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感染症の歴史と、これからのこと


「ハンセン病」を知っていますか?

ハンセン病とは、「らい菌」によって引き起こされる慢性の感染症のことです。感染すると皮膚と末梢神経がおかされて人の目につきやすいところに病変が出ます。

らい菌の保菌者と密に接した場合、菌に対する抵抗力が弱い人などには感染する可能性がありますが、現在の日本の療養所には未治療患者がいないため、感染源がないそうです。

そして現代では治療法も確立しており、栄養や衛生状態が良い現在の日本では発病の危険はほぼありません。

まあ、いま流行りの感染症よりは安心ですね。ではなぜ今この話題を出したか。

それは、国の誤った情報により、ハンセン病患者が長いあいだ差別を受けてきたことを現代の人へ伝えたいからです。



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日本のハンセン病の歴史を簡単に振り返ります。

ハンセン病は、家族内感染が多かったため、「遺伝病」や「天刑病(前世の悪い行いによる天罰)」などと思われてきました。



しかし、1873年にノルウェーの医師・アルマウェル=ハンセンが「らい菌」の発見し、「感染症」であることが明らかになったのですね。感染力は弱いこともわかっていました。

ですが日本は、なんと「感染力が強い」と誤った認識がひろがり、自分たちの県からハンセン病患者を無くそうという運動をしたり、さらに「癩(らい)予防法」が公布されてしまいました。

患者の強制隔離、就業規制、汚染された恐れのあるものの売買授受禁止などが定められてしまい、患者や患者の家族にまで差別や人権侵害を受けたのです。


1952年に、WHOが隔離政策の見直しを提言したのにもかかわらず、日本は世界と逆行するかのように、まったく無意味な隔離政策を強化しました。

そして1953年、感染の疑いがあれば、強制的に診断、隔離し、入所後は、ごく一部の例外を除いて一切の外出を禁じる「らい予防法」が公布。

治る病気であるはずなのに、就職できなかったり、結婚できなかったり、「お前は人間じゃない」などの強い言葉を放たれてしまったりなど、国の誤った情報が人々の人権を奪ってしまったのです。

「らい予防法」廃止されたのは1996年。50年近くものあいだ改正されず、差別に苦しめられた方々がいました。

その後、ハンセン病家族訴訟で原告勝訴したのは2019年。ほんと最近です。



厚生労働省・法務省・文部科学省の責任も認め、首相も謝罪。ハンセン病家族補償法を公布しました。



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もし今現代、インターネットがなかったらハンセン病のような差別や人権侵害があったかもしれません。

インターネットが強いのは、本当か?と疑いを持ったときに真っ先に自ら調べることができます。

誤った情報ももちろん流れますが、自分の頭で考え、判断できます。有力な情報を世界中から取得できるのです。

どうか誤った情報を流さないでください。

すべての情報を鵜呑みにせず、疑う心の余裕も大切にしてください。

そして世界中の国々へ。各国の対策が人権侵害を受けぬよう、無意味な対策で人々を苦しめぬよう強く願っています。



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