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部下に話してもらえるための聴き方とは。

私の会社では、定期的に匿名でアンケートを取っています。
それは各部署の上司に対するアンケートです。匿名ではあるものの、課単位、部単位で点数が集計され、それがマネジメント層にフィードバックされます。

数字の絶対値が悪かったり、前回に対し悪化傾向があれば、会社や労働組合から名指しで改善指示がきます。悪目立ちしたくないマネジメント層はこの結果を戦々恐々待っているわけです。

ちょうど1年前、その数字が全社平均をはるかに下回る悪い結果が出たことがありました。マネジメント層は慌てました。そしてマネジメント層と若手の座談会が開かれたのです。

そこでマネジメント層からは、
・皆が不満を持っていることは今回のアンケート結果から分かった
・その不満を解消するのがマネジメントの仕事だから不満があるなら何でも言ってほしい
・マネジメントにやってほしいことを提案してほしい
ということでした。

そして若手にはエクセルが送られてきて、「ここに改善策を書いてほしい、やれることはすぐやるから」というわけです。

どうでしょうか?

恐らくこうやって文字で見ると違和感ありありだと思います。でも、これが現実起こっているのです。

この座談会の後、こう言った人がいました。

「何でも話してくれっていうけど、聞く気があるの?」
「結局目的は自分の言うことを聞かせることだけじゃん」
「聞くっていうけど、自分たちの聞く姿勢から反省してほしいわ」

聞く姿勢」とは何でしょうか。それはまず「相手の言うことを理解しようとして聞くこと」です。

では、「理解する」とは何でしょうか。それは、「共感すること、肯定すること」です。

共感・肯定する」とは何でしょうか。それは、「相手の立場に立って考えることができる」ということだと思います。

これらは私の理解ですが、少なくとも、若手はこのようなことを求めていました。

では、なぜこの時は「聞く姿勢ができていない」と思われたのでしょうか。

若手が失望感を持った一番の文言は、「マネジメントにやってほしいことを提案してほしい」です。
若手は、「提案しないとできないのか?」ということに失望を感じていました。

先ほど述べた「聞く姿勢」ができていれば、若手の求めることを深く理解し、具体策はマネジメント自ら提案できるはずです。

それを「提案してほしい」と言っている時点で、「理解する気がない、聞く気がない」と言っているのも同義です。

話してもらいたい、というならば、話してもらうのを待っていてはだめです。自ら理解しに行くこと、同じ立場に立つこと。その姿勢を見せなければ全くの逆効果です。

方法論より、大事なのは理解する気持ちです。

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