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KIDSLINEでシッターを始めて4年間を振り返ってみた。

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2020/8/7追記

このnoteを書いた数か月後、私はKIDSLINEを退会することを決意しました。ただ、サービスは良いはずで、改善されるべきなので、この振り返りnoteは削除せず残しておきます。何が起きたかはこちらをどうぞ。

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2016年の年明け、JDACというダンスを小学校で教えることができる文科省後援の資格を得るために研修に来ていた私は、そこで配られていたチラシの右下に「KIDSLINE」というベビーシッターサービスの存在があることを知る。「ダンスが教えらえるシッター募集。いいやん」と思い、登録。GW明け、面接やプロフィールページ作成を経てKIDSLINEのシッターとしてデビューする。

それから4年。サポート回数は600回を超え、300人以上にお気に入り登録され、25を超えるご家庭に出会い、うち15以上の家庭がリピーターとして活用くださった。レビュー件数も100件超えた。
でも、ダンスを教えるシッターとして依頼されたのは1家庭、2回のみ。
自分が昔アメリカに住んでいたことをプロフィールページに記載したら、「英語を教えてほしいです!」と。英会話シッターの需要のほうが圧倒的に多く、最近はもう「英会話シッター」として自分も打ち出している。


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カリフォルニアのディズニーランドに旅行に行くという家庭のために作った、身長制限に対しての質問に答える教材。右はカリフォルニアにある2つのパークそれぞれの公式HPから印刷したアトラクションの写真。トランプのように引いたアトラクションに子どもは乗れるのか、シッターの私自身はキャストになり切り、子どもに質問。フィート換算は掛け算を習ったばかりの2年生のお姉さんに丸投げ。算数もついでに教えられる教材だ。

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日本でもプリンセスなどは英語が喋れない外国人がやっていることが多いので、日本のディズニーに行く予定のある子どもたちにもこんな教材を作ったことがあった。実際は緊張したり照れて話せなかったということが多いが。

ということで、人生いろいろあり、4年間の間に仕事も多々変わり、さらには20年から留学ということ、KIDSLINEを活かしたシッターキャリアも一度休職することになったので、振り返ってみることにする。

先に結論を言うと、振り返ってみたら、自分が「母親になる前に知っておいてよかった」と思うことがそれはもうめっちゃくちゃ沢山あったと同時に、「母親ってこれが無給なのか」だったり「私はこの部分しか知らない、あれはこれはどうするんだろう」という「母親になることへの不安」がどんどん増えてきていることに気づいた。それは、自分自身の育児に関しての無知さということと、日本社会に対しての不安の両方とも。(そもそも母親にいつなるんだ、っていうのはあるけれど。←)


4年間それぞれで考えてみると

4年間をそれぞれ考えてみたら、こんな感じになった。

1年目(2016年)送迎シッター専門。
2年目(2017年)英会話シッター確立。時給設定に苦しむ時期。
3年目(2018年)仕事繁忙期。新規受注ストップ。ペアレントを選ぶ自分。
4年目(2019年)日中・長時間シッター受入開始。自分の無知さへの衝撃。


■1年目(2016年)送迎シッター専門。

当時はNPOで10-19時まで働いていたため、余裕がある朝の送迎のみやってみよう、と思い、スタート。当時、人気だったシッターさんのプロフィールページを真似してみるといいよ、と本社の人に言われて、作成。(今もその型をのこしてます)
すると、依頼殺到。驚いた。先着順のように連絡がどんどん入ってくる。とりあえず断れないタイプだった自分は、OKの返事をしてみる。

朝5時過ぎに家を出発し、埼京線に乗り、埼玉にお住いのご家庭の小学校に入ったばっかりの女の子を東京都内の私立の小学校まで送り届けるのがメインとなる。眠い。
でも、それよりも衝撃だったのは、埼京線内で彼女を守る大変さだった。
なぜなら、大人が肩にかけるショルダーバッグのカバンの角は、小学生の彼女との目と同じ高さにあるからだ。そして、一緒に歩いていて少し先ですら見えていないから危ないな、なんでだろうな、と思っていたら、それはもちろん、彼女のほうが背が低く、黒いスーツの人たちに囲まれていていたからだった。「子どもの目線」を意識される1年目だった。

さらにこの時、キッズライン本社から相談を受け、「バイリンガルサポーター」として動画で紹介されることになる。もうダンスを教えるシッターというものは完全にどこかに行った。笑

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英語で工作というものにもチャレンジし始める。ジェスチャー付きなので「かなさん何言ってるかわからない~」と最初言っていても、だんだんわかってくる。兄弟姉妹なら「こういう意味なんじゃない?」と共に助け合うので、私はジェスチャーを減らし、難易度をあえてあげる。

■2年目(2017年)英会話シッター確立。時給設定に苦しむ時期。

上に載せた動画が公開されたときには、もうすでに平日5日の朝には固定客(定期)がおり、新規予約が受け入れられない状況に。送迎シッターをしてからNPOに出勤するスタイルが確立していた。

そして、朝送迎をしながら英語を話してほしい、や、朝の支度を終えてから引き渡すので、こども園が開くまでの間に英語を教えてほしい、というリクエストも増え、「英会話シッター」が確立。また、子どもが私に慣れたのか、自分自身が成長したのか、朝食をとっている間補助をする必要がなくなってきたので洗濯物をたたむといった「ミニ家事」も対応するようになった。そして、そうしたミニ家事が、保護者にとってはこれがまたとんでもなくとてつもなくスーパーありがたいさりげない小さな作業であったことに衝撃を受け、育児と家事のバランスについて考えるきっかけになった

KIDSLINEでは、「2人目からは時給+300円」「英会話は+500円」「家事の対応は1件500円」といった追加料金(オプション)という制度を作ってくれているが、私は面倒くさいのでつけていなかった

KIDSLINEシッターとして1年経った時、基本時給を+100円にしてみようかな、と思ったのだが、定期のお客さんに説明することに気が引けた。緊張して親御さんに連絡したところ、各ご家庭の親御さんみんなが快くOKしてくださり、気軽に上げることができた。

秋に転職。本格的にフリーターとなり、昼間の仕事が時給制の事務職になる。その時給のほうがKIDSLINEよりも低く、生活のやりくりが今までよりも厳しくなり、KIDSLINEシッターのほうの時給をさらに上げようか悩み始めた。

「時給」ってどうやって決めるんだろう。子ども一人一人によって対応が異なるし、自分が提供できるものも子ども一人一人に対して全く異なるのに、どうやって値段を決めればいいんだろう。もんもんとする2年目。

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デパートなどの商品のカタログは素晴らしい教材ネタ。切り取ってカルタにして遊ぶ。色や材料、形を英語で学ぶ。見た目が派手なので、子どもたちも興味を持って取り組んでくれる。あとはイースターとハロウィンで大量に100均で買った飴やラムネを持っていくともうやる気メーターがすごい。

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英語で顔の部位を覚えるのには最適のゲーム「Guess Who」を手作りで作ったもの。画力がひどいが、伝わればよい。子どものカードは、子ども自身に描かせる。自分で作る教材にはちゃんと自分で取り組んでくれる。

■3年目(2018年)仕事繁忙期。新規受注ストップ。ペアレントを選ぶ自分。

悩んだ結果、3年目にさらに+100円上げるが、いっきに吹っ切れる瞬間が訪れる。救命救急の資格を取るためにKIDSLINEが主催したシッター向け研修会に参加した時に、他のKIDSLINEを使ってシッターをしている仲間に出会うことができた。研修後ファミレスで何時間も語り、私のシッターとしての質が高すぎて今の時給では低すぎる、見合っていなさすぎる、とアドバイスをいただく。そして、時給を一気に2000円までアップした。ただ、定期のご家庭は引き続き前の時給のままにした。子どもと私の間で信頼関係ができているので、新規の子どもたちに比べて「負担」が少なく、2000円までもらう必要がないと考えたからだった。

そして、気づいた。最初のころの時給設定で依頼をくださったご家庭や、最近の新規で依頼をくださる家庭の家のちょっとした違いだ。各ご家庭の子育ての工夫。教育の価値観の違い。子どもとのコミュニケーションの取り方。仕事との両立の仕方。時間の使い方。そもそも、依頼をくださる家庭の「余裕」さ。本当にいろいろあり、沢山学ばせていただいたり、正直に、疑問に思った家庭もあった。

プロフィールページに「昼間は仕事をしているので朝しかできません」と書いているにもかかわらず依頼をしてくるご家庭は、もちろんその昼の依頼をまず断るが、ちゃんと読んでくれないからあとでやりくりが面倒かもしれない…と思い、有休などで昼間が空いた時に連絡をしなかったり、朝に依頼が来ても理由をつけて断るようになった。養育についての価値観が違いそうだな、と思う家庭、そう思った家庭も頻度を減らしたり、徐々に断って減らしていくようになった。子どもと相性が合わないなと思った家庭もあった。

私もいち人間で、いち教育者として活動してきて、私の中にも養育・教育の軸が確立してきている中、合わないご家庭でシッターをしても、私も苦しいし、子どもも苦しませてしまうかもしれない。そういうご家庭の依頼は、断ってもいいんだ、断ることが子どもの為、そのご家庭の為、そして自分のためになるんだ、と思うようになった

さらに、昼間の仕事が人数が少ないため繁忙期に入り、業務の負担量が増えてきていたこと、そして教員免許を取得するために授業を受けたり教育実習に行くといったことで不定期にお休みをいただかなければならない頻度が増え、新規の依頼をストップ。定期のご家庭と相談しながら日々過ごしていくことになった。しかし、自分のプロフィールページのタイトルに【新規受付不可】と最初に記載したものの、相談のメッセージの量はあまり変わらなかった。需要が増えていること、ベビーシッターサービスが社会に浸透していることに驚きつつ、そのメッセージが繁忙期の真っただ中の自分にとっては負荷で、どうやったら減らすことができるんだろう、とプロフィールページを試行錯誤する日々が続いた

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スターバックスで親が通院の間にシッターをしたときの出来事。子ども向けのドリンクがあることを知らなかった。視野が広がった。

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前述のGuess Who同様、こちらも子どもとの共同作業で作った教材。一緒に作れば一緒にやってくれるし、私がいない時に親も一緒にやってくれる。ホテルニューオータニは、たまたま数日前に家族でお互いのご褒美?に行ったそうで、とても良い思い出だったそうだ。その話を聞くだけで楽しい。


■4年目(2019年)日中・長時間シッター受入開始。自分の無知さへの衝撃。

いよいよ通信大学の教職課程において教育実習に行ったり、卒業に向けて一気にラストスパートをかけるようになった。昼間の仕事も時給に見合わない業務量とコミュニケーションの量から、勉強に集中したい、という想いを伝え週3に契約を変更。ただし、生活費と通信大学の地方でのスクーリング授業を受けるための交通費や宿泊費は稼がなければならぬ、と不定期に平日の日中に新規も含めた予約を受け入れるようになった。自分から新規の単発の予約を受け入れるようになったのは、非常に久しぶりである。

時給は2000円にアップしたままでいたが、それでも、予約は来る。もちろん、英語指導のお願い付きだ。他のシッターさんのページを見てみると、個人的な印象かもしれないがやはりオプション設定が多い。面倒くさがりで全部ひっくるめて2000円です、と言ってる私は、もしかしたらシンプルで予約しやすいのかもしれない。

この1年間で出会ったご家庭は、またこれが各家庭ですごい多様性があり、子どもたちも一人一人全然違い、すごい経験をさせていただいた。また、日中にシッターを対応したこと、長時間のシッターを受け入れてみたことで、朝や夜の送迎シッターや送迎までの間の1時間のシッター、とは全然違う世界を見ることができた

そして、思った。ベビーシッターは現代的花嫁修業だ、と。

自分は一人一人の子どもに合わせて対応を試行錯誤するわけだが、その対応を考えるためにみるのは、いくつもの家庭のいくつもの養育・育児のスタイルだ。家の環境や遊具・おもちゃの種類・豊富さ、家の周辺の自然や遊園はじめとする環境、家庭の教育指針、家庭の経済的状況や就労形態や働き方、そしてお父さんの育児に対しての考え方や時間の作り方、それぞれのご両親の育児に対しての協力内容…本やすでに育児をしている友人知人から聞く話から得られる知識や経験知とはケタ違いだ。そしてそれは、…まとまるわけがない。笑

そうして、そんな多様な家族の在り方、育児の在り方を目の前にするもんだから、「不安」も大きくなるわけだ私はどうすればいいか。母親になるのが不安になるのだ。(いやそもそもお前妊活以前に婚活…というのは置いておこう)

でも、同時に、あまりにも多様すぎて、「私は私の子どもに合った育児をしよう」と思いが強くなると同時に、「そのために参考になるいろいろな家族の育児の仕方を、私は、今、みている」という興奮も大きくなるわけである。

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印象に残った出来事をイラストに残しておいたようだった。

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19年で一度区切りをつけたシッター。子どもたちとお互いのほめほめタイム(自己肯定感があがるやつ)をしたときのもの。「かあーど」はカードゲームをいつも考えてくれる、からほめほめ、という意味だと思われる。

結局、やらないから、見えないから「不安」

少子高齢化で、今の若者が子どもを作らないとか、色々課題があるけれど、個人的にこうした経験から、「今の若者がいろんな育児の在り方を見ていないからじゃね?」という仮説も私は持っていたりする。

様々な育児漫画や保育園生活の日々などがTwitterをはじめとしたSNSで多くの家庭に読まれて共感を得ているが、「超わかるw」という同じ子どもを持つ家庭の皆さんからのリプが多い印象。これが、子作りや結婚を考える前の人たちに、どうリーチするかが、結構可能性があるところだったりして。

ということで、私は個人的に「自分は親になったらどうなるんだろう」を考えるきっかけ作りとして、ベビーシッターはありだと思っている。やらないから、見えないから、不安なわけで、やってみて、見て、不安を払拭してみませんか。笑

ちなみに、ベビーシッターまでは…という人は、家族留学という非常に面白いサービスもあるので、リンクを貼っておく。ざっくりいうと、HPからの言葉を拝借すると、「若者のための家庭版OBOG訪問」である。

また、ちょっと脱線するかもしれないが、子どもがいる母親たちが自らの子どもを”教材”として、今の児童生徒に命を考えてもらうきっかけとして、学校に連れていく事業をしている人もいる。2019年に知り合った、素敵な、私と同じなまえのかなさんは東京埼玉千葉神奈川と関東のエリアを担当。FBをぜひチェックしていただきたい。



だから、とりあえず試してみていいと思う。ということで

KIDSLINEさんは、丁寧に、初回割引的な紹介コードを、シッターに割り振ってくれている。
私の紹介コードは: kids_5588619352
↑を入力して会員登録すると親御様は3000円分のクーポンが、シッターさんは2000円がプレゼントされるそう。

親御さんに関して言うと、3000円だと、家の近くの時給を1000円に設定しているシッターさんに頼めば、2時間は依頼できるのでは。(交通費込み)
ちゃんとKIDSLINEさんはシッターさんの質担保のために登録会や研修で人を見ているうえ、教育もしているし、シッター自身も自分の信頼性や仕事のPRのためにプロフィールページを充実しようと頑張っている人もいる。そういう人を見つけて、依頼すれば良いと思うし、今は実際にシッターする前に一度顔合わせができたりするので、それにこの3000円のクーポンを使ってもよいと思う。不安要素を払拭できるように、実際に会う前にメッセージアプリも利用できたり、色々とKIDSLINEも工夫してる

シッターに関しては、入社祝い金のような感じで2000円がもらえる。KIDSLINEは幼児教育無償化の対象になったので需要が上がった分、沢山シッターさんを求めているよう
シッターさんは、よし独立するぞ!ガンガン稼ぐぞ!みたいな勢いで登録する必要は全くなくて。私みたいに、朝の空いた時間に子どもとか人と触れ合いたいと思ってゆるく始めてみてもいいと思う。最初の入り口としてKIDSLINEを活用して「ああ、こんなかんじなんだな」と理解するために、(よく企業でいうファーストキャリア的な感じ)始めて全然問題ないと思う。
本格的に稼ぎたい人は、別のKIDSLINEシッターさんのブログ記事なり、KIDSLINEが出しているインタビューなりを読んでもらえればよいと思う。笑


一度行動に起こしてみて、合うなら続ける、合わなければどこが合わなかったか考えて次の行動に活かしてみればいいんだと思う。結局。笑


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よかったらこちらも。

私は、親御さんたちはママ友とかパパ友とかがあって、情報共有ができるけど、シッター同士の繋がりがあって、情報交換したり、KIDSLINEの使い方を教え合ったり、ノウハウ交換があったらいいなーと思って、勉強会を過去数回企画している。その時のレポートはこちら。

こちらを読んでもらってもいいし、KIDSLINEでシッターとしてゆる~く働くことについてでも、何か聞きたいことがあれば、お気軽にコメントorSNSorKIDSLINEメッセージでご連絡くださいませ。



以上!


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2020/8/7追記

このnoteを書いた数か月後、私はKIDSLINEを退会することを決意しました。ただ、サービスは良いはずで、改善されるべきなので、この振り返りnoteは削除せず残しておきます。何が起きたかはこちらをどうぞ。

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こんな私ですが、ぜひサポートお願いします。 いただいたサポートは、自分に沢山の学びと気付きの機会を与えてくれた人や団体、そして社会に還元していきたいです。