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採用ブランディング -8つのStepに潜む4つの罠-

皆さん、こんにちは。採用力は経営力だと思っている早瀬です。

本日は採用ブランディングについて書きたいと思います。
本日の内容は、昨年日本の人事部が開催したHRカンファレンスで視聴者満足度上位に選ばれました。このままお蔵入りさせるのも勿体無いので是非皆さんと共有をして考察を重ねていきたいと思います。
https://jinjibu.jp/hr-conference/top-session/?ev=tech&fbclid=IwAR39xi0JR_VAlPKZA3s9lpB12umInH0XaF29d5_B5ytL9A1QbnzOhK2n0ho


Deckはこちらから全てご確認いただけます。
https://speakerdeck.com/kyohayase/cai-yong-burandeingufalseji-ben-toxian-rigatinamin

採用ブランディングを始める前に

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採用ブランディングを始める前に、先ずは採用の課題箇所を明確にしましょう。ここでは上図の四象限を使って分類しています。


(求人×量)そもそも年間採用数がそんなに多くない
(候補者×量)候補者が多く集まってこない
(求人×質)候補者は集まるけど、辞退されてしまう
(候補者×質)候補者は集まるけど、選考を通過しない

課題箇所を把握することによって「そもそも採用ブランディングなんだっけ?」「何を解決したいんだっけ?」を考えるきっかけにしてみて下さい。
これは人材紹介を行う上でも使えるフレームワークですので是非応用してみて下さい。

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コンセプトはマーケティングと類似しますため、いきなり応募してくる候補者を期待して行うのではなく、各ファネルを少しづつ大きくしていくイメージを持ちましょう。

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その際に重要なのは、「採用はフローからストック」という概念を持つ事です。大事な事なので2度言います。「採用はフローからストック」です。
企業を知ってくれた候補者、応募してくれた候補者、面接辞退となった候補者、いずれの候補者も将来的に検討余地がある候補者であれば「ストック」をしていく事が大切です。「フロー」の考え方では採用ブランディングは成功しません。

採用ブランディング 8つのStepと4つの罠

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というわけで、採用ブランディングにおける8つのステップの4つの罠について紹介をしていきます。今回は書き起こしとなるので掻い摘んでお伝えしていきます。
先ずステップは上述の通りです、このステップを一つでも欠いてしまうと結果に繋がりにくくなりますので注意が必要です。また赤コーンの場所に罠が隠れています。気をつけましょう。

それでは最初の罠です。

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よし!採用ブランディングだ!と言って、いきなり何をするか?から始めてしまうのを散見します。これだと上手くいかないんです。なんのために?何を?のWhatの文脈から採用ブランディングは始めましょう。

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採用ブランディングは採用を構成する要素の一部でしかありません。故に万能ではないんです。一方で、全ての入り口となりえるため、ここを失敗してしまうと後々のプロセス全てに影響が出ます。先ずはきちんと始めましょう。

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先ずは社内の魅力をきちんと把握をして、採用競合と比較をするところをやりましょう。競合と比較する上ではPoint of Xというフレームワークを利用します。

Point of Difference : 他社と比較して相違がある点(差別化
Point of Parity : 他社と比較しても類似している点(同じ魅力
Point of Failure : 他社と比較して負けている点(戦わない

一般的に差別化出来ていると思っている点は、実は競合も同じ魅力を持っていたりします。そこではない差別化出来るポイントをもっともっと言語化していきましょう。また、ここでは勝てないよね…という点も事前に明確にしておくことで候補者の期待値設定に役立ちます。

例えばGAFAと採用対峙したとすると給与面では中々勝てませんよね。その場合、給与では選ばないでねと最初の段階からメッセージングする事で、後の志望度への悪影響を最小限に出来ます。

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また、ペルソナの設定という言葉をよく聞きます。勿論ペルソナの設定も大事なのですが、それよりも大事な事は、採用や組織に関わる人達が共通認識を持てている事が重要です。
経営者・現場・人事が三位一体となって採用対象について共通見解を持っておくという事が、採用ブランディングにおいては重要となってきます。

では2つ目の罠です。

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「採用ブランディング、なんとか出来るやろーと思われてる問題」が生じています。採用ブランディングは、はっきり言って工数がかかります。場渡りで始めても最終的に人手やリソースが確保出来ずに、中途半端なままに終わってしまった採用ブランディングを数多の数見てきました。
リソースを確保しましょう。ここは外注でもいいと思います。

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リソースが確保出来たら、コンテンツをきっちり確保しにいきましょう。この時に陥りがちなのが、社員インタビュー連発問題です。インタビュー記事は既に会社に興味を持ってくれている人には大きな訴求効果を持ちますが、認知の段階では発揮しません。(ビジュアル良かったりすると別かもしれませんが…)
また、最近のコンテンツはモノからコトへと訴求力があがってきています。入社をしたら得られるであろう経験やスキル、体験などをコンテンツにしていく、そしてそれをきちんとスケジューリングしていく事で、中途半端に終わってしまうのを防ぎます。

さぁ、3つ目の罠です。

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もう、本当、人事の皆さんオツカレッス!と声を大にして言いたい。
一生懸命コンテンツを作ったりして、必死に採用ブランディングをやっているにも関わらず、いつも人事だけが発信をしている。マッチを売っている少女を見ている気持ちになります。

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ちゃんと協力者を巻き込んでいきましょう。誰か?具体的には社長などの役員、そして職場社員です。彼等の協力で採用ブランディングは一気にレバレッジが効きます。
先ずは社長以下役員陣に、採用ブランディングをやっているから率先して協力して欲しい、その呼びかけを社員にもして欲しいと合意形成して下さい。
その上で、社員の方々にも積極的にイイネをしてもらう、シェアをしてもらう、記事に出てもらう、タグ付けさせてもらうなどをしましょう。

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そうする事であら不思議、結果が出始めます。でも、どんな結果に注視をすればいいのか、きちんと定量的に数字を追っていきましょう。

・インプレッション数
・求人クリック率
・フォロワー増加率
・リクルーターとの接触人数
・応募人数

このあたりの数字は、リンクトインのみならずあらゆる採用ブランディングツールでは図れるはずです。何の数字を改善していくのか、イメージを持つ事でやっていく楽しみも増えていくはずです。

最後の罠です。

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そう、「結果がすぐ出ないから止めちゃう問題」です。特にこういうブランディングって「止めます宣言」をしないので、次第に廃れていくっていう最もイメージが悪くなる終わり方をしてしまうんです。
ブランディングですからね、時間がかかるんです。後になればなるほど結果が出る斜度が上がっていきます。

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一般的に人が転職をする時には、2つの力が働きます。
Push:現職を辞める、押し出す力
Pull:次職に入社する、引っ張る力

採用ブランディングは、この引っ張る力を最大化させるために行うものです。でも、いくら引っ張る力が強くても、現職を辞めたい気持ちがないと「応募」には至らないんです。

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候補者には必ず鮮度があります。
非活動期から検討期へと移り変わっていく、その時に「候補者が御社を知っている状況」を作る事が大切です。その認知形成された状況を作れている事が採用ブランディングにおける成功の基準といっても過言ではありません。

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以上、採用ブランディングにおける8つのステップと4つの罠でした。

皆さん、罠にはくれぐれもお気をつけの上、楽しい採用ブランディングを!

もう少しポイントをついた話を以下ウェビナーでする予定です。
https://techlab.lein.co.jp/2021/03/19/event/

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