ルックバック
映画館で「ルックバック」を観て来ました。
監督:押山清高
出演:河合優実、吉田美月喜 他
今日(2024年7月6日:土曜日)の昼間、地元のショッピング・モールにある映画館で観ました。
お客さんの入りは、ざっと100人くらいだったでしょうか。
素晴らしい映画でした。
小学校の卒業式の日、藤野が京本の家に卒業証書を渡しに行って、そこで京本と出会い、帰り道、田んぼの畦道をスキップするシーンから、グッと心を掴まれた感じです。
そこからラストまで、ずーっと胸を締め付けられっぱなしでした。
お話としてはシンプルなのに、なんでこんなに心を掴まれるんでしょうね。
やっぱり表現の力、描写の力なのでしょうか?
描写といえば、田舎の風景の描写が良かったです。
例えば、主人公たちの家です。
藁ぶき屋根・縁側・お座敷といった、いかにも「ザ・日本の田舎家」じゃない所が良い。
東京郊外に建っている家々と何ら変わらない、近代的な洋風の家。
田舎出身者として言いますが、これが田舎のリアルです。
一軒一軒の家は、東京郊外の家と同じなんです。
洋風のドアがあり、ベランダがあり、中に入ればフローリング、大画面液晶テレビ、ソファ。
インターフォンもあるし、ウォシュレットもあるし、エアコンもある。
東京と何ら変わらない近代的な一戸建てが広い田んぼの傍に建っている。
田舎だろうと都会だろうと、ファストフードの味が日本全国どこでも均一で、コンビニのサービスが均一なのと同様に、家の建材も規格化されていて日本中どこでも同じですからね。
築500年の古民家に住んでいる人なんて、少数派です。
後半で描写される地方の単科大学もリアルでした。
雄大な自然の中に造成された、広大なキャンパス。
洒落たデザインの真新しい校舎。
勉学に集中する環境としては最高のはずなのに、でも、どこか殺風景で寂しい。
そんな感じが良く表現されていました。
地方の描写がリアルだからこそ、東京との対比、すなわち売れっ子漫画家として東京で暮らす藤野と、地元の単科大学に進学した京本との対比が際立ちます。
こういう視覚的な描写の積み重ねが感動を生んでいるんでしょうね。
それと主役の2人、河合優実、吉田美月喜も素晴らしかったです。
1つだけ違和感を覚えた点を言うと、京本の家族が全く登場しなかった事です。
もちろん、それが意図した演出であるとは理解できます。
でも、やっぱり不自然でした。
私は藤本タツキの原作漫画は今のところ未読です。
ちょっと興味が出てきたので、機会があったら読んでみようと思います。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?