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怪作、快作、傑作

こんなに清々しい狂気があるのか。
キャノです。

オンラインアンケート供養2本目は、
Mono-Musica
独白劇『パノプティコンの女王蜂』

です!

⚠️何もかもがネタバレです⚠️
まだ観てない方はまわれ右!




【脚本・演出について】
決して悪口ではないのですが、初めて観たときにはエンターテイメントとしての気持ち悪さというか違和感というか、子供が蟻を潰すような怖さがありました。

トンデモ三段論法で押しきられるように進んでいく物語に、洗脳されていくような感覚。最後にはおかしいのは女王蜂ではなく自分なんじゃないかと思わされる恐ろしさがありました。

上手く言えないのですが、違和感が違和感としてはたらくためにはその違和を外から評価してくれる第三者が必要で、一対一では成り立たない概念なんだと思いました。
女王蜂と私、私は彼女を明らかにヤバイと感じているのに、彼女と彼女の世界が不動すぎて、自分の抱いた違和感にすら自信がなくなってくる。初めての感覚でした。

私がおすすめして観劇した友人は素直に楽しんだようで、本当に人によって感じ方が違うのだなぁと。

また、舞台セットがすごく美しいです!
いつものワニズが知らない場所みたいでした。
いつもより狭く見えるのが見世物小屋の狭さ、監獄の狭さを表しているようで、とても印象的でした。



【音楽について】
ずっと音楽がなりやまないのが贅沢!
1時間とは思えないほどこんなにたくさんの曲を聴けて、常に耳が幸せでした。
多彩な曲調で、はっしーさんの音楽を存分に楽しめました!とにかく贅沢空間でした。

「奇術師と未亡人」など、合唱コンクールで歌う自由曲みたいだなと思う曲が多くて、合唱をやっている身としては個人的に嬉しかったです。
複雑に重なり合う歌声が巧みすぎて圧倒されました。4人だけで大合唱の厚みを作り出す皆さんの歌唱力にひれ伏しました…


【役者さんについて】
ビジュアルを公開されたときから、いつにもまして皆さんの美しさが際立っていたように思います。
影法師さんたちの中性的な見た目が新鮮で素敵でした。
人間やめたの?ってぐらいの表情と動き、瞳が揺れなくて怖かったです…

そして、舞台を好き勝手に動かすしひろさんがまさに女王でした。
圧倒的な存在感と説得力。
しひろさんという女優の存在に感謝です。


【個人的推しポイント】
客席まで巻き込む語りで始まるのが新鮮でドキドキしました。生で観たかったです泣

消えろ 消えろ 消えろで照明が消えるの最高!
そこだけで一時停止・巻き戻しして拍手喝采でした。

見世物小屋のシーンは影法師さんたちの身体能力に圧倒されました。
マナさんのリフト、まなむさんのI字バランス、みきさんの驚異の体幹、凄すぎました。

みきさんの若く美しく知性と優しさに富んだ裕福な婚約者がはまりすぎて!かっっっこいい…低音も聞けて幸せでした。

ボートの上の“私ではなかった”マナさんがおめめパチパチしてるの可愛くて好きです。びっくりするマナさんも好きです。

自分の裁判なのになんだか楽しそうな女王蜂が純真すぎてやっぱり怖い… 裁判のシーンはスピード感とどこかコミカルな感じがとてもツボでした。

「血が入った小瓶」だけ低音になるところ、血という言葉のドロッとした感じが表れているようで毎回ゾクッとします。

最後の曲で目を見開いて観客を見回す女王蜂の顔怖すぎです。女王蜂に見られていることを改めて思い知らされる感じがします。

カーテンコールまで舞台の中で、さっきまで観ていた物語が夢だったんじゃないか、すべては見世物小屋の出し物だったんじゃないかと思ってしまいました。
影法師さんたちがカーテンコールまで人間じゃなくて、なんかすごく不安になりました。
特典映像で普通に動いて喋ってる皆さんを見てホッとしました笑


そして今回も、特典映像までたっぷり楽しませていただきました!
上手からのカメラでまなむさんのお顔が綺麗すぎる事件。ジカメンカメラも、皆さんどんなに寄ってもとにかくお顔が綺麗すぎます。
ルーティンのときのパンツにジャケットの女王蜂さんも素敵でした。


これまでのどの作品とも違う、衝撃的な出会いでした。
いつも新しい世界に連れていってくださるモノムジカさんに尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです!

キャノ

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