デイキャンプから見る"場づくり"の始め方
まちづくりで近年重要なキーワードとして"場づくり"が挙げられる。サードプレイスとしての場所を単なる"場所"ではなく、コンセプトを持った"場"に仕上げることでコミュニケーションが闊達な無二の場所となる。場づくりは、まず人に来てもらわないことには何も始まらないが、SNSなどによる告知をして、人々に興味を持ってもらうことが重要な要素となっている。
最近私がハマっているデイキャンプを近所の材木座海岸で行った。事前にSNSで告知していたら意外と反響があったため、食材を数人分余計に準備して行った。当日は当初想定を超える様々な世代/男女のご近所さんが訪れて下さったが、何故多くの来場があったのかを、告知から開催までの経緯を見ることで確認していきたい。
デイキャンプに見る場づくりの始め方
1.まず、自分(達)のビジョンを示す
2.ビジョンに沿って"第0回"をやってみる
3.継続して行う
4.来客者の想像と同じベクトルのものを提供する
1.まず、自分(達)のビジョンを示す
今回のデイキャンプを始めるにあたり、私はまずSNSにて道具を取りそろえたことをつぶやいた。そして近々にこの道具を使って浜辺でデイキャンプをすること、近所の皆に来てほしいことを記載した。この時は岩谷産業のカセットコンロ タフまるjrを購入したことを告知。まだ日程は決めていなかったができるだけ詳細に"平日の昼間実施する"というところまで告知した。情報はできるだけ来る予定を立てられるような内容としたことで、見た人が予定表を確認しやすいように、また来た時に何ができるのかを想像できるようにした。
2.ビジョンに沿って"第0回"をやってみる
ビジネス用語でいう小さくスタートする"リーンスタートアップ"を行った。文字で告知するだけではなかなか内容を想像してもらえなかったり、楽しさが伝わらなかったりするため、私は事前に一人でデイキャンを実施した。その写真等をSNS上に挙げていくことで、見ている人が何をするイベントなのかをイメージしやすいようにした。また実際にやってみないとわからないことは多々あり、油がないとか、コンロの風よけが必要であるとか、反省点を次回に生かすことができた。デイキャンプは不便を楽しむものなので多少は許されるが、これがお金をもらって実施する場づくりイベントだとしたら主催者の信用を損ねる。
3.継続して行う
一般に時間がたつと徐々にときめきが消えていくものであるが、その分ノウハウが増したりグレードアップしたイベントにできるので、トータルで興味を失わないで継続ができる。デイキャンプもときめきがあるうちに失敗をすべて経験して改善おくことで、ある程度気持ちが落ち着いてからは優雅な時を楽しめると考え、時間がある日はできるだけ海に出るようにした。参加者もいつまでも同じレベルのイベントでは飽きてしまうため、一緒に成長していくためにもイベントは継続して行っていくことが大切である。
4.来客者の想像と同じベクトルのものを提供する
デイキャンプに来て下さる方は、そのほとんどがデイキャンプや海、珈琲や外飯、語りなどに興味がある方である。その方々に、まずは想像していた通りの価値を提供することが主催者側の責務である。サプライズはあってよいが想像と同じベクトルでさらに上をいくようなサプライズにするべきであって「デイキャンプに来てみたら寒い中飲まず食わずで将棋をさせられた」といった異なるベクトルにはしない方が良い。もしどうしても驚かせたいならオプションで用意しておくべきである。
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