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11月6日

服薬6時間睡眠。じっとしていると薄ら寒い。バタートースト、コーヒー、ヨーグルトの朝食。成瀬巳喜男「銀座化粧」を観ながら編み物。子どもがたくさん出てきて、みな健気に働いている様を映し出す。確かめるために続けざまに昔みた「お遊さま」をみるが、やはり田中絹代の顔が好みではないらしい。途中でやめる。集中して編み図を見て20段ほど解き、30段ほど編み直してまた間違いに気づいて、がっかりしながらお昼にする。蒸かし芋、昨夜のスープ、玄米、納豆。また編み直しをすれば、より覚えられるだろう。

予約時間を目指して自転車で精神科へ。このように意識明瞭に日記を書き、日々活動しているのに、日々死にたいというだけで病気とよべるだろうか?と自分自信への疑念が晴れない。誰の為の通院なのか。
睡眠不足はほんとうに悪か?このままでいい気がすると言うと、睡眠不足は脳の機能を低下させ、あなたの持っている能力が100パーセント発揮されない、と今度は向精神薬を睡眠目的で処方される。100パーセント発揮されたらどんな感じだろう?

久しぶりに本棚から本を持ち出し、病院帰りにいつも寄る静かな喫茶店へ。四谷で買った「聖フランシスコの小さき花」を落ち着いてよむ。ロヨラなど聖人の振り切った、熱烈な信仰の記録を読むのが好きだ。

フランシスコはある時「聖なる従順」を体得するため、偉大な聖徳の人と信頼を寄せる愛弟子ベルナルドと互いに命令を出し合う。命令によりベルナルドはフランシスコの首と口に片脚ずつを置き、侮辱と非難を浴びせた。困惑しながらも丁寧に成し遂げたベルナルドはフランシスコに対し常に「あなたがわたしの欠点をきびしく責めとがめること」を命令する。
敬愛するベルナルドに咎めの言葉など出したくないフランシスコは「ベルナルドに会いたくなったり、かれが神について語るのを聞きたくなったりした時でさえいそいで彼から離れるようにした」という。ここを読んで泣いた。ひさびさに読書の喜びにふれ、わたしも喜んでいた。

ラム酒いりのショコラショーが最高に美味しくて、身体の細胞の隅々まで踊った。苦味、甘み、香り、熱さの黄金律。会計時、老マスターに味をたずねられ、美味しかったです!と言い、足りない気がして、ほんっとうに美味しかったです!と二度言った。冬中やっていますので、とにこやかな返事。

自転車たくさん漕いで腹が減り、帰宅して玄米を食べる。夕飯はささみのレモン煮、にんじんしりしり、もやしのナムル、豆腐と舞茸のすまし汁。


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