悪魔と人間 おとぎ話風

ある国に、悪魔がいました。

小さい頃は、かわいい人間の赤ちゃんでした。
でも、小学生になったころ悪魔はいじめにあいました。理由は、かわいいから。でもそんなことが原因だなんて小さかった悪魔にはわかりませんでした。悪魔の心は傷ついて、悪魔は悪魔らしく成長していきました。

悪魔が高校生になる頃にはもうすっかり人間の身体ではなくなっていたのでした。それがまた気に食わないクラスメート。そしてまたいじめを始めるのでした。すると、またまた悪魔は悪魔らしく姿を変えていきました。

悪魔の心は擦り切れてとうとう本当の悪魔になってしまいました。みんなは悪魔を怖がり家族までもが離れていきます。悪魔は泣きました。かわいかった甲高い声は今ではガラガラ声でした。どれでも泣き続けるしかないのでした。

ある日のことです。
普段来客がこない小さな家に一人、いや一匹の悪魔がやってきたのでした。悪魔は、ボムという名前でした。悪魔をいじめていたクラスメートの一人でした。ボムもいじめを行ったことで心が汚れていったのだといいます。そして悪魔になってしまったと。

悪魔はボムと一緒に暮らすことにしました。こんな姿のボムを追い返して、人に見つかってしまえばきっと捉えられてしまうから。君は優しいね、とボム。君は悪魔なんかになんない方がいいよ。僕のせいでごめんね。と少し涙を流しました。

少しづつ二匹は打ち解けていきました。悪魔の擦り切れた心、そしてボムの汚れた心が少しづつ綺麗になっていくにつれ人間の姿に戻りつつあったのでした。

そして、ちょうど一年後。
2人は人間に戻りました。「君のおかげだよ」「いや、ボムのお陰だわ」二人は笑顔で家を出ました。二人をおおきな太陽が照らし始めました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?