もしも「スマホ禁止」の音楽フェスがあったら

バカ不便ですね。私は音楽フェスによく行くので、スマホのありがたさを大いに実感しています。

音楽フェス行ってスマホ持って行かない人あんまりいないですよね。世界のトップエンジニアが額を寄せ合い死ぬものぐるいで開発したテクノロジーには、音楽フェスでも欠かせない存在になりました。

でも、会場にスマホ持ち込み禁止っていうルールの音楽フェスがあったら、私は行ってみたいんです。

なぜか。ふと思ったんですが、音楽フェスに行く本当の目的ってなんだろう。その本当の目的を「スマホ」によって意外と奪われてるなって感じたのです。

フェスに行って使う機能おさらい

仮に夏の野外音楽フェスに行くとして、スマホを使うとしましょう。朝の10時に入場して20時に退場とします。この10時間の中で使うスマホ機能を、思いつく限りまとめてみます。

・カメラ、ビデオ撮影
→フェス行って使わない人いるのか？！欠かせない機能ですよね。思い出作りに友達と写真撮ったり、インスタのストーリーにアップするために動画を撮ったりなどかなあ。

・LINE、電話
→誰かと連絡を取る機能も外せませんね。

・SNS
→フェスに来ていることをツイートしたり、感想をアップしたりなど、これもスマホがないとできませんね。SNSでしか繋がってない人と会場で会うってなったら使うでしょう。

・時計
→腕時計は汗などで汚れちゃうからスマホで時間確認。

・インターネット
→ネット環境あれば基本最強。

・音楽、ゲーム
→私はあまり使わないですが、フェスの空き時間の暇つぶしにこうしたアプリを使う人はいるでしょう。

・アルバム
→フェスのタイムテーブルとか保存してたらチェックしたり。

ほかにも人それぞれ使う機能あると思いますが、これだけスマホに頼ってます。スマホすごい。ありがとうございます。

じゃあここから妄想です。もし、この夏の野外音楽フェスの会場内がスマホ持ち込み禁止だったら？

会場内スマホ持ち込み禁止フェスのイメージ

まず最初に、入場ゲートでスマホチェックが始まります。最初から家に置いてきたりどこかに預けてる人はそのまま通りますが、持っている人はフェス専用のスマホ預かり所で預けてもらってから入場。

さあここからあなたはどうしますか？

フェスに来たらまず看板（入場ゲートなど）の写真を撮る人が多いと思いますが、それができません。

もし友人と会場内で待ち合わせしているとしたら、連絡手段がありません。仮に友人と会えたとしても、会場内で好きなアーティストを見かけたとしても、記念撮影ができません。

「フェスなう」「あのアーティストと会えた！」「最高！」といったツイートもできません。

腕時計を持ってきていなかったら、すぐに時間を確認できません。

空き時間にネットサーフィンしたり、音楽聴いたり、ゲームしたりができません。

アルバム開いてタイムテーブルのチェックができません。

やはりスマホの力って偉大ですね。

スマホがない時間、どう過ごす？

たかが夏フェスに行くだけでこれだけスマホに頼ってますが、じゃあこの、スマホに頼らない時間をあなたはどう過ごしますか？

私が思いつく限りあげてみます。

・もし最初から友人と一緒に来ているとしたら、ひたすらおしゃべりに没頭する。お互いスマホ持ってないし、10時間も一緒にいるわけですから、深い話もできそうでめっちゃ絆深まりそうな。

・もし1人で来ているとしたら、誰かに声をかけそうな。困ったことあった場合もそうだし、好きなアーティストのグッズ持ってたら声かけやすいですね。みんなスマホ持ってないんだし。友達ができそうな。

・会場内でアーティストを見かけたら声かけて、ライブの感想を言いそう。写真撮ってください！ができないんだから、喋るしかアーティストとの時間を過ごせませんね。

・物販をひたすら見たり、フードコートを楽しんだりできそうです。

・会場をめっちゃ散歩しそう。初めて見るアーティストをのぞいてみたり、連絡手段ないし誰かに会わないかなーって思いながら。

・ぼーっとする時間ができそうです。音楽聴きながら、お酒飲んだり、フード食べたり、寝たり…

私が思う「スマホ禁止」の効果

冒頭の疑問に戻りますが、仮に設定した夏の野外音楽フェスに行く本当の目的って何なのか、「夏の野外で生の音楽を楽しむ」というシンプルなことじゃないでしょうか。

わたしたちは普段、1日平均150回約4時間スマホをチェックする現代社会を生きています。音楽フェスでは、「スマホで写真を撮る」「SNSで友人たちと集合する」「暇つぶしにスマホをチェックする」など生の音楽を聴くという目的以外の楽しみ方を生み出し、4時間以上使ってしまうかもしれません。

でもこの夏の野外音楽フェスはもちろん、そもそもライブの魅力の一つは、非現実的な空間であること。

メールチェックやネット環境といったSNSは非現実的な空間をいつでも抜け出せる設計であって、いつでもすぐに生の音楽を聴かない状態になれます。スマホがポケットにあることによってその設計に疑問を抱き、もったいないことじゃないかと思います。

せっかく同じ夏が好きで、野外が好きで、音楽が好きで、フェスが好きな人たちがわざわざ集まってともに楽しむ最高の空間にいるのです。この場でしかできないことに没頭すれば、必ずこの日にしかできないミラクルがきっと起こるはずです。

それと、スマホ禁止ルールを事前に知ったお客さんというのは絶対、本当に音楽好きしか集まらないと思います。写真撮ったりSNSにアップするためだけのお客さんにとってはかなり苦痛なルールじゃないでしょうか。

ちなみにスマホ禁止ルールを作るイベントは、こちらの本からインスピレーションを与えてくれました。集いの目的を再確認させられる良書でした！

最高の集い方――記憶に残る体験をデザインする

スマホ禁止ルールのもと、本当の音楽好きが集まった非現実的な空間こそが、本当に夏の野外で生の音楽を楽めるのではないでしょうか。

ひとつくらいスマホ禁止フェスあってもいい気がする！
毎週2回ほどnoteを投稿しています。
いいねは元気の源です！！（noteに登録していなくても押せます！）
コメント欄やtwitterなどでもぜひお話ししましょう！