見出し画像

衆議院法務委員会参考人で意見陳述しました&感想

4/3共同親権導入の賛否をめぐる衆議院法務委員会。共同養育の現場支援者の立場として共同親権導入の必要性と課題を意見陳述させいただきました。

このようなラインナップです。

まずはぜひ動画をご覧ください。しばはしの意見陳述は40分くらいからですが、他の参考人の先生方もすばらしいお話なのでぜひご視聴くださいね。

|意見陳述

私からは「円滑な共同養育実践に向けて 共同親権導入の必要性と課題」と称して
・父母共に共同親権を必要としているケース
・共同親権vs単独親権で意見がわかれるケース
などを紹介した上で、現場支援を通して、共同親権共同監護が可能な親、困難な親の素質についても切り込んでお伝えしました。

また、共同親権導入=協力的な父母を育成していかなくてはなりません。そのために必要な司法改革や支援強化についてもご提案しました。

配布資料はこんなかんじです。

結びとして、共同親権導入という旗を掲げることで
・社会の固定観念がひとり親→ふたり親
・父母が協力するよう意識改革
・争わせない協議に向けた司法改革
・夫婦→父母の関係構築する支援強化
が促進され、子どもが望む両親が争わない社会を実現していきたいという思いを提言しました。

|質疑応答(ざっくりメモ)

柴山議員(自民)
Q. ADRの受け入れ体制は足りている?
A.足りていないと思う。弁護士会や弁護士がやれるのでは?法務省によるADRの認知拡大。ADRに取り組む弁護士が増えることが必要。

Q.長期の親子の引き離しによる弊害は?
A.長期の引き離し&婚姻費用などお金のことを先に決める
 →別居親の葛藤上がり同居親を責める
 →条件を飲まない&攻撃してくる別居親に対して同居親が嫌悪感で拒絶
 →さらに会えなくなり係争長期化関係悪化という悪循環を繰り返す。
 子どもに危害がない場合には可及的速やかに交流を再開することで不要な争いを回避できる。

大口議員(公明)
Q.司法に求めることは?
A.争わない離婚協議、条件決めありきではなくわだかまりを解消するスキームの確立。面会交流支援を通して父母関係を快方に導いても、調停に戻ると関係が悪化してしまう。司法・弁護士・民間支援の連携も必要。

道下議員(立憲民主)
Q.共同養育するのに共同親権である必要はないのでは?
 離婚してもふたりで子育てすることが当たり前になるためにも共同親権導入というソーシャルインパクトが必要。

美延議員(維新)
Q. 子の利益とは?
A.両親が争わないこと。親の顔色を見ずに自由に行き来ができ両親から愛情を受ける環境を整えること。

Q.高葛藤の同居親をほぐすコツは?
A.圧倒的共感→子どもの気持ちを伝える(あなたが子どもだったらどう感じる?)
 同居親だけではなく対となる別居親の意識変容も必要。共同養育しやすい相手に自分自身がなるように伴走する。

本村議員(共産)
Q. 裁判所がDVについて軽視する現実があるが現在の裁判所の体制をどう思う?
A.DV案件は裁判所から面会交流支援を提案されている。弁護士も依頼者に火をつけるようなことをせず葛藤をあげないようにすることでDVを悪化させずに済むのでは?司法関係者民間団体すべてで取り組む課題。

Q. 裁判所での取り決め後の面会交流の危険性を検証すべきでは?
A.裁判所は専門外なので発言は控えるが、たとえば「虚偽DV」という言葉があるが受け取り手がDVされたと思うのであれば、そのような思いをさせてしまったのだということに相手側が寄り添えるような仕組みを裁判所内でつくることで悪化は防げるのではないか。

|メディア掲載

朝日新聞さんに紙面およびデジタル版に掲載いただきました。
しばはしが共同親権導入賛成の代表として取り上げていただいてますが、他の先生方とうまくバトンを渡し合いながら質疑を勧められたと思います。


|ふりかえり&雑談

いやはや。しびれる2時間40分でした。
なにより心強かったのは、ご一緒した犬伏先生と山口先生との親和性があったこと。学術面、司法面、現場の三者の立場から共通して「父母の葛藤をあげない」ことへの提言ができたように感じます。
うれしいことに
「研究者の言っていることが現実的に受け入れられるんだ、という気持ちになった」とおっしゃっていただけて。
いやいや、私たちこそ
「支援者のやっていることが現実的に受け入れられるんだ、という気持ちになった」と思わないではいられませんでした。
今後、ぜひとも連携をさせていただきたい先生方と出会えた!と光を感じ感極まる思いです。

さて、意見陳述と質疑応答について。
これまで法制審参考人、公明党の法務部会、親権のあり方勉強会などでご説明をしてきていたのでブラッシュアップすればいいかなと思っているなか、
前日に理事の藤原さんと壁打ちしている中で舞い降りてきたんですよね。一番伝えたかったことが。急遽前日マイナーチェンジして挑みました。

意見陳述はセリフを読み上げるのが苦手で原稿なしなので、しどろもどろな箇所もありますが思いは伝わったかな。。と思いたいです。前日玉置浩二のコンサートで名古屋に行っていたので新幹線の中で15分に収まるようにブツブツと練習。
(余談ですがお伝えしたいのは玉置浩二のメロディは名曲です)

質疑はなまものなので準備なしで挑みました。
令和の虎で質疑には慣れているつもりでしたが、専門分野ではない質問が飛んできた時にいかに柔軟に応えるかの訓練になりました。(この訓練を参考人招致以上の場所で使うことはあるのか?!)

午後の部も傍聴しようと思って議員さんに招待してもらっていたのですが、スマホやPCを使えない(通信機能NG)なことがわかり、業務が滞るので諦めました。
国会担当の方に「会議室にwifi飛んでますか?」と呑気に質問したら、「だ、だ、だめなんです。。」と慌てて電話がかかってきました^^;

終了後は、議員さんにご挨拶がてら議員会館の食堂で同伴してくれたえみりんこと藤原さんと一緒にランチ!いつも頼りになる右腕えみりんです。

今回の意見陳述をつくる際に、ずっとりむすびコミュニティメンバーをイメージしていたんですよね。みなさん葛藤はそれぞれですが、「争いたくない。相手の立場を理解したい」という共通の思いがあって集ってくれている、意見陳述でいうところの「協力的な別居親同居親」なんです。
なので、その方々が共同親権で共同養育できるといいなという思いを込めてプレゼンしました。メンバーひとりひとりをイメージしたからこそ熱意を持って話せたと思っています。

当日夜か翌日にでも、りむすびコミュニティメンバーに資料をシェアしながら解説付きで感想シェア会をしようと思っていたのですが、思いの外かなりプレッシャーだったのか疲労がまーーったく抜けず、昨日まで朦朧としていました。
来週4/10に「法務委員会で話した内容を資料付シェアするよの会」をコミュニティzoomでやることにしました。
りむすびコミュニティは意見陳述でも述べましたが「争うよりも歩み寄り」をモットーに同居親別居親が集うコミュニティ。法務委員会の話だけ聞きたい方はNGですが、理念に賛同される方はぜひジョインくださいね。


法改正という大きな潮目。
離婚=争いという悪しき文化を私たちの世代で一掃し、次世代が「結婚っていいな、子育てっていいな、離婚しても最悪にはならないんだな」と思えるように引き継いでいきたいと強く思いますし、官民学連携する絶好の機会!理想ではなく実現するつもりで今後も活動してきます。


5月には共同養育実践ケースの書籍も出ますので乞うご期待です✨


よろしければサポートをお願いします。いただいたサポート費用は共同養育普及に活用させていただきます!