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【書評#1】世界、他人、親『14歳からの哲学』

池田晶子さんの『14歳からの哲学 考えるための教科書』

三つの印象的な話は、強度を持って私の心の中に刻まれていて、折に触れて様々な場面で思い出すことがある。

一つ目は、私と世界の話。この世界があってあとから自分が生まれてきたと思っている人が多いが、それは間違っている。自分が存在しなければ、この世界も存在しない。前提が、もののみかたと根幹がひっくり返る?そう思えたなら背筋がピン、視界がパッと開けるような話だ。

二つ目は、他人は存在しないという話。自分と他人との境界線は、目で見える肉体的なもので決まらない。実は他人は自分自身そのものである、ということ。あんなに嫌いなあの人も自分自身。世界の全ては自分の延長だ。ヤケにストンと落ちる話で、私の人生訓となった。

ーー他人は自分

三つ目は、親の話。動物の親はエサの取り方を知っていて,それを生まれた子どもにすぐ教える。しかし人間の親だけは「エサの取り方」を自分自身も知らないのに、子どもに教えなければいけないという困難なことをやっているという事実。親にムカついてきたし、何より今親になって、改めて考えたいことだ。

私がこの本に出会ったのは32歳。18年も門を叩くのが遅れましたが、ぜひ読んだことが無い方は手にとってみてください。

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