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長短編小説 僕のキャリアと元同僚

転職やキャリアに悩んでいる方に特に読んで頂きたい長短編小説です。
誰かと同じレールを進むのも良いですが、自分の軸が欲しいところ。

「聞いてくれよ。俺転職してから給料10万上がったんだよ。これから何買おうかな。グッチも財布でも買って、あとはそうだな・・・。」
「すごいな。仕事自体はきつくないの?」
「いやそんな変わらないよ。それで月10万変わるからな。これはかなり大きいよ。年間で言えば120万以上違うんだから。」
 羨ましい。それ程お金に執着しないと自分では思っていたけど、やっぱり自分の現状を考えるとやっぱり羨ましい気持ちは出てくる。
「介護職だったらもう給料の面では知れている。そこに未来は感じられないからな。転職して良かったよ。」
 この元同僚は営業職へと変わって行った。高齢者との会話は慣れているから、ターゲットはその人達の商品を扱っている会社らしい。
「良かったね。」
「うん、もうちょっと人生考えた方が良いよ。」
「考えてみる。」

 その会話はそれっきり終わったけど、僕の心の中にはいつまでも残っていた。確かに僕は今の会社が好きだ。でも好きなだけでは仕事は選べないかもしれない。金銭的な面は生活をしている中では欠かせないから。
 
 でも彼は本当に幸せなのか。彼と同じような人生を歩んだほうが良いのか。

 幸せって何だろう。自分にとっての幸せってどんな時だろう。
 僕は利用者の方から感謝された時に生きていると実感出来る。他人の役に立って、相手に認められたような気になる。生きていても良いんだと自分を誇れることが出来る。

 もちろんそんな良いことばかりではない。時に理不尽なこともある。この仕事がしんどいなと思う時もあるのは事実。
 でもやっぱり思うんだ。僕にとってはこの仕事が好きだ。お金も確かに大切、元同僚が言っていたように考える時がきているのかもしれないけど、それはあくまで彼の意見。1人の意見に過ぎない。

 それが自分と一致しているとは限らない。それに会社に属することだけが収入を得る手段じゃない。反対に支出も限定させることも有効な手段だと考えられる。

 僕が生きていく道は、やっぱりこの介護職棚と思えた。彼には彼の人生があって、僕には僕の人生がある。自分の生きる指針のようなものは自分の中にしかない。
 仕事はお金の為だけじゃない。僕にとってはそれ以上に生きる意味や生き甲斐のようなものかもしれない。

 

収入は確かに大事です。生活していく上ではやはり必要ですから。ただ仕事って自分の人生をより豊かにする、そういう面もあるのではないでしょうか。
キャリアの築け方も人それぞれ。じっくり考えて進んでいきましょう。

僕のアカウントでは生きづらさや人間関係に悩みを抱えている方、生き方や働き方などに関わる記事や短編小説を投稿しています。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
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