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NOCEBO/ノセボ

U-NEXT で映画「NOCEBO/ノセボ」を見ました。

「ノセボ」という言葉は、初耳はつみみでした。
映画を観たあとで検索したら、「プラセボ」の反対を意味する医学用語みたいです。
プラセボは、
「『この薬を飲めば病気が治る』とうそを言って何の効果も無い偽薬ぎやく(にせ物の薬)を飲ませると、患者自身の思い込みが作用して本当に病状が改善する」
という現象を表す言葉です。
やまいは気から」ということわざどおりの現象が実際に起きる(場合もある)わけです。

ノセボは、その逆ですから、
「患者の思い込みによって、実際には存在するはずのない副作用が起きて、健康状態が悪化する」
という現象を表す言葉です。

へええ、世の中にはそんな言葉もあるのか、と少し驚きました。

話を映画の「NOCEBO/ノセボ」に戻します。

結論から言いますと、面白かったです。
とくにクライマックスはハラハラドキドキしました。

徐々に明かされる物語の真相は中盤あたりで大体だいたい予想が着きます。
先が読めたにも関わらず、興味を失わず観られたのは、描写が上手かったからでしょう。

物語の斬新さとか、アッと驚くオチの意外さを売る映画じゃありません。
わりと良くあるストーリーを静かに描写していく。その端正な感じを楽しむ映画だと思いました。
クライマックスのハラハラドキドキ感にしても、「これからどうなるんだろう?」という先の読めないスリルじゃありません。
「たぶん、こうなるだろうな」と分かっているのに、描写の妙でハラハラさせられる感じです。

ここから少しだけネタバレします。

字幕:ネタバレ注意!

(少し、間を空ける)

ホラー映画って、現代のおとぎ話みたいな側面があると思うんですよ。

この「NOCEBO/ノセボ」も、「強欲な金持ちが、その強欲さの報いを受けて破滅する」という昔話の類型に、わりと忠実にのっとっているような気がしました。
良く言えば「王道の物語」、悪く言えば「先が読めちゃう」って感じでしょうか。

先進国向けに安価な商品を作っていた工場で火災が発生し、出入口に鍵が掛けられ、窓には鉄格子がめられていたため、労働者が閉じ込められて逃げられず多くの死者を出すという事故は実際に発展途上国で発生しています。
「カラチ 縫製工場 火災 パキスタン」
とか、
「ケーダー社 おもちゃ工場 火災 タイ」
とかで検索すると出てくると思います。

発展途上国にある先進国向け縫製工場の安全性という意味では、バングラディッシュ の「ラナ・プラザ崩壊事故」も連想しました。

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