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母子家庭でも幸せを感じられたのは、 両親がそれぞれの役割を全うしてくれたから。〜梶塚大哉さん〜

こんにちは。一般社団法人りむすびです。
離婚後も両親で子育てする共同養育を実践している方の声を届ける「共同養育man&woman」特集。
今回は、親の離婚後も父親との交流を続けてきた梶塚大哉さんに、親の離婚や再婚に対する捉え方や思いをお聞きしました。


■プロフィール

梶塚大哉(かじつか まさや)さん (23歳)
東京都出身。市立船橋高校、近畿大学卒。
4歳の時に親が離婚。母親のもとで暮らしながら父親と交流を続ける。大阪の大学への進学を機に母の元を離れて暮らす。
小学生の時からサッカーを始め、現在、葛飾区からJリーグを目指すサッカーチーム”南葛SC”に所属しDFとして活躍中。
大学在学中には、友人と起業し、”思い出の可能性をデザインする”オリジナルのWebサイトをプレゼントするサービス「onegift」をリリース。

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■ご両親が離婚した頃のことや、その後のお父様との関わりを教えてください。
 
4歳位の頃に親が離婚して、母親のもとで育てられました。細かくは覚えていないのですが、離婚した後も父親とはちょくちょく会っていましたね。小学校にあがるまでは父親の家に泊まりにも行っていたように記憶しています。

小学生になってからはサッカーが忙しくなり、泊まる機会はあまりありませんでしたが、ご飯を食べに行ったり誕生日の時にプレゼントをもらったりしていました。


その後、携帯を持つようになってからは、父親と直接連絡を取って会うようになりました。今思い返せば、自分で父親に連絡を取れない年齢の時は、きっと母親が父親とやりとりをして、父親と会えるように調整してくれていたんだと思います。嫌々やりとりしているような様子は感じなかったです。

直近で父親と会ったのは昨年の秋ですね。大学在学中に父親が出張で大阪に来た時にご飯を食べました。その後はコロナで会っていませんが、連絡はちょくちょく来たりしています。


■ご両親の離婚によって困ったことはありましたか。

困ったことや辛かったことはないんですよ。離婚後も、母親は家で父親の話をしていましたし、僕の前では父親のことを悪く言うようなこともなかったので、父親と会いづらいということもありませんでした。離婚するくらいなので本心では嫌だったのかもしれませんが、そういう素振りを見せてなかったですね。

困るというか、母親がいつも忙しそうにしているのを間近で見ていたので、大変そうだなと思って気にはなっていました。


■友達と親の離婚のことなど話したりしますか。

けっこう母子家庭の友達がいるんですよね。小さい頃に親が離婚して「お父さんに会いたい」と言っている友達もいれば、中学生以降に離婚して「別に会わなくてもいい」と言っている友達もいました。

父親のことが記憶にあるかないかでも違うのかなと。父親と過ごした記憶がある状態で、しかも幼少期に突然会えなくなったりすると寂しい思いをするんだろうと思います。中学生以降だとけっこう本人の意志だったりしますよね。

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■お父様と関わり続けていてよかったと思うのはどんなときですか。

将来のことや仕事のことなど情報を聞けるので、特にここ最近は父親と話す機会があってよかったと思うことが多いです。父親って一番身近な大人の社会人じゃないですか。父親の仕事のことも関心があります。

あと、母親との馴れ初めなんかも聞いたりしています。父親は再婚していますが、結婚当初とか付き合っていた頃とか母親をどう思っていたのかを聞いてみたくて。母親からは聞いたことあるので答え合わせ的な感じで知ってみたいんですよね。




■お父様は再婚されているのですね。親の再婚ってどう感じますか。

父親は再婚して子どもがふたりいます。僕が小学校の頃に再婚したんだと思います。父親から聞いた時は「結婚したんだ」くらいで特に何も感じなかったですね。
再婚後の子どもとは会ったことがないですが、父親は会ってほしいようなことを言っていました。会いたくないとかは全然ないんですけど、時間がないから会ってないという感じです。タイミングが合えば会うのは問題ないです。

母親は再婚していないのですが、僕には兄弟がいなくて、母親は一人なので、良い人がいれば再婚してもいいんじゃないかなと思っています。

ただ、もし自分が一緒に住むような年齢だったら複雑だったかもしれません。友達に知られるのが恥ずかしいというか。大学生になるとネタにできるんですが、高校2年生位までは微妙かと。

でも、家が広くなったり環境が良くなってお小遣いくれる人ならいいかも(笑。 あと、いろんな情報を教えてくれる人ならいいですね。


■親が再婚を考える際に気を付けておいてほしいことってありますか。

「再婚したいけどどう思う?いい?」みたいに判断を委ねられるのはキツイです。親が決断して引っ張られるくらいのほうがいいです。
あと突然っていうのも困るので、都度ラフな感じで情報提供はしてほしいですね。
関心なさそうにしているかもしれませんが、子どもにとって大事な情報なので実はしっかり聞いているはずです。ただ、関心があると思われたくないので質問はしないんです。

あと、みんなで仲良くするみたいのもちょっとやりずらいですね。再婚相手と自分が話している様子を親に見られるとなんとなく気まずいので、混ざってこないでそっとしておいてほしいです。

それよりなにより、一番困るのは親の再婚によって自分の苗字が変わること。これは大問題です。かなり実害があるので、苗字を変えることだけは反対ですね。

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■離婚を経験している親御さんたちへ伝えたいことはありますか。

別れ方にもよりますが、子どもの立場としては親に会えている方がいいです。子どもによっては、本心で会わなくてもいいと言っていることもあるかもしれないので難しいところですが。


一緒に住んでいる親から「会いたい?」と聞かれると判断を委ねられるようで返事がしづらいので、「会ってくれば?」と背中を押してくれるといいですね。あと、子どもの「どっちでもいい」という返事はGOサインの意味なので、引っ張って後押ししてあげてください。

離婚をした方の中には、なかなか子どもに会えない方や会わせたくない方など、様々な状況の方がいて、辛く大変なことがあると思いますが、少しでもポジティブに考えて頑張ってください。その中でできるだけ子どものことを第一に考え、子どもの意見を尊重してあげてほしいと思います。


■親が離婚している子どもの立場の方へもメッセージをお願いします。

両親が離婚してしまって悲しい気持ちになっているかもしれません。ただ、離婚することになったのは決してみなさんのせいではないし、仕方のないことだと思います。

なので、みなさんが責任を感じる必要は全くないし、ネガティブに捉えずに、自分自身の道を全力で歩んでほしいです。この経験が良い方向に向かうよう、頑張っていきましょう。

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■ご自身のこれからのビジョンや夢を聞かせてください。

僕自身、母子家庭で育ったことに関して、これまで全くネガティブに思ったことはありませんし、むしろその経験が今になってすごく活きています。

基本的になんでも自分でできるようになりましたし、より様々な人たちに対して感謝の気持ちが芽生えるようになりました。



これからは今までお世話になった人たちに恩返しができるよう、まず第一にサッカー選手として活躍すること、またビジネスの世界においてもよりスケールの大きなことに挑戦していきます。その結果、「カッコイイ大人」になれればいいなと思います。


■さいごに、ご両親に向けてぜひメッセージを。

長い期間一緒に住むことはできませんでしたが、僕にとって父と母はそれぞれたったひとりの親であり、かけがえのない存在です。ふたりには本当に感謝しています。


特に母は、今の僕とあまり変わらない年齢からここまで僕を育ててくれ、辛いことだらけでとてもしんどかったはずなのに、その姿をほとんど見せることなく明るく振る舞っていて、本当に強い母だなと思います。



ふたりに対する一番の親孝行は、僕が好きなことに対して真っ直ぐ進んでいくことだと思うので、その姿を見せていければと思います。ただ、その中で何からしら形としても恩返しできるように頑張ります。

あらためて、これまで育ててくれた親に感謝したいと思います。
これまで育ててくれてありがとう。


企画:一般社団法人りむすび



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