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共同養育に必要な制度と支援|共同養育支援議員連盟総会にて

みなさんこんにちは。しばはしです。先日、共同養育支援議員連盟総会にて「共同養育に必要な制度と支援」についてお話させていただきました。

お話させていただくきっかけになったのは、議員連盟事務局長みたに英弘議員とのランニング。8月末北海道マラソンに向けて一緒にロング走練習をした際に、走りながら共同養育を推進していくために必要な支援や課題について盛り上がり、「次の議連で話さない?」とお声がけいただいたという流れです。

最初は議員さん向けの小規模な勉強会かなと思っていたのですが、のちに総会だと知り、規模感がわからぬまま参加すると、国会議員、関係省庁など総勢90名以上集まられていたようで、冒頭メディアも入られていました。

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さて、どのようなお話をさせていただいたかは、スライドの一部を挿入しつつご説明します。なので、ここから長くなります。

☑️まず前提として、子どもが望む共同養育を実践するために必要な支援とは。
子どもが望む共同養育とは、親同士が争わないこと、両親と関わり続けられること。そのためには、両親の葛藤を下げ争わない話し合いができるようサポートを初期から行っていくことが必要です。

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☑️りむすびが行っている共同養育支援の紹介。
カウンセリング、ADR、面会交流支援、自助コミュニティ、親支援講座、普及活動、人材育成。結論からいうとこれらのサポートをワンストップで提供できれば概ね共同養育支援は網羅できると考えています。ちなみに子どもの心理面は専門ではないので、専門家の先生にご相談しリファーできる体制を整えています。

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☑️条件決めの前に気持ちの整理を。
離婚というと条件ありきになりがちですが、相手が提示した条件を拒絶したくなるのが離婚するほどの夫婦の心情。
調停裁判では相手が悪いという書面のやりとりが進み、別居前よりも関係が悪化し、およそ共同養育できる関係ではなくなってしまいがち。条件決めの前に気持ちの交通整理ができれば継続可能な合意形成がのぞめます。
強制的に共同養育する制度を設けるのもひとつですが、争わず共同養育できる関係になることへの支援も必須だと考えます。

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☑️現行制度の課題と必要な制度
夫婦の葛藤を上げないために必要なこと。司法においては、とにかく調停で対立構造を生まない協議ができるためのカウンセリング制度導入などの体制づくり。ADRの普及推進もひとつ。
ADRといっても調停簡易版のような条件ありきでは意味がありません。きちんと両者の気持ちの整理をすることが調停でもADRでも必須です。
そして、別居直後から可及的速やかに親子交流ができるようにすること。面会交流調停、試行面会の日程調整をしているうちにあっという間に数ヶ月。その間、別居親は悲しみや不安が怒りになるのも無理もありません。一方で同居親も会わせたくないほど辛い気持ちや相手への不安があるのであれば、その気持ちをほぐし不安を解消していく伴走者もまた必要です。

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☑️現行制度の課題と必要な支援
離婚して弁護士もいなくなり、突如元配偶者とやりとりをしなくてはならないという状況のなか、連絡してももめてばかりいると、ストレスmaxで連絡を閉ざしてしまうといったケースも少なくありません。
また、面会交流が順調に進んでいるものの、取り決め以上に拡充するか?といった話し合いまでは当事者同士でできる関係ではない場合、拡充に向けて再調停しないと決められない?なんていうことも。
メンタルケア(相手との関わりに悩んだ時に相談できる場)+面会交流支援(相手と関われない時期の連絡仲介など)+ADR(協議できる場)といった、まるっと離婚後の子育ての駆け込み寺的な支援があれば共同養育が継続しやすくなります。

また、共同養育を学ぶ機会についてはいわゆる親支援講座といわれる座学的な知識を得る機会も必要ですが「できる家庭がやればいいけど、我が家や相手がひどいから無理」と他人事になりがち。であれば、講座に加えて、具体的なケースを直接聞ける同居親別居親が集うコミュニティは非常に有効的。
さらに、民間支援だけではなく、行政の相談員や職員の方々が共同養育という選択肢の引き出しを増やしていただける機会を設けるのもひとつです。

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☑️共同養育は別居前から!縦割りではなくワンストップサポートの必要性
別居前にカウンセリングしていれば。。ADRを知っていれば。。
別居直後から親子交流ができていれば。。。
親同士の関係は別居前以上に悪化しづらいのではないでしょうか。
初期から争わない親同士の関係づくりへの支援体制を整えれば、面会交流支援団体を利用しないで済むご家庭も増えるはずです。
そして、再婚というフェーズにおいても共同養育に悩まれる方が多くいらっしゃいます。縦割りではなく共同養育実践に向けたトータルでサポートできる受け皿があることで、共同養育に悩むパパママ、そしてその先にいる子どもたちが救われます。

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まだまだ、書き足りないですがダイジェストとしては以上となります。

総会では議員の皆様から多くのご質問もいただき貴重な機会に感謝です。
もしかしたら「争わない、葛藤を下げる」という、数値化しずらい感情を扱う見えにくさに支援のイメージが湧かない方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、離婚問題の夫婦のこじれは感情9割。この感情の整理抜きにしていきなり条件決めしても円滑な共同養育は語れないのではないかと、同居親・別居親両方の現場支援を通して思わないではいられません。


・共同養育は話し合いの時点から始まっています。
・「相手のせいで共同養育できない」ではなく、自分自身が「共同養育しやすい相手になる」ことです。これは双方にいえることです。


共同親権導入の議論が進むなか、並行して、といいますか、むしろ先行して共同養育支援の確立をすることは必須です。共同養育は両親次第で今日からできることです。
繰り返しますが、「子どもが望む共同養育=親同士が争わないこと、両親と自由に会えること」を実現するために必要な支援とは?を追求していきたいですね。


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