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人事ビジネスパートナー(HRBP)の役割

長年人事の仕事をしてきて、「人事の存在意義」について、思うことが多い。

「人事」ってどんな仕事?と人に尋ねると

殆どの回答が、

採用時の説明をしてくれる人、給与計算や社会保険や税金などの質問に答えてくれる、人事評価の案内を送ってくる、人事制度の変更があったときの質問相手、退職するときの手続きをしてくる人、、、

今書いただけでも沢山あり、どの業務も無くてはならないものだけど、殆どが労務や制度関連

私も人事若手社員の頃は、上記のような実務全般をこなしていたが、労働法、社保、所得税等の税法を抑えて、2or 3年のサイクルを回せば、大体はこなせるようになる。
ということは、誰でも出来る可能性が高い仕事、となる。

それなのに、大企業に行くと、未だに社会保険業務一筋10年、給与計算15年、という人がざらだ。

今後は、AI技術がさらに進化してくると、上記のような仕事はAIが人間よりも遥に早いスピードで且つ正確にこなしてくれるようになる!?

ということは、人事の仕事ってもういらないのだろうか?

「人事ビジネスパートナー」という役割を知っていますか?


外資系企業であれば、知らない人はいないですが、日本企業ではまだまだ、認知度低め。。

うちの会社には、人事ビジネスパートナー(以下は「HRBP」と記載)がいます、という会社も聞いてみると役割はそれぞれ違う。
単に社員の問い合わせ窓口をHRBPと呼ぶ企業もあれば、役員の人事関連の御用聞きを役割とする会社、社員の状況を知るために、全国の支店支社を回って課題を探り、政策に活かそうとする会社、などかなり差がある。

そして、HRBPの機能を新たに設置する会社は殆どのケースが、中途採用。
理由は、現社員でこの役割を担える人材がいないから、、だそう。

人事ビジネスパートナーの役割とは?

一般的には「ビジネスパートナー」の名の通り、人事機能の中でも特に事業部門の経営者や責任者のパートナーとして事業成長を人と組織の面からサポートする役割。HRBPの仕事は事業成長のための人事面での問題解決が主な仕事。
その内容は多岐にわたり、採用活動から研修、制度設計まで人・組織におけるあらゆる手段を通じて事業成長を支援。

但し、本来の意味でのHRBPが機能しているのかを日本企業に聞いたところ、多くの企業は「よくわからない or No」の回答

人事ビジネスパートナーが機能しない理由(役員側)

・社内でのHRBPの役割が不明確
役割の明記はあるが、実態に即していなくて、理解していない人が多い

・役員層がHRBPの役割を理解できない
・本音だとHRBPが必要だと思っていない
・何を相談依頼してよいのか分からず、御用聞きのように使ってしまう
・人事の課題等を相談しても即座に明確な回答を得られずに人事への不満がたまる
・HRBP不要説が出る

人事ビジネスパートナーが機能しない理由(人事側)

・HRBPの役割を理解しきれていない
そのため、どういったアクションをとったらよいのか分からない
・HRBPの役割が担えるほどの経験・問題解決力がある人事社員がいない
・HRBPの責任者もBP経験が無いケースが多いので、部下に指導が出来ない
・そのため、実務寄りの仕事に特化しがち
・役員・上層部から不満が出る

HRBPを機能させるには


①    HRBPの役割定義は、企業の状況ごとに違ってよいもの
そのため最も大事なのは、その企業での「HRBP」の役割について、しっかりと社内で議論をして決定すること。
人事内でのBP役割の議論も必要、大企業では人事部の社員でも認識が異なることもあり

②    役員と認識を一致させる
経営のパートナーとなるべきなので、役員が同じ役割認識を持っていなければ、どんなに優秀なBPが着任したとしても機能せず早期離職に繋がる。

③    BPを育てる
他社でのBP経験者を中途採用しても、定着が難しいことがあるが、これはこれまでのBPの経験とかなり乖離がある時に起こる。
理由としては、前職では、経営層と対等に会話して課題解決を行ってきたが、転職先では、御用聞きのような役割を求められ、思っていた役割ではなかった。

または、これまでは、社員の問い合わせ窓口の役割だったが、転職先では、経営層の壁打ち相手まで任されて、経験不足のため役割を全うできない等。

中途採用で一定数確保するのは否定しませんが、社内でもBPを育成していく必要がある。

そのためにも、役職者でその企業のBPの役割を担え、BP育成ができる社員の存在を作ることがまずは取り組むべき。

まとめ


人事の仕事がいらなくなる仕事ではなく、AIでは出来ない重要な機能が「人事ビジネスパートナー」
但し、導入、運用を誤ると全く機能しないので、注意が必要だが人事の役目がこれまで以上に重要となってくると信じている。

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