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離婚後、共同養育中に元夫と復縁ー結婚と離婚からみる夫婦関係とは 〜平島美紀江さん〜

こんにちは。一般社団法人りむすびです。
子連れ離婚後も両親で子育てする共同養育を実践している女性「共同養育woman」特集。
今回は、離婚後共同養育をしながら元夫と復縁するという経験をもつ平島美紀江さんを直撃インタビューしました。

 ・お名前 平島 美紀江さん
・ご職業・肩書き のこたべ代表 
・お子さんの性別・年齢 17歳男子(高3)、8歳男子(小3)、1才女子

・経歴
茨城県生まれ、北海道在住。宮城教育大学卒。
営業職、小学校教員を経て、リクルート北海道じゃらん入社。第一子妊娠を機に退社するが、「子育てをもっと楽しくしよう」と復職。2007年起業し、食育フリーマガジン「のこたべ」発行、円山動物園での子育てサロン、料理教室、主婦の再就職セミナー、畑のようちえんなどを手がけ、2009年LLCのこたべ設立。2010年よりコープさっぽろ広報誌「ちょこっと」編集長を務める。
プライベートでは、2人の男児を育てながら離婚し、その後45才で元夫との間に第3子を授かり復縁。現在、3児の母。


■離婚したお相手と復縁という奇跡的な経験をされている美紀江さん。まず、離婚後の子育てはどのように行っていましたか。

離婚したのは長男が中1の頃。当時、夫婦仲が悪い状態でも子どものために結婚生活を続けるべきか、離婚してもいいのかずっと悩んでいました。
いっそのこと子どもに聞いてみようと思い、長男に「離婚してもいいかなぁ」と尋ねてみたところ、「マジか、やっぱりか。お母さんの好きにすればいいよ」と後押ししてくれたことをきっかけに離婚への決断をするに至りましたね。

離婚する時に夫婦で決めていたことは、「夫婦関係は終わっても親子関係をずっと続けていくために協力していくこと」。

なので、私が仕事で家を空ける日などに、離婚後も週3くらいの頻度でうちに来てもらっていました。私は実家が本州で遠いので、子どもを頼めるのは夫しかいませんでした。次男はまだ保育園生だったので、親が離婚したという認識はなく、パパがいる日とママがいる日があるというくらいに思っていたと思います。


■共同養育と聞いてどんなイメージがありますか。


今回のインタビューを受けて、初めて「共同養育」という言葉を知りました。逆に7割もの家庭が離婚後に親子が会えてないということを知り、そんなに会えていないという事実に驚いています。
まさにわが家はこの共同養育を最初からやっていましたし、親の離婚と親子関係は別物。いくら夫とそりが合わなかったとしても、子どもにとっては父親は父親。なので、私は自分の感情で子どもから父親を奪う権利は自分にはないかなと考えてました。


■共同養育するにあたり困っていたことはありますか。

そうですね。困るというか、正直なところ離婚するほどの相手なので、関わることに常にストレスはありました。
うちに来てもらう日には食事の準備もお願いしていたのですが、「えっ、こんなものしか作らなかったの?」と思うこともしばしば。
夫婦だったら間違いなく文句を言っていたところですが、離婚して他人になったので、そこはグっとこらえていましたね。

子どもと元夫の会話を聞いていても、意味もなくイラッとするときもありました。完全に夫婦の感情と親子関係を切り分けられているかというと、そうでもない時もあり、心の中で葛藤は続いていましたね。


■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。

私が仕事が多忙で出張も多かったので、泊まりがけでうちに来てくれていたのは本当に助かりました。ひとりで息子二人を育てるのは到底無理です。

私は実家が遠かったこともあり、離婚しても元夫の手を借りるしか方法がありませんでした。
これがもし実家が近かったら週3という頻度ではなく週末だけになっていたかもしれませんが、
いつでも来てくれる距離にいてくれて、困った時にはすぐに対応してくれるのはありがたかったですね。


■共同養育はどんなメリットがありますか。
 お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。

まず、仲の悪い両親と一緒に過ごすことがなくなったのは子どもにとってよかったかなと思います。離婚後の方が明らかに親同士の関係はよくなりましたし、喧嘩をすることもなくなりました。子どもが親の顔色を見てハラハラすることもなくなったと思います。

離婚後も変わらず父親と接する機会が多かったので、親は離婚して一緒に住まなくなったけど、それ以外は何も変わっていないので、子どもにとっても私にとってもよかったと思います。

あとは、私が仕事で不在がちになっても、子どもだけで留守番をすることを防げたことは、共同養育していてよかったことですね。子どもだけで食事をさせることなど一切なく、必ず親のどちらかがいる状態で育てることができました。


■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。

「ありがとう」を伝えることですね。1回目の結婚生活中は、相手への要求度が高くなってしまい、つい「なんでやってないの?」という不平不満の視点で相手を見ていましたが、離婚することによって、不満ではなく感謝を伝えられるようになったのは良い関係をつくっていくのに大事だと実感しています。

直接顔を合わせて言うのは抵抗がありましたが、メールで「ありがとう」と打つことは抵抗なくできましたね。


■離婚生活を過ごしているなか、復縁をすることになったきっかけを教えてください。
 
離婚当初は、私がいないときだけ元夫が家に来ていたのですが、だんだん元夫がいる時間に私が家に帰るようになり、顔を合わせ話す時間が増えていきました。
離婚をしたことでよい距離感ができ、結婚生活中のような口論もなく良い関係を保ちながら過ごすことができたんですよね。

そうこうしているうちに、遅い時間になると「大変だからそのまま泊まっていけば?」という感じで元夫と過ごす時間が増えていったんです。
 
そこで、驚きの奇跡が起こります。
私が45歳の時に、まさかの妊娠発覚。年齢も年齢ですから、まさか妊娠するなんて夢にも思っていませんでした。
正直、私も元夫もかなりの衝撃でしたが、大切な命を授かったのですから、これは受け入れていこうと復縁をすることになりました。

離婚のきっかけをつくってくれた長男には最初に報告しなくてはと思い、真っ先に伝えたところ、それはそれは驚いていましたが喜んでくれていましたね。
次男は離婚していること自体わかっていなかったので、パパも一緒に住むことになって嬉しいという感覚のようでした。


■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。

現在、息子は高校の寮生活。次男と長女そして夫と私の4人暮らしをしています。
1度目の結婚生活に比べると今の方が良い関係ですが、離婚後共同養育をしていた時の方が適切な距離を保つことができていたので、あの時が夫婦関係としてはベストでした。

私もつい夫への要望が高くなってしまい強い口調になってしまいがちですが、夫がいなければ仕事に邁進することもできませんし、感謝の気持ちを常に持つことが課題です。
今回のインタビューを受けてあらためて再認識しました。
夫のサポートあっての今の自分があること、家族に感謝の気持ちを持ちながら、毎日笑顔で過ごしていきたいですね。

また、現在「残さず食べる、食べるを残す 次世代に食べるを繋げる」をモットーに農業支援の活動をしています。農家の方がつくることに専念できるよう発信活動、商品開発などを通してさらにサポートしていきたいです。

子どもにとっては離婚しない方がいいこともあれば、離婚した方が円満になる家庭もある。家族のカタチはさまざまです。人生たった一度。私のように何が起きるかわかりません。
女性も公私共々自立して、やりたいことで自己実現を目指していけるような社会になっていくとよいですね。

企画・取材 一般社団法人りむすび

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