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【PM】ファスト・トラッキング

ファスト・トラッキングは、工期短縮手法の一つです。

PMBOKガイド第7版では「スケジュール短縮方法の一つ。通常は順番に実施されるアクティビティやフェーズを並行して遂行する。」と説明されています。

FS関係

「通常は順番に実施」とは、FS関係(Finish-to-Start:終了-開始関係)にある作業を順番にするという意味です。

FS関係とは、先行作業が完了して、その結果をインプット情報として後続作業を実施する関係のことです。

FS関係にある作業を並行して遂行するのがファスト・トラッキングです。

ダメ元

ファスト・トラッキングをかける際は、プロジェクトメンバーにファスト・トラッキングであることを理解してもらってから作業に着手してもらいます。

先行作業が完了していない状態で、後続作業を着手することの理由とその影響を十分に話し合ってから実施します。

後続作業を開始した後で、先行作業が完了し、その結果が確定し、後続作業の内容を修正することになるかもしれません。

ファスト・トラッキングは、ある意味、手戻りを覚悟する手法です。

ダメ元になる事も出てきますので、事前にチーム内でその事を共有しておきます。

弊害

ファスト・トラッキングの主旨を十分に共有しておかないと弊害が起きる可能性があります。

手戻りを嫌って仕事の品質が低下する者、インプット情報が決まっていないために妙な方向に作業を進める者、その時点での未決の状態を正式な決定と勘違いする者などがいて、バラバラの認識が生まれかねません。

修正

先行タスクが完了したら、後続タスクに修正が必要ないか見直します。

修正作業の量が多いと、せっかく短縮した時間が無駄になってしまいます。

この時、後続作業のやり方次第で、手戻りの作業量を最小化することができます。

例えば、先行作業の決定の影響を大きく受ける箇所だけ、保留にしておいたり、予め複数のパターンを準備しておいたりすることで、手戻りに手際よく対応することができるようになります。

未来にかけるトラッキング

ファスト・トラッキングは、過去の遅延を取り戻すというより、未来の工程が遅延するのが予測できていて、かつ、今の時点で人員に余裕がある場合に発動されることが多い手法です。

結局、後続作業に投入する人がいなければ発動できないのです。

スケジュールの見通しと、人員、そして作業の量を見て、ファスト・トラッキングを検討しましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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