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【KY24】子供に教える投資と投機の違い

今回は6歳の娘ではなく、9歳の娘からの質問でした。
親として子供に投資を教えるなら、避けて通れない質問です。いよいよ来たか!と思ったものの、私自身それほど納得できる答えを持ち合わせていません。

「投資と投機は一緒だよ。ただお金を出す人の気分の違いに過ぎないよ。」
10年以上の経営コンサルタントとしての実績、1年半ほどの投資経験だと、言葉に深みがないのは仕方がないですね。

とりあえず、ない知恵を絞って書いてみます。


側から見てたらギャンブルと同じ

著名投資家とイナゴ

イナゴとはネタがあって騰がりそうな株に群がる、個人投資家を言います。
一般的にこのような投資家のトレード手法を、ギャンブル(≒投機)と表現します。

ところでこのような行動は非合理的かといえば、必ずしもそうとは言えないです。
例えば著名な投資家のウォーレン・バフェットが投資している株を、彼が投資しているからという理由だけでフォローして買うというのも、必ずしも間違っているとは思いません。
実際に、商社株はバフェット効果で上がっています。

それに富裕層が、ファンドマネジャーに資産を預けることも、誰かに投資判断を委ねているという点で、イナゴと同じです。

パチンコや競馬のプロ

世間では、パチンコや競馬をギャンブルと言います。
ところが熱心に研究して、それなりに勝って、生活しているプロはいます。
ポーカーのプロもいますし、ウォーレン・バフェットの相棒のチャーリー・マンガー(故人)はポーカーで投資を学んだことは有名です。

そう思うと、パチンコや競馬をギャンブルと決めつける根拠は少ないです。

またFXのスキャルピングをギャンブルという人もいますが、それで勝率をキープして生活している人はいますし、本人たちも熱心に研究して少しでも勝率が上がるよう工夫しています。
FXをギャンブルと決めつけるのも、どうかと思います。

身の回りのギャンブル

仕事でもプロジェクトが成功した場合に、あの仕事は一か八かのギャンブルだった、などと表現することがあります。

単なる比喩的な表現かもしれませんが、仕事においても何らかのギャンブル性があることを自覚していることは確かです。

明確な定義と納得性

このように考えると、投資と投機では明確に区別は難しいです。
少なくともアレは投機で、コレは違うとか、定義付けできるものでもなく、人によって様々だと言えそうです。

世の中にはすごい投資家は多いですが、彼らの成功体験や武勇伝は私からしたら投機ですが、彼らからしたら投資です。
やっていることは同じでも、見る人によって投資か投機かの判断は異なるのです。

つまり投資か投機かは、その人の主観で変わると言えます。
となると、主観的な基準で考えてみるといいかもしれません。

子供に教える投資と投機

勝つことに貪欲

私が子供に、投資か投機かの違いを教えるなら、まずこの点を明確にします。初めから運任せはダメで、勝つためにどれだけロジックを積み上げ、勝つためのストーリーをしっかり描けるか、これを大事にしたいです。

なぜなら、投資では勝負しないという選択肢があるからです。
分からないものには投資をしない、現金のまま置いておくというポジションも、立派な投資判断だからです。

またウォーレン・バフェットが投資しているから同じ銘柄に投資するなら、なぜ彼がその銘柄に投資しているのか、彼の考えていることに納得性があるなら、イナゴも立派な投資だ思います。
パチンコや競馬、ポーカーでも熱心に研究して勝率を上げることができるなら、同じことです。

勝つことにこだわらず、ただ運任せであれば投機です。

昨晩は米国の雇用統計の発表でした。ドル円のチャートを見て上か下に行くかで、FX取引をしている人が多いですが、あれは投機だと思います。
余計なお世話かもしれませんが。
マクロ経済の指標を分析したり、米国の経済紙を熟読したり、FOMCの議事録を確認したりして、やっているなら投資だと思うのですが、ただ漫然に上か下で張っているなら投機にしか思えません。

勝てる市場を選ぶ

勝率を上げるためには、自分の得手不得手を理解して、戦う市場を選択することです。
やりたいとか、やりたくないではなく、投資は勝たなくては意味がないからです。

ちなみに私の場合は、FXやCFDは分からないので、全くやりません。
短期は向かないですし、個別銘柄のファンダメンタル分析が向いているからです。

勝つ喜びを知る

子供の投資教育でもっとも難しいのは、成功体験の蓄積だと思います。

一つ目の理由として、投資で勝つことが難しいことがあります。
大人でも簡単に勝てないものなのに、子供なら尚更です。
また投資の失敗から、大人でもあまり学ばないです。

二つ目の理由として、投資の失敗は取り戻しにくいというのがあります。
日常的な失敗は謝れば済むことも多いですし、次のチャンスは大抵あります。しかし投資では、失ったお金を取り戻すのは大人の場合でも容易ではないです。
また投資をしなければゲームソフトを買えたのに、投資したために買えなくなる、そういう経験は大人よりも子供の方が精神的なダメージが大きいです。

成功体験がないと、子供は投資と投機の区別ができないと思います。

勝つことは手段

私が子供に投資を教えたい理由として、この点はとても大事です。
投資を覚えることで、人生の可能性を広げて欲しいからです。
お金のための投資ではなく、夢への投資です。

それも漫然と夢を追い求めるのではなく、どのようにすれば実現できるのか、夢そのものも投資対象と考える力を身につけて欲しいですね。

今回はここまで。また次回よろしくお願いいたします。

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