見出し画像

「想像力をもって働く」20代で注目事業ブランド責任者になった女性の仕事の極意

💡本投稿はキャリアスクール「SHElikes」の課題として執筆しました。フィードバック後の訂正や、note掲載のため一部リライトを行い掲載しています。

女性向けマネースクール「SHEmoney(シーマネー)」。支出、税金、投資……取り巻く金融事情はここ数年で大きく変化している昨今、同校ではお金について不安や悩みを抱えやすい20代〜40代の女性が多く受講している。

そんな注目事業のブランド責任者を務めるのは、SHE株式会社(以下SHE)の松尾真里さん。若くしてブランド責任者となった彼女だが、これまでにはさまざまな失敗や苦労を経験していた。そんな彼女がそれらの経験から考える「仕事をする上での大切なこと」は何なのだろうか。話を聞いた。

「私は今までこれだけやってきたんだ」というキャリアの“紋所”が欲しかった

大学時代にシリコンバレー近くへの留学をし、ITやプロダクト作りに憧れを抱いた松尾さん。帰国後はプログラミングの勉強やプロダクト開発など精力的に活動していたという。そんな彼女が卒業後に選んだ就職先は、起業家排出の呼び声が高い「株式会社リクルート」だった。

リクルートでは、まず事業開発ができる人材になるというところを目指していました。働きながらいろんなスキルを身に付けて、ある程度やれるかなと思ったタイミングで起業しようかなと思って。当時は考えていた事業アイデアを、起業家たちに自主的にフィードバックをもらうということをやっていたんです。

ちょうどその頃、SHE代表の福田(絵理)からランチに誘われて。アイデアを話したら「うちでやらない?」と言われまして。その日に転職を決めました。

そのまま(リクルートで)働いていればエリートコースだったと思うんですけど。SHEは当時“THEスタートアップ企業”という感じだったので、とても大きな決断でした。

Karolina Kaboompicsによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/8528408/

ただ、元々20代で何かをやりきったキャリアを積みたいっていう思いがあったんです。私、結婚してるんですけど。出産の前後でキャリアから一瞬離れたとしても「いや、私ここまでやってきてるんで」っていつでも戻れるような……“紋所”みたいなものが欲しくて。

当時のアイデアとSHEmoneyは全く違うもので、構想すらありませんでした。今はまだ事業として発展途上ですが、SHEmoneyは私にとっての“紋所”に今後なっていくと思っています。

マネジメントで大事にしているのは、チームの「心理安全性」

SHEmoneyは現在主要メンバーは7名ほど、副業等のスポットワーカーを含めると40名近い規模の組織に拡大している。チームをマネジメントする立場の彼女が、日頃メンバーとの接し方で意識していることとは。(参考:Herp careers

一番大事にしているのは、心理的安全性ですかね。新規事業って、“正解”がなくて。思いつきが当たる可能性もあるし……本当カオスなんですよ。そんな中で一番大切で自分の頑張る指針になるのって、“事業としてやりたいっていうwill”と“個人が持ってるwill”の重なっている部分だと思うんです。

「言われたから」ではなく、「何を成し遂げたいのか?」っていう仕事の意義付けがすごく大事だと思っていて。立場関係なく全員に対して、交流して深掘りをするようにしています。

eric anadaによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/1495580/

悩んでいそうな人には1on1の時間を作って、フォローをするように心がけています。そのためにも、“仕事の余白”を1時間程度は作るようにしていますね。尊敬する上司が「暇な時間をつくるということをタスク管理してる」っておっしゃっていたのを参考に、実践しています。

リクルート在籍中、副業としてSHElikes(SHEが運営するオンラインスクール)でコーチングをしていたという彼女。その経験を活かし、メンバーへの細かく丁寧なケアを取り入れたマネジメントスタイルに至った経緯には、前職でのトラウマ級の失敗や挫折があった。

前職で入社3年目に、結構大きなプロジェクトのリーダーに選んでいただいたんです。私が当時思い描いていたリーダー像は、「キリッと姉御肌」「先導する」っていうトップダウン型。でもそれを実践したところ、ハレーションが起きて……。チームが崩壊してしまった経験があるんです。

そういうリーダーが正解だと思って一生懸命頑張ってたんですけど、でも何かが違うなと。当時の上司や先輩に相談をしてところ「やり方が違うんじゃない?」と助言をいただいて。自分がフォロワーシップ型なんだと気付きました。

fauxelsによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/3183197/

それから「ちょっと助けてくれませんか?」と声かけをするとか、コミュニケーション方法をガラッと変えました。結果、そのプロジェクトで史上初の全KPI達成という成果を出すことができたんです。

仕事はリレーのバトンパス。信頼残高がマイナスになった経験から得た教訓

「私、体力はあるんですよ」と笑う彼女。しかしブランド責任者という立場は、体力はもちろんだが精神力も必要とされるはず。精神的支柱について問うと、SHEmoney立ち上げ時の思い出を語ってくれた。

SHEmoney立ち上げ当初の仲間集めはしんどかったです。金融関係の方にツテがあるわけでもなく、話をつけに行くところまでが大変で。片っ端から何百件もメールを送って、電話して……。もう、意地ですね。その中でようやく数件、話を聞いていただけたんです。

そもそも立ち上げの時は私とコアスタッフがもう1名しかいない“二人三脚”状態。しんどさとか吐露しながら「でも頑張ろう!私たちが掲げていることって絶対間違ってないはずだから、走りきろう!」と励ましあっていました。それは本当に今、精神の支柱になっていますね。

Kampus Productionによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/5940841/

取材中「私、基本的に休みたい人なんです」と驚きの(?)言葉が飛び出した。しかしそういった人間の真理、さらに過去の経験から得た学びを掛け合わせた教訓は、社会で仕事をする全員が意識すべきことだった。

行き詰まってつらいときは、周りに話すんです。格好つけずに明るく「もうつらーい!」みたいな(笑)。そうすると、仲間たちが寄り添ってくれるんです。悩みって1人で解決しようとするときついんですけど、シェアすると負担が減る。

なので、抱え込んでしまっているメンバーには、目的の視座を一段あげることを意識して、頼ることは“是”であることを伝えています。「頼った結果、最終アウトプットがいいならそっちの方がよくない?」って。

新人の頃、自分のタスクしか考えていなかったことがありました。周囲に迷惑をかけ、最終アウトプットの質も下がって、周りからの信頼も無くす事件を起こしたことがあるんです。当時の上司には「信頼残高マイナスだから」とまで言われてしまって……。それ以来教訓にしていることは「想像力を持って働く」ということ。

BOOM 💥による写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/4k-12585936/

仕事って、自分で完結するのではなく“リレーのバトンパス”だと気付いたんです。次に走る人がいるということを考え、周囲への想像力を働かせることが大事なんだなって思いました。それ以降すごく働き方や意識が変わったなと思います。


SHEmoneyの現在のターゲットは働く女性だが、ゆくゆくはジェンダーレスやエイジレスを意識した事業展開というのを目指しているそう。そんな松尾さんの夢は「自分の母校でSHEmoneyの授業をすること」。夢実現に向けて……さらに事業拡大を続けるSHEmoneyの今後に注目していきたい。

https://recruit.she-inc.co.jp/profile/

松尾真里さんプロフィール(SHE株式会社HPより)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?