命運を握りそうな新外国人FW。大型ながら周囲を使えるタイプのようで、粒ぞろいのアタッカー陣とのシナジーに期待。

#レノファ山口FC

人件費規模→4億2500万円(2022年度/J2)

エスナイデル監督の後任にJ3でFC大阪を躍進させた志垣監督という驚きの人事。そして志垣監督が八戸時代に一緒だった相田勇樹、板倉洸や、J3で対戦相手として目に付いた選手たちを複数補強。今オフ随一の独自路線。名より実…ではないが、こういうのはしっかりとスカウティングしているという証で、今季の山口は底知れぬ不気味さがある。

【気になる新加入戦力】 MF7 加藤潤也
志垣サッカーのキープレイヤー筆頭候補。全員が歯車になって走る中で、ポンと違いを見せてくれる“KJ”のアシストやゴールに注目。

#徳島ヴォルティス

人件費規模→11億7100万円(2022年度/J2)

昨季はまさかの降格圏に足を突っ込んだが、そこから残留まで持っていった吉田達磨監督が続投。一旦スペイン路線のことは忘れて、今季はいい意味で開き直った徳島が見られそう。何より今季は最初から永木亮太がいるのは心強い。昨季の成績によりノーマークになりそうだが、経営規模をみればプレーオフ以上は狙えるチーム。侮るべからず。

【気になる新加入戦力】 FW9 ブラウンノア賢信
讃岐→水戸→沼津と流浪し、ついに昨季2桁ゴールを取った新エース候補。何よりモデル顔負けのイケメンでスタイル抜群。

#愛媛FC

人件費規模→2億7400万円(2022年度/J3)

昨季のJ3王者。特筆すべきは1点差勝ちの多さで、必ず競ってハナ差勝ちする“圧倒しないがとにかく強い”競走馬のような存在だった。その源は、最後の最後まで誰も諦めないメンタリティだろう。大卒新人が複数主力に座るなど、戦いながら成長してきたチーム。その路線は継続で、昇格年に躍進したチームに共通するチームの一体感を感じる。

【気になる新加入戦力】 MF22 石渡ネルソン
セレッソで大器との呼び声高く、高卒年代即レンタルの形。同ポジションにライバルは多いが、愛媛で育つ有望株の系譜に名を刻むか。

#V・ファーレン長崎

人件費規模→13億5000万円(2022年度/J2)

前回も取り上げたが、ファビオカリーレ氏&前コーチ陣と係争中という超イレギュラーなままチーム作りを余儀なくされた。だが逆境こそがチームがひとつにまとまる要素でもある。開幕10日前に下平監督が正式就任。困難な状況で力を発揮するタイプなので、不遇を言い訳でなく燃料にしてくれるはず。昨季得点王フアンマなど、破壊力はJ2屈指。

【気になる新加入戦力】 PEACE STADIUM Connected by SoftBank
日本のスタジアムの概念を大きく変えるであろう複合型球技専用スタジアム。J2の新専スタは久々。10月6日の第34節がデビューとなる。

#ロアッソ熊本

人件費規模→3億100万円(2022年度/J2)

主力をごっそり引き抜かれ苦しみながらも「大木サッカー健在」を印象付けた昨季。同じ意思を持ち、同じ方向を向く集団として挑戦は続く。そこに河原創がいなくとも平川怜がいなくとも、「あ、大木監督のチームだ!」という瞬間がやってくる。そこからまたJ1クラブが欲しがるような選手が現れる。だから大木監督のチームは面白いし、最高だ。

【気になる新加入戦力】 DF13 岩下航
というか他クラブからの新加入は岩下だけ。そして元々熊本にいた選手。柏では発揮できなかった分まで、やってくれるはず。

#大分トリニータ

人件費規模→10億7000万円(2022年度/J2)

J3→J2、J2→J1とチームを2度昇格させた片野坂監督が満を持して復帰。当時とは手駒も違うし、サッカーのトレンドも入れ替わっているが、解説者として外から見ていた部分をどうフィードバックし、どんな“カタノサッカー”を見せてくれるか楽しみ。弓場将輝、保田堅心ら有望なユース出身がブレイクすれば、プレーオフ~その上も見えてくる。

【気になる新加入戦力】 DF34 藤原優大
浦和から相模原、町田に続き武者修行が続く。気性面で粗い部分が出ることもあるが、恩師黒田監督の下で得たものは大きいはず。

#鹿児島ユナイテッドFC

人件費規模→2億3200万円(2022年度/J3)

J3の2位昇格組として2度目のJ2挑戦。こういう年は四の五のいわずに楽しまなきゃ損。楽しんだ者勝ち。基本的に昨季主力を残しつつのプラスアルファ補強という継続路線で、ある意味堅実。昨季終盤はゲーム運びで安定感を欠くことも多かったが、経験豊富な井林章の加入や戦術の徹底・熟成で乗り越えれば面白い。目標は初のJ2残留だ。

【気になる新加入戦力】 MF8 藤村慶太
彼の出来がそのまま金沢の出来を左右したほどの中盤の要。J2を知り尽くす藤村のゲームコントロール能力は必要不可欠になるだろう。

以上。
メインキャストは一体どのクラブになるのか!? そして日程君が用意しているシナリオは? 今季もやはり楽しみなJ2。開幕までいよいよあと1週間でございます。ズキズキワクワク。

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