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“空白”の魅力

Twitterに上がっていた殺し屋夫婦とボニー&クライドのお写真が頭から離れません。
キャノです。

書き溜めていたオンラインアンケート供養もこれで最後!たぶん!
Mono-Musica
空白劇『マージナル』

です。

モノムジカさんに珍しいダブルキャスト、
でもただのダブルキャストとは一味ちがいます。うーん、さすが…!

今回は組ごとに推しポイントを並べました。
⚠️ネタバレを含みます⚠️
まだ観てない方はまわれ右!
お付き合いくださる方はありがとうございます。



【演出・脚本について】
斬新で挑戦的な切り口で、観る前からずっとワクワクが止まりませんでした!
皆さん仰っていたことですが二組まったく違うものになっていて、見比べることで二倍どころか何倍も美味しい作品でした。
完全に理解するのは難しい物語でしたが、わからないことも含めて魅力というか、結局何が真実だったのか観る側に考える余地を残すことによる深みが好きです。


【ヤヤさんまなむさん組】
お洒落な雰囲気が漂っていて、海外のサスペンスドラマのようでした。

まなむさんの最初の一人語り。朗読劇のような迫力で、そのシーンだけでひとつの作品を見ているような感覚になりました。生で見てたら気圧されて死んでたと思います。

壁にもたれてコーヒーを飲むヤヤさんすごく好きです。こういうところがとても自然だからこそ、不穏になっていくやりとりを間近で覗き見ているようなスリルが際立っているように思いました。

激しく緊張感のある二人の言い合いでは、思わず息を止めていました。

昔話をするヤヤさんが無邪気で可愛らしく、対してまなむさんは渋くて大人の男性という感じがして、男は女に「君は変わった」と言ったけれど本当に変わったのは男のほうなんじゃないかと思って観ていました。

女の最後の「よかった」の軽さが駄目押しのゾクゾク…!最後までスリリングで鳥肌でした!


【チャングさんマナさん組】
ノスタルジックな映画のような空気感に引き込まれました。
情緒不安定な男と圧倒的な強メンタルの女、ふたりのキャラクターがとても魅力的で大好きになりました。

マナさん演じる男は、女の子に花をあげるのも精一杯の男の子がそのまま大人になった感じで、考えながら言葉を紡ぐ様子が幻想の世界との境界を曖昧にして物語全体の不安定さを生み出しているように捉えました。「君が彼女なのか」の陶酔したような嬉しそうな表情に胸が締め付けられました…

チャングさんの笑い方がとっても好きです。
心底楽しそうに笑うのに次の瞬間には目の奥に怪しい影を見せる様子に鳥肌が立ちました。
「いつまでも待ってるわ」の女が不穏な展開に似つかわしくなく本当に幸せそうで、ラストに向けて感情がぐしゃぐしゃになりました…別世界線でもいいから幸せになってほしい二人です。


観る者に投げかける余白、空白が魅力のひとつであるモノムジカさんが、あえて“空白”を描くという…とんでもない作品でした。
今回いろんな余裕がなくて、ゆっくり噛み締めることができず… これこそ噛み締めるべき作品だと思うのに、勿体ないし悔しいです。
抱えている全部が落ち着いたら、あらためてもう一度見直したい舞台でした。その頃には受け取り方も変わっているかもしれません。
そうやって観客にいろんな余地を残してくれる、なんて素敵なんだモノムジカ…!


キャノ

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