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【VIVOBAREFOOT】気づけばVivoでアルプス行くようになった話(プライマストレイル II FG)②

本来の足の力を取り戻す、という触れ込みのVIVOBAREFOOT。履き始めてから1年弱でアルプスも行くようになったよ、という話。その後編。

前編はこちら。

6ヶ月目以降、なんの違和感もなくなった

振り返れば、VIVOを履いた山行後はなんらかスネや足の甲付近に違和感を感じていた。ほとんどが普段使わない筋肉の筋肉痛だったのだろう。それでも履くのをやめなかったのは、山道を歩いて楽しい靴だったからに尽きる。

今年の春ごろから、そうした違和感はなくなった。

確信は持てないものの、スネの前脛骨筋や足の甲の謎の筋肉は以前より膨らみが増したような気がする。そもそも山登りをまともに始めて1年ちょっとしか経っていないので、VIVOとは関係ないただのハイキング筋なのかもしれないが。

7月に初めて北アルプスに履いていった

北アルプスらしい砂利と岩の道が続く

履き始めてから10ヶ月目にしてようやく北アルプスに登った。

コースはいわゆるパノラマ銀座縦走の1泊2日だ。中房温泉から燕岳に登り、大天井岳や常念岳を南下して蝶ヶ岳から三股に抜ける。地面は樹林帯では土が多く、稜線に出てからは北アルプスらしい岩や砂利がほとんどを占めた(景色めちゃくちゃ良かった)。

結論から言えばなんの問題もなかった。「VIVOでもアルプス行けるんだ」というよりも、むしろ「VIVOだから楽しく快適に歩けた」という感想だった。

これから歩く道がはるか先まで見える

心配に感じていたのは岩場だった。

一般に頑強なハイカットの登山靴が推奨されるのは、足首を岩から保護し、捻挫を防ぐためだ。VIVOはローカットシューズの中でもかなり低い位置までしか保護されない。

実際歩いてみると、あまりにも身も蓋もないが、足の置き場に十分気をつけて歩いたので大丈夫だった。というか、そういう歩き方に自然と身体が慣れていた。

腰下のバネで歩く感じ

浮き石に気をつけながら、岩をうまく使って歩いた

少し大股で岩に飛びつくような場面では、つま先から着地し、ふくらはぎと膝をクッションのように使って衝撃を和らげる。登山靴の場合は「ドン、ドン」となるが、VIVOは「タン、タン」と実際に音を立てる。

忍者にでもなったかのような身軽さで気持ちが良かった。グリップも良く、乾いた岩の上では滑る気がしなかった。

歴が浅いから今まで気づかなかったのか、山道というのは転がる大岩をうまく使うと歩きやすい。岩を踏むと着地の衝撃が反発するので、膝やふくらはぎ、アキレス腱といった身体のバネを活かして次の一歩に移れる。土や砂利に降りると地面が力を吸収してしまうので、自前の筋力を使って次の動作を起こさなくてはいけない。

こうした足の使い方がVIVO特有のものなのかはわからない。本来の足の力、と謳うくらいだからそうなのかもしれない。

思わぬ利点

それから何度か北アルプスに登った。だいたい1日3人くらいはVIVOを履く人を見た。夏山シーズン真っ盛りにしては少ないほうだろう。アルトラのローンピークとオリンパスは超見た。ローカットスニーカー系で一番多かった。

不思議とVIVOを履く人とは会話が生まれた。

登山靴とは全然違うし、どうやらアルトラとも違うからだろう。履いたことないけど。VIVOはクッション性がさらに少ないらしい。

身体の使い方など突っ込んだ話まではしなかったが、特殊な靴を履いているという実感が強まった。「アルプスでVIVOどうですか?」とすれ違った人に聞かれたこともあった。会話が生まれるきっかけになったのは思わぬ利点だった。

買うのは秋がおすすめ

結果的に私は、9月に買ったのがラッキーだったと感じている。アルプスが雪をかぶりはじめる頃だったので、おのずと近場の低山などで履き慣らす期間が十分に取れた(雪山やらないし)。翌年夏のハイシーズンまでに必要な筋肉を揃えておくことができたのだと思う。

実際、アルプスで出会った人のなかには「まだ修行不足ッス」と肩を落としている声も聞いた。石から足裏に伝わる刺激が強すぎて痛くなってしまったという。ここまで褒め称えるくらいなので私は幸い問題なかったが、人によっては辛い山行となってしまうかもしれない。

VIVOBAREFOOT JAPANはTOE-GA(トーガ)という指先を動かすエクササイズを推奨している。買ったばかりの頃に意気込んでたくさんやったら、翌日スネや足の甲に筋肉痛が残った。ので、効果はあるのだろう。ただ、あまりにも地味で私は長続きしなかった。うまいトレーニング方法があれば良いのだが。

不満点

が、ないわけではない。まずは耐久性だ。既に左足の親指の付け根あたりのメッシュ素材が破れている。ぶつけやすい位置なので、岩かなにかに擦ってしまったのだろう。

また、歩くたびに折れ曲がる第二甲の足刀付近に素材同士の剥離がみられる。仮にダメージがこのまま大きくなったとしても、直ちに履けなくなるほどのものでもないだろう。ただ、見た目がみずぼらしくなりやすい、という欠点は無視できない。

やや些細だが、シューレースが緩みやすい点も気がかりだ。

結ぶタイプの靴紐であれば結び方を緩みにくいように工夫できるが、引っ張ってロックするタイプなので対処の仕方がわからない。「裸足感覚」が大事な靴でフィット感が失われるのは致命的で、一日に何度も締め上げる必要があった。

次はサンダルがほしい

シューレースが緩みやすいので、ベルクロで止めるタイプのサンダルが良いのではないかと思っている。また、テント場で靴下を脱いだ後に裸足で履けるとQOLが上がりそうだ。

どうやら在庫がほとんどないらしく、買えるかはわからない。今更ハイカットを購入する意味も感じられず、よりソールの厚いモデルも気が進まない。そのくらいにはソールの薄いプライマストレイルⅡに身体が慣れてしまった。

VIVOは一度履くと他の靴が履けないとも言われる。一年履いてみて実際そうなった。

ただし、ある程度の修行も要る。その期間も楽しめる人は間違いなくお勧めできる。

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