【KY40】日本の年金制度は必ず破綻する
なかなかキャッチーなタイトルですね。
まあでも本当のことを書くわけですし、それほど難しくない内容なので、軽く読んでいただければと思います。
年金制度はどうすれば破綻するの?
年金財政検証について
一昨年は老後2,000万円問題でしたが、いつの間にか3,000万円、4,000万円にすり替わっていますね。
これから年金受給額が目減りするし、インフレ圧力で購買力が下がるし、いつの間にか慣らされています。
ところで、ちょっと前に最新の年金財政検証が公表されました。
ただ内容が妄想レベルでして、やばい!
どうやばいかですが、今後の経済成長率(1.6%)、実質賃金上昇率(2.0%)、実質的な運用利回り(1.4%)と仮定していて、今の経済状況を鑑みるとあり得ないです。
しかも、これだけあり得ない仮定で、それでも目減りしますから、こんなクソ検証はやるべきではないです。
政府ではなく、民間の調査会社が忖度なくやるべきですね。
なお、このような最悪の状況を回避するために、さらなる愚策が盛り込まれています。
どのような愚策かですが、パートタイマーに費用負担させることや、65歳以上で働くと年金を今以上に減らすこと(在職老齢年金)、社会保険料負担金の上限額(標準報酬月額)の上限値を引き上げること、など国民の購買力を下げて、ますます国民生活を悪化させることを企んでいます。
ちなみに税金で、国庫負担を増やすことは除かれていますよ。
そもそも年金は、2004年の年金財政検証で政府としては、100年は維持(有期均衡方式)すると言っていました。
ところが最新(2024年)の年金財政検証では、1人当たりゼロ成長ケースだと、2059年に積立金はなくなるとされています。
見通しが激甘です。
おそらくこちらがメインシナリオかと。
年金制度は理解が難しい
私は社会保険労務士なので、一応は専門家です。
その専門家視点で見て、今の年金制度ってよく分からないです。
おそらく官僚や委託を受けたシンクタンクが、表計算ソフトでゴチャゴチャ数字をいじってシミュレーションしているだけなのだろうなと、邪推します。
戦前からの年金制度を、時の政治家の人気取りでアレやコレやのっけて、どうあるべきかなんて議論はそっちのけで、ぶっ壊れた仕組みにしたのだから、まあ当然ですね。
なので、普通の人はこのような分かりにくいことを無理に理解しようとせず、端的に次のことを覚えておけばいいです。
年金は1960年以前に生まれた人は得しますが、それ以後に生まれた人は若くなればなるほど損します。
今の10~20代の人は、30%ぐらい戻ってくれば良いのでは、それぐらいボッタクリです。
この辺の事情を深く知りたければ、学習院大学の鈴木亘先生の本を読まれることをお勧めします。
日本は民主国家
元財務官僚でyoutuberのインフルエンサーが、日本の年金制度は大丈夫だ!
とか言っていますね。
この人、数学が得意なので理論的には説明するのですが、肝心なことが抜けているのですよね。
日本のマスメディアも同じです。
それは何でしょうか。
私からの質問です。
皆さん、このような年金制度を維持したいですか?
日本は民主主義の国です。
選挙権を有する市民が投票でいらないと言えば、その制度はなくなるのです。
今は年金制度で利益を得る高齢者が多いですが、いずれ損をする若者の有権者が増えれば、必ず年金制度はいらないとされ、破綻するのです。
ちなみに、それはいつなのかですが、私は10年以内に出口戦略として年金制度の破綻が議論されると考えています。
年金制度の破綻を正しく理解しよう
いきなり破綻するの?
これも誤解です。
年金制度が破綻しても、その日から年金制度がなくなるということではありません。
つまり破綻とは、その時点で社会保険料の徴収をやめ、年金制度を長期間にわたって廃止に向けて整理するということです。
具体的には、次の2点です。
過去に支払われた分を、どこまで補償し将来にわたって支払うのか
足りない分を、税金でどこまで補填するのか
ということを、政治的に決着するということです。
分かりやすくいうと、将来の年金負担は無くなるので、その分の将来的な年金は無くなります。
それに対し、過去に年金負担した分の払い戻しを、一時金でするのか?年金でするのか?いくらぐらい支払うのか?
国民が納得できるよう、どれくらい税金で負担するのか?
あらためて決めていくということです。
今の年金財政は懸念しかなく、これがベストチョイスだと思います。
国民は代わりに、インデックスファンドにでも投資している方がマシです。
世の中の流れが変わっている
話はそれますが、先日の東京都知事選挙の結果を見るに、10年以内に流れが変わるのでは、と感じました。
多くの10~20代は石丸さんを支持しており、年齢が上がるにつれ小池知事を指示していました。
私が興味深く感じた点ですが、メディアの石丸さんに対する批判が彼のパーソナリティに偏っている点でした。
「彼は独断的で、上司にすると大変」とか。これはあなたの上司を選ぶ選挙じゃないのだから、どうでも良いことです。
「彼は職務上対立を作り、問題を起こしそう」とか。現況が密室で決められ問題が多いのにも関わらず、問題にもされていないから問題なのです。それに対し、問題を炙り出し問題化することは大事だと思うのですよね。
別にそれで議会運営が紛糾してもいいのでは、と私は思います。
10~20代の若い人たちを浅慮だという人たちも多いですが、私は若い人たちの直感を評価したいです。
話を元に戻すと、若い有権者が増えるにつれ、年金制度も廃止の方向に傾くのだと思います。
このような世代間搾取の年金制度を無理して維持しようと考えるのは、年齢が上がるにつれ頭が硬くなっているから、なのかもしれません。
以上をまとめると、負担金を払うのが馬鹿らしいのが年金です。
社会保障は最低所得保障や医療保険を軸にして、老齢年金については抜本的な見直さないと、若い人たちから不平不満が噴出すると思います。
日本は民主主義の国です。国民が見捨てれば、年金制度は必ず破綻するのです。
今回はここまで。
次回またよろしくお願いいたします。
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