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【#人生を変えた一冊 の私の話】

#人生を変えた一冊
#山羊健太
#TRUECOLORS若者たちへ

【⓪体験がすべて】


自分で体験してないことについては、
世界を変えてしまった偉人の言葉も、
ついつい疑いをもってしまう私です。

根っからの、
監査人です。

でも、
ステキな美女の言葉なら、
どんなに怪しくても、
信じてしまうよ。

根っからの、
男子です。


そんな私は、
報道は、基本的に、
見ないし、聞きません。
 
新聞は、
小説と同じ扱いです。

そう捉えると、
毎日(だけじゃないけど)、
サスペンスや、
ミステリーや、
スポコンや、
ロマンスや、
コメディや、
そして、
ホラーが、
目白押しです。

目白押し、って、
メジロおしくら饅頭、ってことだやね。

 **********

【①奇跡のロングセラー、って⁉️】


さて、

平積み、面出し、棚刺し

これらが何を意味するか、
知っていますか?
 
もし、
そんなの当たり前田のクラッカー、
なんて言っちゃう人は、
オジサンか、オバサンです。
いや、
おじいちゃん、おばあちゃんかな。
 
「当たり前田のクラッカー」というのは、
大昔の流行語。
 
あぁ、
そっちは、
どうでもいいか。
 
平積み、面出し、棚刺し
 
これは、
本を出版したことがある著者にさえも、
あまり知られていない、
とても重要な専門用語です。
 
そして、
そんな素晴らしい本を買って読んで、
時に笑い、
時に涙し、
学んだり、
賢くなったり、
勇気づけられたり、
励まされたり、
救われたり。
 
本で、
人生が変わった、
生きやすくなった、
生活にハリが出た、
そんな風に感じた方も多いでしょう。

また、
偉くなった、
お金が増えた、
などなど、
実益に繋がった方もいるでしょう。

 
そんなアナタも、
多分知らない。
 
 
答えは、
リアルな書店での陳列の用語。
 
置き方の違いで、
売れ行きが違うのは、
当たり前田のクラッカー。
 
目に付きやすい。
手に取りやすい。
気になりやすい。
 
『平積み』は、
どんどんどんと、
棚の前のスペースに、
重ねて積み上がって置かれている形。
目につきやすいし、手に取りやすい。
当然、
気になってしまう。
 
『面出し』は、
棚にハメ込まれるように、
表紙がこちら側を向いている形。
目に付きやすさ爆発。
 
ときどき、
裏表紙もセットになって、
こっちを向いてたりする。
 
『棚刺し』は、
ズラッと並べてある、
一般的な形。
もちろん背表紙しか見えない。
表紙や中身を見るためには、
わざわざ取り出すことが必要。

ちなみに『背表紙』というのは、
タイトルと著者名だけ書かれてる細い面。

で、さっき出てきた、
『裏表紙』というのは、
バーコードのある面。

どっちかっていうと、
『裏表紙』の方が、
背中って感じがするけどね。

まぁ、それは仕方ない。

いとおかし。
いとをかし。
 
 
別に、
そんなこんな、
書店の陳列のことなんて、
知らなくても大丈夫。
人生には何の影響もない、、、

とは、
実は言えない。

 
「でも、これまで、何の問題も感じたことないけどな」
 

そうかもしれません。
 
だからこそ、
コワいよね。
 

さっき、
本の影響力に同意されたはず。

 
だとしたら、
その影響力は、
売り場での置かれ方によるでしょう。

 
だって、
棚に並んでる本を取り出して確認するより、
目の前に並んでる本から先に確認するやね。
 
そして、
そこでステキな本に出逢ってしまったら、
棚刺しされている沢山の本達の、
頑張ってメイクした表情も、
気の抜けた後ろ姿も、
ましてや、
それら内面なんて、
知ることさえない。
 
つまり、
もしかしたら、
アナタの人生を、
取り戻せないくらいに、
劇的に変えてしまうかもしれない出会いは、
書店の陳列に左右されている、
のかもしれない。
 
なんてね。
 
まぁ、そもそも、
書店に入荷されてなければ、
出会いも何もないけれどね。
 
東京都内の書店で、
平積みや面出しどころか、
棚刺しさえされてなかった、
つまり入荷さえされてなかった、
そんな『TRUE COLORS 若者たち』が、
どんな風にして、
奇跡のロングセラー』となったのか❓
 

**********

【②ビジネス書を読まない書店員】


ビジネス書と呼ばれるカテゴリーの本は、
世界的不況や経済危機などがあると、
売上が伸びるそうです。
 
新しい知識や方法論を求めるビジネスマンが、
書棚に『答え』を探すようです。
 
なので、
紙の本が売れない時代と言われて久しいですが、
昨年以降、
一部のビジネス書の売上は、
前年対比で大幅に増加しているとのこと。
 
でも、ホントに、
『答え』なんて、
書いてあるんでしょうか❓
 
 
自分で実際に体験していないことは、
優れた経営者の生の言葉であっても、
受け入れが難しくて面倒な性質の私。
 
 
なので、
へそ曲がりの私は、
こう断言します。
 
 
「知識や方法論は書いてある。
けれど、
それらは『答え』ではない。」
 
 
さて、
奇跡のロングセラー話の続き。
 
でも、
①を覚えてない方に朗報。
 
続きといっても、
そんなの関係ねぇ、
と、
今日もよしおが拳を振り下ろします。
 
 
「で、
ウチで、ホントに、いいの❓」
 
 
まだタイトルもない、
出版を即決してくれたあの日の、
石井社長の言葉。
 
ヒカルランドパークでの、
おおよそ会議と言えない場での、
こんな発言。
 
正直、
今、聞かれたら、
良くないかもですね、
と答えますね。
 
だって、
全然、営業してくれない。
 
売り込みのウの字もない。
 
だから、
書店には全く並ばないの。
 

『平積み』、『面だし』、
ありえない。
 
かろうじて、
『棚刺し』、があるくらい。
 
つまり、
1冊しか、置かれないの。
 
書店での陳列用語については、
①をご参照。
 
あっ、
ヤベッ、
全然関係あった、てへっ。
 
 
で、
どうしたかって?
 
 
私が、
足を金棒にして、
東京都内の書店の殆どをカバーしましたよ。
 
何度も何度も何度も、
通って通って通って、
ビジネス書担当の、
ビジネス書なんて、
全く読まない書店員さんと仲良くなって、
それでも置いてくれなくて。
 
そして、
地方の大型書店も、
電話したり、
出張ついでに顔を出したり、
相手の都合を聞かずに、
ポップ(本の紹介の小さい看板みたいなアレ)を
勝手に送り付けたり。
 
計3回、
出禁になりました。
 
石井さんから、
急に、
電話が入る。
 
「XX書店には、もう行かないでね。」
 
でも、
石井さんは、
あんまり怒ってなかったような。
 
気のせいかな?
 
でも、
そんなの関係ねぇ、
と再び、
よしおが拳を振り下ろして、
また、
通う。

勿論、
出禁になった書店以外にね。

 
そして、そして、
私の短いプレゼンを聴いてくれて、
デザインに興味を持ってくれて、
注文書をFAXしてくれる書店員さんがいてくれた。

本当に本当に嬉しかった。
ありがとう、素晴らしいデザイン。
 
中身は、
そんなの関係ねぇ。
みたび、よしお。
 
だって、
ビジネス書担当の殆どは、
子供の頃から本が好きな、
読書家の皆さん。
 
そもそも、
ビジネス書なんて、
全く興味ない。
 
毎週のようにお邪魔した、
日本のビジネスの心臓である大手町の、
ある書店員さんは、こう言ってた。
 
「毎日、何十冊、届くと思ってるんですか、八木さん」
 
そりゃ、
内容なんて、
どうでもよくなる。
 
次から次へと運ばれてくる新刊。
次から次へと返される売れ残り。
 
売れなくても、
出版社が、
そのまま引き取ってくれる仕組みなので、
書店に在庫リスクがない。
 
だから、
寄せては返す、
膨大な本の波に押し流されないように、
任された棚を整理することに、
毎日格闘している。
 
 
で、
ようやく注文してくれる。
 
でも、
1冊か2冊。
 
ちょ、待てよ。
 
じゃあ、
1冊は棚刺し。
もう1冊は、
売り場に出ないじゃないか?
 
 
それでは全く困る私は、
どうやって、
売り場に並べてもらうことに成功したのか❓

 
「ホントに、うちで、いいの❓」
 
 
石井さんのこの言葉、
そういう意味では、
感謝してもしきれない。
 
だって、
他の出版社なら、
私が自由に書店に営業することは、
絶対に許されなかったから。
 
そして、
本の売れない仕組みを、
私は体験として語れるようになったから。


**********

【③これも、イメージ戦略⁉️】



自分の奇声で目を覚ますことって、
皆さんはありますか?
 
自分でも良く分かってないけれど、
時折、
夢の中の、
物事が思い通りにならない場面で、
大きな声で怒鳴ってしまい、
実際にその声で、
起きてしまうことがあります。
 
 
一体、
オレは、
何に、追われてるんだ?
 
この、
何にも縛られてないはずの、
自由な生活において、、、
 
 
もしかしたら、
この自由が、
少しコワイのかもしれない。
 
枠の中で、
生き方を規定されていた方が、
それに従うだけで、
楽なのかもしれない。
 
実際の生活の中で、
不平や不満を抱いて、
実際の自分の口で、
不平や不満を言って、
実際の葛藤の間で、
不平や不満を紛らす。
 
不平や不満で処理することも含めて、
パッケージで、
人生のバランスをとっているのかもしれない。
 
なんてね。
 
よくよく思い出したら、
私の場合、
勤め人の時も、
いや、むしろ、
その頃の方が、
頻繁に奇声、
発してたな、てへっ。
 

 
さて、
奇声の、じゃなかった、奇跡のロングセラー話の続き。
 
 
キャリアの始まりである監査法人時代。
遅れて社会人デビューした私は、
3歳年下の同期の、
荒木さんと一緒に仕事をする機会が多かった。
 
顔が小さく、
身長が190cm近くある彼は、
関西の出身。
 
出会った当時、
彼は、
まだ大学生。
 
つまり、
京都大学在学中に、
旧公認会計士試験二次試験に合格し、
『会計士補』となり、
監査法人に、
非常勤で採用されていた。
 
勿論、
優秀な彼は、
3年後に、
当然のように、
試験を突破し、
晴れて、
『公認会計士』となった。
 
非公認である『会計士補』という国家資格のことは、
別で説明してますが、
簡単に言うと、
見習いみたいな存在。
 
そう、
私は、いまだに、
会計士としては、見習い、なんだな。
 
確かに。
 
 
『TRUE COLORS 若者たちへ』が、
いくつかの書店で、
『棚差し』でなく、
『平積み』や『面出し』で、
少しずつ並び始めた頃、
その彼から、
朝早く電話が。
 
 
内容には一切触れず、
校正で発見できなかった、
いくつかの誤字のことに言及していたのは、
さすが、
公認の彼。
 
そして、
何より彼が気になったらしいのは、
無名の著者の、
無名の出版社の、
しかも、
非公認の私の、
何だか良く分からないサブタイトルの付いた、
聖書みたいな黒い本が、
書店の一番目立つところに、
何十冊も、
面出し』されていたこと。
 
 
実は、
彼の電話で教えてもらうまで、
その書店で、
そんな形で展開されていることは、
全く知らなかった。
 
TSUTAYA大崎駅前店
本当に、ありがとう。
 
入荷してもらえることは、
私の目の前で発注書がFAXされていたので、
勿論、知っていた。
 
しかし、
入口正面の、
最も衆目を集める書棚のど真ん中。
 
すぐに見に行った時には、
まだまだ並んでいた。
 
でも、
気になって、
夕方に再訪した時には、
すでに歯抜けのような状態に。
 
一日で、
その半分以上が売れていた。
 
 
そうか。
やっぱりそうか。
そういうことなのか。
 
 
本は、中身じゃない。
どんなことが書かれているか、
そんなの関係ねぇ。

また、よしお。

 
すでに新聞広告や電車広告で、
散々にビジネスマンの印象に残っている本は、
自動的に売れていく。
 
著名な作家や経営者の本も、
その名で、
読者が勝手に買っていく。
 
でも、
広告が一切出されてない、
無名の著者の、
無名の本。
 
そもそも、
誰が手に取るのか?
 
 
そう、
何が書かれているのか、
気になってしまったら、
忙しいビジネスマンは、
手に取るかもしれない。
 
優秀な荒木さんが、そうだったように。
 
そして、
その後に、
著者やタイトルに反応する。
 
 
『山羊 健太』
 
『AppleもGoogleも実践しているたった1つのビジネスの魔法―Internal Control-』
 
『TRUE COLORS 若者たちへ』
 
『もう本は読まなくていい』
 
『プロの監査人が達成した27球完全試合St. Johnの伝説』
 
 
書かれている内容が、
分かってしまったら、
手に取る必要もない。
 
でも、
それにしても、
ワケ分からな過ぎる。
 
でもでも、
それが良かったのだろう。
 
そんなワケのわからない、
それでいて、
ビジネス書には見えない、
おしゃれなデザインの本。
 
真っ黒の革のような素材に、
白い文字。
 
そう、
すべては、
デザインなのさ。
 
すべては、
Mさんのいうとおり。
 
「中身は、どうだってよいの。
手に取ってもらえなかったら、
それを知ることもない。
だから、装丁がすべてなの。
書棚に並んだら、絶対に映えるから」
 
その言葉を信じて、
書店員に嫌な顔をされても、
出禁を食らっても、
書棚に並んだイメージだけを伝えた。
 
こんな本が、
何十冊も並んでたら、
絶対に手に取る。
 
こんな本が、
積み上がっていたら、
絶対に手に取る。
 
こんな本が、
背表紙しか見えてなかったら、
絶対に誰も手に取らない。
 
繰り返し、繰り返し、
繰り返し、繰り返し、
書店員の頭の中に、
そのイメージを植え付けた。
 
本の内容には、一切触れずに。

 

その日の荒木さんの電話。
 
 
「八木さん、
ていうか、どんな手、使こうたんですか?」
 

足と口を、ひたすらに。

手は、全く使ってない。



『#人生を変える一冊』は、
その後、
奇跡のロングセラーの道を、
少しずつ、
歩き出した、よちよち。



それでは。
 
【いつか、また、どこかで】

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