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「愛とは許すこと」ー離婚しない結婚をつくっていきたい〜伊達蝶江子さん〜


こんにちは。一般社団法人りむすびです。
子連れ離婚後も両親で子育てする共同養育を実践している女性「共同養育woman」特集。
今回は、「離婚しない結婚」を理念に結婚相談所を経営する伊達蝶江子さん、そして、DNA婚活事業を担当する息子さんの祐樹さんを直撃インタビューしました。


■プロフィール
・お名前 伊達 蝶江子(だてちえこ)さん
・ご職業 
 結婚相談所「BRIDAL PRODUCE People」代表 
 「Gene Partner Japan」 CEO
・お子さんの性別・年齢  30歳息子さん  27歳娘さん

・経歴
兵庫県神戸市生まれ。21歳で結婚。1男1女に恵まれるが35歳で離婚。お弁当屋さんなどのパートの掛け持ちで生計を立てる。
一方、1996年にボランティアで始めた独身者のパーティをきっかけに結婚業界に参入。約20年間仲人として結婚をプロデュースを手がけ、成婚700件以上うち離婚率1%。
理念は「失敗しない結婚」づくり。”良い結婚が、良い社会を生み出す”とも考え、現在、DNA婚活、婿養子サポートセンター、クリスチャン結婚支援等に精力的に活動中。結婚教育を通じて社会問題解決に取り組んでいる。


■共同養育と聞いてどんなイメージがありますか。

蝶江子さん
まさにこれを早く広げるべきだと思いました。急がないとダメだと。
私は、結婚相談所を運営しているのですが、夫婦の悩みや離婚相談を受ける時もあります。
その時には必ず「離婚しても子どもをきちんと親に会わせるように」とアドバイスしています。

相談に来られる方の中には、父親の存在を知らずに育った方もいらっしゃいます。その方はどのように自分が父親になればいいのか家族像を描けないんですよね。

「自分の父親がわからない」。こんなことをがあってならないことですし、大きな社会問題だと感じています。ですので、今回のインタビューの依頼があった時に、ぜひ協力して共同養育を広めたいと運命を感じました。


■現在、どんなカタチで共同養育を行っていますか。

蝶江子さん
息子がちょうど8歳の頃に離婚しました。離婚するにあたっては、いろいろと苦労しましたね。元夫は自宅に残り、私が子どもたちを連れて家を出る形での離婚となりました。

当時は、子どもたちもまだ小学生でしたが、父親と子どもたちが会うことについて、私が連絡を取り合った記憶はほとんどないですね。
父親と子どもたちが直接電話で約束をして、月1〜2回程度会いたい時に会っていました。そして、会った時に次の約束をして帰って来ていたと思います。泊まりでスキーに行ったこともありましたね。

祐樹さん
小さい頃の記憶は定かではないのですが、中学校入ってからは自分の携帯を持っていたので、父親に直接連絡をしていました。
今はLINEで話したり、連絡したい時にして会いたい時に会っています。
「お正月に行くね!」など、どこにでもある実家に帰る感じです。

父親は大阪に住んでいて遠方であること、そして、私自身も結婚しているので頻繁に会うことはありませんが、年3回程度ですね。

あとは、父親は一人暮らしなので万が一の時のために、インターネットで玄関周りの動画が見えるシステムを設置していて、常に父の様子を確認するようにしています。間接的にでも、父親が元気でいるかがわかるのは安心できますね。


■共同養育をするようになった経緯をお聞かせください。

蝶江子さん
離婚直後、元夫と関わりたくない気持ちは当然ありました。
ただ、私はクリスチャンで「愛とは許すこと」だと教えられてます。
また、「子どもは自分のものではなく、親は子どもの成長を助けるもの」だということも教えられているため、子どもを所有物化しようという考えは全くありませんでした。

離婚後も「夫婦としては破綻したけれど一緒に住んでいない家族」といったイメージでしょうか。共同養育をすることが当たり前だと思っていましたし、元夫もクリスチャンなので同じように考えていたと思います。

それより、とにかく離婚後は自立することが大変でした。朝はお弁当屋さんに始まり、仕事を4つ掛け持ちして朝から晩まで働いていました。

離婚直後は大変な時期もありましたが、絶対に経済的に自立すると決断していましたね。とにかく必死でしたが、「決断」していたことは大きかったと思いますし、自分の中での大きな自信にもなりました。


■共同養育するにあたり困っていること、困っていたことはありますか。

祐樹さん
母親は父親と直接関わっていないので特に困ることはないと思うのですが、子どもの立場としては、両親それぞれが相手のことを嫌そうな言動しているのは、あまり気分がいいものではないですね。

例えば、父親になにか頼みごとをすると「それは母親から頼まれたんだろう?」と勘ぐってきたりするので、母親も悪口ではないにせよ、「あの人ああいうところあるからね」と言ったり、「離婚したのになんでまだいがみ合っているんだろう」と思うことも。

そのような時は、面倒な気持ちになって言い返さずに受け流すようにしています。父もいい年なので今更言っても変わらないですしね。

あと困っていることといえば、強いていえば、物理的に距離があるので交通費がかかるということくらいでしょうか。


■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。

蝶江子さん
元夫は独居なので、とにかく健康でいてほしいですね。お互い健康が一番です。それくらいですね。

祐樹さん
父親には元気でいてほしいです。万が一病気になると、母親は看病しに行ってしまうようなタイプで父親は断ってくるタイプ。
私が板挟みになるのが目に見えているし、面倒なことになるのはは避けたいところです。

あと、母親は、妹の結婚式に父親を呼ぼうとしていたのですが、子どもの立場としては、家族4人で会いたいと思ったり親同士で会ってほしいと思うことは正直なところないんですよね。妹はどのように思うかわかりませんが、できれば、あまりかまわないでほしいかなとも思います。


■共同養育はどんなメリットがありますか。お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。

蝶江子さん
離婚して距離は離れているけれど、元夫は子どもたちのために養育費も払ってくれていたし、一緒に育てている感じがしていました。
子どもたちと会っていることで、よりモチベーションもあがっていたと思うので、会い続けることは父親としての意識が高まり子どもたちにとって非常に良いことだと思います。
なかには、会わなくてもいいという親もいますからね。

祐樹さん
両親それぞれからクリスマスプレゼントをもらえたり、住む場所がふたつあることはもちろんメリットではありますなが、物理的なメリットよりも精神的なメリットの方が大きかったと思います。

うちはいつでも自由に会えていたので、両親から愛情を欠けずに受けていることができました。もし、母親だけに育てられていたら、父親の存在を知らずに育っていて心に深い傷を負っていたかもしれないですからね。


■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。

蝶江子さん
結婚についての教育をもっともっと広めていきたいです。食育、お金の価値観、孤独死なども含め、結婚全体に付随していることをを結婚前に伝えていくことを使命だと感じています。

そして、「離婚しない結婚」をつくっていくこと。結婚における選択肢を間違えた人が離婚するので、間違えないような学びを伝えていきたいですね。
ただ、万が一離婚してしまった場合には、まさに「共同養育」の大切さを学ぶ機会をつくっていくことも必須です。
これらを、すべて「結婚前」に伝えていかなくてはならないですね。

祐樹さん
親が離婚していると、自分が他の人と比べて離婚しやすいんじゃないかなと思う時があるんです。
それは、ネガティブなことではなく、ポジティブに離婚へのハードルが下がっているというイメージです。

現に、離婚家庭で育った子どもが離婚する確率は75%という調査が出ています。次世代を考えていくにあたって、やはり「離婚しない結婚」をつくっていかなくてはいけないと心から思います。
そのためにも、正しい判断をするための知識と判断ができる教育が必要なので、母親とともに結婚教育に尽力していきたいと思っています。



企画・取材 一般社団法人りむすび

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