自己満
「顔はひとつ」
化粧品好き界隈の人だったら一度は浮かんだことがある台詞だろう。
ましてや普通のしがないサラリーマン。美容を生業にしてわけでもない。
絶対に買わなくてもいいと分かっているのだけど、買ってしまうのだ。
今日はそんな化粧品好きリーマンが、ウッキウキでとある物を買い
マーケターの手腕に驚かされたという話。
鷲掴みレベル1
化粧品好き界隈で、何かと話題になるブランド「SUQQU」。
定番商品はもちろん、限定商品はバカ売れ。
すぐに売り切れ、メーカー欠品は当たり前。
というイメージを持つ人も少なくはないのではないか。
カラー展開はどれをとっても絶妙。個人的には、あの漢字で表現される独特の色の名前のセンスの良さにグッと心をつかまされている。
…とまぁ、既にSUQQUに白旗寸前の化粧品好きリーマンが、今回買ったのは
「甘艶(あまいづや)」という色のアイシャドウパレットだ。
これは2023年のホリデーで発売されたもので、多くの反響を呼んだ商品。
たくさんの希望を受け、今回再販が決定したという。
しかも、完全受注販売。
そう。この情報を見た段階で、すぐに私の心は鷲掴みにされた(チョロ)
限定、再販、完全受注
限定商品は即完がデフォのイメージがあるSUQQU様が?
完全受注販売ですって……?そして「甘艶」そんなにいいわけ……?
私の心は、カイジもびっくりなくらいざわついた。(ざわざわ)
鷲掴みレベル2
既に鷲掴み状態ではあるが、すぐポチるほどチョロくはない。(どの口が)
早速さまざまなSNSで調査に入る。2023年ホリデーシーズンに買えた猛者たちのレビューが、続々と出てきた。
「もはや宝石」「ザックザクのラメ」
そこにはラメ好き……いやラメ狂いをくすぐるワードが並んでいた。
またもや私の心は鷲掴みだ。(チョロ)
ブラウンベースのシャドウなので、似たようなものはもっているはず。
でもな……茶色って200色あんねん!!!!!!(適当)
アンミカをつい心に宿してしまうほどの「甘艶」。
私の心にどんどん棲みついてきているようだ。
鷲掴みレベル3
そうは言っても、まだ我が理性は死んでいない。
店頭で実際に色味を見てみることにした。
ネット限定商品とは言え、色のサンプルくらい置いているだろう。
意気揚々カウンターでBAさんを訪ねたところ、衝撃の答えが返ってきた。
「サンプルすらも店頭には置いていないんです……」
Oh、ジーザス。まじか。
人間は不思議な生き物で、欲望達成前に壁や障害が立ちはだかり達成できないとなると、より一層その思いや執着が強くなってしまう。私はまさにその状態。壁が生じたことにより、さらにグッと鷲掴みされた(チョロ)
そうなるともう自分の直感を信じるしかないではないか。
直感はもう「欲しい」一択なのだ。悩む隙すら与えていないのだ。
既に“ヤツ”は棲みついているのだから。
BAさんは私に“悪魔の囁き”で話を〆た。
「インスタライブで先日それを使ったメイクをしてたんです。アーカイブも残っているのでリアルな色味とかは、そちらの方がよく分かるかと」
鷲掴みレベル4
その夜、件のアーカイブを発見したので、じっくりと見た。
ポチるまで秒読みだし、わざわざ見なくてもいいのに、じっくりと見た。
これはやばい。キラキラと目が宝石よろしく輝いているのに、どこかウェットで色味は繊細で、キリッと。可愛すぎる。ブルベ向けブラウンのように見え躊躇していたところもあったのだが、色味の調整で全人類対応型ということも分かり、そんな不安は即解消。
イエベ春日本代表、歓喜。もう買います!お姉さん!(鼻息)
でもこれは受注生産。まだ慌てる時間ではない。
トータルのメイクルックが知りたいし、最後まで見ることにした。
そこで事件は起きた。リップメイクで使用していたリップが可愛いすぎて、完全に心を鷲掴みされたのだ。(チョロ)ここまでくるともう病気である。
無事にターゲットの品番をメモして、ご丁寧に近所の店舗まで探していた。
鷲掴みレベル5
店舗に向かったのは、事件翌日の午前中。
なぜ自分の物欲となると、こんなアグレッシブに動けるのだろう。
普段の生活全てにおいて、この積極性がほしいものである。
自省はそこそこに(だから進歩がない)、いそいそとカウンターへ。
お目当てのリップを物色する、物欲の化身。
しかし実際にタッチアップしてみると、お目当てのものは少し苦手な色味であることが判明。購買意欲が若干減退した。そこで退散すればいいところ、諦めないのが物欲の化身。昨日書き留めた品番メモを見返す。
そこには”リップペンシル”とある。それに欲望をぶつけることにした。
なんて柔軟性があって、機転が利く物欲なんだろうか。(棒)
結果・・・無事に鷲掴みされた。(早)
ものすごく色味が絶妙。そして書きやすい。
唇の薄さ選手権優勝候補の私の唇が、ぽってり見える。
石原さとみいるやん!(どこに)
配信の口紅の色味がピンとこなかったのは、単体で見たかららしい。
このリップペンシルがあってこその色合いだったようだ。
こんな細い身体で……なんてハイスペックなんだろう。
ありがたくお迎えした。(チョロ)
そして帰りの電車で、焦らしに焦らした「甘艶」も
とうとうお迎えすることにした。
カモネギ女
熱く語った割に、まだ例のブツは手元には無い。
10月下旬~11月上旬に届くんだそうだ。すぐ手に入るのも嬉しいが、待つ時間がなんとも尊い。憎い演出である。違
それにしても、SUQQUのマーケターさんの手腕には驚かされる。
まんまとハマったっす!!御社の策略に!!(言い方)
限定商品の再販というだけでも話題性があるのに、
完全受注生産と言われた日にゃあ。そりゃトレンドに上がるよね。
受付期間が長いのもポイントなのかもしれない。
心理学的には期間が長かったり、選択肢が多かったりすると人の購買意欲は低くなると言われているが、実際に自分が消費者の立場になると全部が全部そうではないのだなと。
プチプラであれば思考回路停止状態になるまで音速だが(×)、デパコスとなれば少しは検討する時間は欲しいところ。その時間としてちょうどよかった。何ならその検討のためにアーカイブに誘導され、追加でそのブランドの別商品の欲も出てきたくらいだ。策士極まりない。(チョロいだけ説)
コスメ好き(狂い)の心を擽られる仕掛けが、様々なところに散りばめてあるなと感じ、そういった戦略を日頃考えている立場として天晴れの一言であった。
え?私がチョロいだけ?へへへ←褒めてない
カモネギ女は、今日もグリグリ唇とふちどっている。
もはや石原さとみというより、アンジェリーナ・ジョリーだ。
そしてきっとあの店頭で迷ったリップも、いつか買うのだろう。
顔はひとつしかないのに。
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