記者向け説明会の開始時間はどうする?(参加者のことを考慮しよう)

とある外資系のIT製品のプレスブリーフィングの話を聞きました。開始が10時。会社は9時始まりだから、10時開始で、別に早すぎないという認識での実施だったのですが、結果は大失敗。記者が時間通りには集まらなかったとのこと。

遅刻して途中から入ってくる方がぞろぞろ。そのときにはすでに社長の挨拶も終わっており、その中には、是非記事に引用してもらいたいキメ台詞もあったのに、せっかくの内容が記者に届かなかったそうです。

何故記者が遅れてくるのか?皆さんはおわかりになりますでしょうか?

私がわかったのは、自分が記者になってからでした。この場合、主催者は「記者」の置かれている状況が分かっていなかったのです。

私の場合は、月刊誌の記者兼編集者だったので、夜中まで原稿を待って、原稿を整理して・・・その翌朝に10時の会見が駅から離れた不慣れな場所で行われたら、時間通りに参加するのはとても無理でした。校了前は、会社を出ることさえできませんでした。忙しい時期は終電後にタクシー帰宅・・・。月刊誌の校了前はかなり大変でした。

概して記者の方は多忙です。メディアによって状況は異なると思いますが、日々にいくつもの発表会の出席や個別の取材をこなさなければなりません。そして、どのタイミングで社に戻って書くのかなど、いろいろ事情があります。

たとえば、テレビ番組は、意図的にゴールデンタイムと呼ばれる、皆さんがテレビの前に座るような時間に、視聴率の取れる番組を流しますよね。(すでに終わったスポーツ番組をその時間に放映する事も多いような)。

企業がセミナーを運営する場合は、会社員がプライベートで出たい内容なら土日や夜に、会社の業務として出るような内容であれば、直帰(会社に戻らず帰宅できるよう)終了時間を17時頃にしたりしますよね。

また、お子様をお持ちの方向けなら昼間の時間にして、託児サービスをつける、子供も参加できるなど、工夫しますよね。

それらのように、参加する側(この場合は記者)の置かれた状況を考慮して、時間を決める必要があったのですよね。

最近は記者がどんな状況に置かれているかは、ソーシャルメディアでもある程度わかるようになってきました。直接ヒアリングが出来なくても、仮説を立てる事も出来そうです。

上場企業は適時開示の関係で状況も違ってきますし、当てはまらない場合もあるとは思いますが、ご参考まで。

(本内容は以前公開したブログに加筆・修正を加えたものです)

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