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共同養育について話し合って離婚すべきだった後悔の思い 〜野上有香さん〜


こんにちは。一般社団法人りむすびです。
離婚後も両親で子育てする共同養育を実践している女性「共同養育woman」特集。今回は、協議をせずに離婚してしまったことで共同養育がうまく進まず後悔している思いを語る野上有香さんを直撃インタビューしました。


■プロフィール

お名前:野上有香さん(のがみゆかさん)
お子さんの年齢:9才男の子、7才女の子、4才女の子

青森県出身。東京でアパレル接客業を経て、24歳で青森在住の元夫と結婚。青森で三児の育児のかたわら、ベビーマッサージやお菓子教室などのサークルを主宰。
2017年11月に離婚し翌年に東京へ。シングルマザーシェアハウスに入居後、自身でもシェアハウスを立ち上げたい思いから、2019年8月に多世代コミュニティ型シェアハウス「NICORIHOUSE」をオープン。

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■現在、どんなカタチで共同養育を行っていますか。

共同養育をしたいと思っているのですが、スムーズにはできていない状況です。元夫には子どもたちの誕生日などに会ってもらっています。
私からLINEで子どもたちの学校行事などは定期的に伝えたり、子どもたちがどうしても会いたいという時には「会ってあげてほしい」とお願いしていますが、なかなか思うようにやりとりが進まず、回数でいうと不定期で年に3回程度会えているといったところでしょうか。

会う時には、すべて私も同伴することもあれば、食事の時だけ一緒に過ごすこともありますね。子どもたちは会うととても喜んでいて、その後もずっと家で父親の話をしています。

そんななか、先日子どもの学校行事に元夫も参加してくれたんです。翌日には私も含めて5人で野球観戦に行きました。急な展開に驚いていますが、子どもたちはとても嬉しそうでしたし元夫も喜んでいました。まさに共同養育に向けて少しずつゆっくり動き始めたところです。 



■離婚から今までどのような経緯があったのでしょうか。

子どもたちを愛している元夫が前向きになれていないのは、それなりの理由があると感じています。私たち夫婦はあまり話し合いをしないまま離婚をすることなりました。どうしても青森で生活がすることに限界がきてしまった私の一存です。

元夫は仕事を辞めて一緒に東京へ行ってもいいとまで言ってくれたのですが、青森でキャリアを積んでいる元夫を尊敬していたし、仕事を続けてほしい思いもありました。元夫は心優しい人なので、本心では離婚したくなかったにもかかわらず、最終的には私の意向を飲んでくれて離婚に至りました。

そんななか、急速に離婚に向かっていったため、養育費以外の子どもの養育についてきちんと協議せずに別れてしまったんですよね。離婚後、子どもを連れて東京へ引っ越したため、以来、元夫は家庭にぽっかり穴が空いてしまい深い傷を負ってしまったのか、子どもと会いたいと言わなくなってしまい、私からLINEしても既読にはなるものの返事がこない状態になってしまいました。

私は、話し合いをせず離婚したことは明らかに失敗だったと後悔しています。もっと話し合いを重ねて、どうしても離婚するしかないんだとしても、なによりも子どもと父親が関わり続けられるような環境を整えるべきでした。

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■現在、困っていることはありますか。

連絡が一方通行になってしまい、風通しよくやりとりができないことですね。子どもを育てている側は日々忙しくていろいろ考える時間もないのですが、きっと辛い思いをして心が癒えていないのではないだろうかと気になります。

ただ、夫婦の問題と親子関係は切り離して、子どもにもっと関わってほしいなと思います。子どもたちが毎日パパのことを話しますし、パパに会いたいと言っているのですが、子どもに「どうして離婚したの?」と聞かれると、私自身堂々と説明ができないのも自分の中で困っています。


■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。

親同士としてあらためて子育てについて、そして親同士の関係性について話がしたいです。離婚以来話していないので機会を設けたいけど動けずにいました。今、元夫は仕事で東京に来ることも多いので、「話をしたい」と投げかけてみようと思います。今までできていなかったのですが、今回この取材を受けて一歩進んでみようと思いました。

そして、夫婦の関係に整理がつき、親同士として関われるようになったうえで、子どもたちと頻繁に会ってもらいたいですね。子どもたちもパパと連絡が取れるようスマホを持たせて準備はできています。

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■義親への思い

実は、離婚後も元夫の実家へ年に1、2回子どもたちを連れて行っているんです。そこに元夫はいないのですが、私は元夫の親族も大好きで、とてもよくしてくれたことにも今も感謝しています離婚しても祖父と孫の関係は変わりませんし、祖父も喜んでくれています。

独身の友人にこの話をすると「よくばりだよ」と言われることもあります。離婚したのに義親と関わろうとすることは、欲張りなのかと自問自答することもありましたが、せっかく出会えた縁を大切にしたいし、子どもたちを愛してくれる人は一人でも多い方が子どもたちも嬉しいはず。これからも定期的に行こうと思っていますし、元夫がいつか来てくれたらいいなと願っています。


■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。

 決して嫌いで別れたわけではないので、LINEするときは尊敬していることを伝えます。あとは、傷つかないよう言葉選びは気を使うようにしていますね。もう少し頻繁にやりとりができるのは、時間もかかるのかもしれませんが、あまり急かさずにいようと思います。

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■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。

現在、シェアハウス経営のほかに、結婚相談所に勤めているのですが、「離婚しない結婚」を伝えていきたいです。結婚は単なるスタート。そこからの夫婦関係をいかに継続していくかが大事です。

以前、シェアハウスに入りたいとシングルマザーから問い合わせがあったのですが、「ご主人としっかり話をしてからいらしてください」とアドバイスしたところ、そのママは考え直して修復したんですよね。しっかり話し合って修復の道も選択肢として持ってくれるといいなと思います。

私は、「離婚してよかったね」と言われても、よくないことだと思っています。それは、私自身が子どもに堂々と説明ができないからです。今は「ごめんね」しか言えないんですよね。これから共同養育に向けてゆっくりでも少しずつ元夫とやりとりができるようになればいいなと願います。

シェアハウスに関しては、シニア層とシングルマザーが共存できるシェアハウスを行政をからめて運営していきたいです。シェアハウス経営をしている人たちの知恵を結集しみんなで作っていけたら最高ですね。

企画・取材 一般社団法人りむすび

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