資格のキャリカレ|食系4講座 監修 平山友美先生 インタビュー『資格を生かして「食」のプロデュース業に携わるまで』前編
キャリカレの「食育総合®W資格取得講座」「上級食育アドバイザー資格取得講座」「ベジタブル&フルーツアドバイザー資格取得講座」「ベジタブル&フルーツまるごと栄養アドバイザー講座」の監修講師として携わっていただいている平山友美先生に、これまでどのような経歴を経て現在の事業を行うに至ったのかを伺ってきました。
資格を取得して知識や技術を身につけてきた時期、サロンの運営、そして企業との商品開発から販売戦略のトータルプロデュースを行うまで――。先生の歩みにはさまざまな人生の節目があり、そこをきっかけとしてステップアップする道のりをたどられています。そういった経験や気づきの中に、資格を生かしてビジネスにつなげられるヒントが込められていました。
今回の記事で参考にしてもらいこと! 役立つ情報は!?
目次
資格で知識を身につけ、実績ゼロからサロンを始める
順調に運営していたサロン。そこで感じていた苦悩とは!?
企業と仕事がしたい……そのためには資格が後押しになる!
資格で知識を身につけ、実績ゼロからサロンを始める
平山先生:ホームステイ先でのパーティなどには、食べ物がある中でみんなが好きなことを語りながら楽しんでいるっていうこととかで、コミュニティのあり方が日本とは全然違うなっていうところにすごくインパクトがあったんです。
日本の文化を教えようと思っていた私がカルチャーショックを感じて、逆に刺激を受けたんですね。なので、私は日本で、日本の人に食で集まってもらって良いコミュニティを作る仕事ってできないかな、って思って帰ってきたんです。
平山先生:はっきりとは覚えていないんですけど、資格はたくさん取りました(笑)。それで一通り食卓を演出するとか料理をするとか、知識はある程度つけて地元の広島に戻って教室とかやろうかな、と思っていました。
当時自宅開放型の教室が流行り始めて、雑誌で「サロネーゼ」っていう言葉が生み出されていたころに、自宅で「サロン」を始めたんです。教室とはコンセプトが違う、「気軽なおもてなしサロン」っていう“サロン”と名前をつけて。
料理教室っていうと家庭科実習室みたいなところでみんなで分担して料理するっていうのが普通だったときに、自宅のテーブルをコーディネートして、テーマにしたがって構成した料理を出して振る舞う、というようなスタイルでした。
まだそんなスタイルが珍しいってこともあって、結構雑誌で取材に来てもらいました。ウケる人にはウケたっていう感じでしたね。そこからスタートしたんです。
順調に運営していたサロン。そこで感じていた苦悩とは!?
平山先生:テーブルコーディネートを習っていたときの先生が、「習い事としてのテーブルコーディネートではなくて、ちゃんとビジネスでつながる視点を持ちましょう」と教えてくれる先生だったんです。
テーブルコーディネートは、ただ豊かな生活をしている人が優雅にお茶をするためのものではなくて、例えば食器メーカーさんとタイアップして食器が魅力的にみえて販売が促進できるようなコーディネートをする、であるとか、調味料を食卓に乗せて「料理がおいしくなるからこれを使ってみよう」とか……購買の動機になるような演出も心がけましょう、っていうことも教えてくれる人だったんですね。
またテーブルの演出には必ずテーマがあって、それにしたがってすべてのものが構成される、っていうことを教えくれました。料理もそうだし、食器もそう。テーマがあってそれに合うお客さんを想定しているので、この食器は高価すぎるとか、逆にカジュアルすぎる、とかがあります。
例えば100均でコーディネートしました、とか、かわいいコーディネートにしました、とかをテーマにしていることがありますが、テーマというのはそういったことが先ではなくて、誰をもてなすかをターゲットにしているのか、その人が喜ぶためのコーディネートを考える、っていうことが先なんです。
これはまさに今、商品開発に生かされているんです。
「来られるゲストが主役」っていう考え方は、商品を作るときもそう、売り場を作るときもそうで、お客さんがどういう人であるのか、っていうことを一番先に考える。それが、結果的に「マーケティングの視点を持っているね」と言われたんです。
「なるほど、マーケティングって言うんだ」って、後付けで知ることになるんですけどね(笑)。
そうやって習い事でいろいろ習ったものと思っていたけど、実は知らないことばかりだったから、「なるほど!」と気づきになり、吸収していきました。教わったことすべてをちゃんと忠実に実行したことが、今の仕事につながっていることって多いんです。
平山先生:サロンでは喜んでもらえていました。ですが、メニューは自分なりにテーマに合うようにアレンジして毎回レシピを変えて作っていたんですが、ネタが尽きて限界がきちゃうっていうか(苦笑)。
あと食器のテーブルコーディネートも、“毎回新たに買うんですか”っていう話になる。テーマに合わせて食器を揃えて、お花もアレンジしたりすると、結構お金がかかります。それらはずっと使い回せるわけじゃないから、それを毎月毎月変えなければいけません。
さらには、必ず手作りのものを入れるっていう教えがあったので、ランチョンマットを作ってみたりとかオブジェを製作してみたりとかしていたんですけど、毎月製作が入り……。
「料理教室ってなんて儲からないんだろう」って思いましたよね(笑)。
企業と仕事がしたい……そのためには資格が後押しになる!
平山先生:アメリカのスーパーにいくと、売り場とか商品を通じてお客に伝えることができるんだな、って気づかされたことがたくさんありました。
例えばオーガニック商品は、日本だと普通のスーパーではオーガニックのコーナーがあって売られています。アメリカはそうではなくて、99.9%オーガニックのものだけ販売しているスーパーとかがあって。
ほかにも、食品用ラップなども使わず「環境に負荷がかかるような商品は置きません」みたいなコンセプトを徹底して貫いている。それに圧倒されましたよね。
私はずっとテーマ(=コンセプト)にしたがって食卓をしつらえることを実行してきましたから、それが大きな面積の売り場になっただけの話であったので、アメリカのスーパーがやっていることは結構納得できました。
コンセプトっていうものがあると「それで構成するのは当たり前のことじゃない」って私は思ったんです。やろうと思ったらこういう店舗全体でもコンセプトを貫くことができるんだな、っていう気づきがあって、「売り場とか商品に関わる仕事をやっていきたいな」って思うようになりました。
かといって、実績がないから急にそういった仕事ができたわけじゃありません。
それでも、研修で一緒に参加していた人たちに、スーパー専門のコンサルタントの先生とかスーパーの社長さんとかがいらっしゃいました。その方たちに「平山さんはすでに食育を実践している人です」って紹介していただいたのです。
そんな縁で「じゃあスーパーで講師やって」という話になり、「私でいいんですか?」みたいな感じで乗っかっちゃったんです。何ができるか分かっていないけれど、「教室で話しているようなことを言ってくれたらいいから」っていうから、そうなのかなと思って。
後日、教室でやっているようなことをスーパーの店長さんとかを前にして話したんですが……さすがにこれは相手が求めているものとは違うと思いましたね(苦笑)。
平山先生:
いくらなんでも「商品のことを知らな過ぎる」と思ったから、売り場の勉強とかはどういう勉強をしたら知識がつくのかなとか思って、販路コーディネータなどいろんな資格の話を聞いては、「いいかも」と思ったものは挑戦して資格を取っていくんですよ(笑)。
スーパーや流通の人とかと接点ができても、結局自分の実績が何もないから、「あなたは何ができる人?」みたいなことになっちゃうんですね。そんなときに唯一私の武器になったのは、資格をいっぱい持っていること。「私こんな資格あるんです」「私この勉強したんです」とか言って。
勉強した証だから、当時やったことがない商品開発の相談を受けたときにも、「私こんな資格持っているんです」って言うと「あぁ、じゃあそれなりに知識あるのかな」と思って呼んでくれる。そんなように、資格を持っていることが唯一私の後押しになったんです。
(プロデュース業に至った経緯や、資格の生かし方についてのアドバイスなど、後編に続く)
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