リビング・イン・ニア・トーキョー #18
梅雨が明けた。「東京の夏は苦しい」というのを、まるで世界の常識のように捉えていた自分にとってこの8月は試練になるだろうと思っていたが、実際その通りだった。とにかく湿気がものすごい。気温ではなく、湿度だ。太陽がギラギラに光っているのは、あの梅雨に比べればありがたいくらいなのだけど、この湿度だけどうにかならないのだろうかと思いながら、8月を生きている。
今月から、法人での新しい事業が始まった。ありがたいことに、立ち上げやら運営やらに関わらせてもらうことになり、ここ1ヶ月はそこに没頭していた。 没頭してもまだまだ片付かない難題の山。というか、事業が続く限りこの山は無くならないだろう。けれど、それに向き合う日々が楽しい。それを任せてもらえているというのも自信になる。
新しいことをはじめるのは、楽しい。今までやってきた仕事は、どちらかといえば保守点検作業に近いものだった。公教育という、組み上げられたシステムを維持すること。それはそれでやりがいもあり、一筋縄ではいかないようなものだったけど、その仕事は形容するなら歯車のようなもの。そんなポジションに入って動くことにはどことなく歯痒さだったり、居心地の悪さだったりを感じていた。今やっているのは、形容するなら歯車の配列を考えたりするような仕事。なんとも言えないワクワクがある。
数ヶ月前の自分は、こんなことになるとは思ってもいなかった。あと5年、6年、あるいはもっと時間をかけて、最終的にたどり着くものとして想定していたことを、相当な前倒しで始めることができている。その代わり、想定していた5倍くらいの仕事をこなしている。
代償として、日常生活はだいぶ荒んでいる。今日だって、起きたのは午後1時。それから今まで、野菜ジュースと牛乳に溶かしたプロテイン、あとピーナッツぐらいしか口に入れていない。荒れに荒れた生活リズムのせいか、4月5月は比較的落ち着いていた慢性の皮膚疾患が、だいぶいい具合にフィーバーしてきている。先月入会したジムにはほとんど行けておらず、半年で20キロ落ちた体重も、いまはちょっとぶり返し気味である。
負荷の高い仕事が1ヶ月も続いてくると、こんなふうに、己の体調なり己の心持ちなりを気にする余裕がなくなってくる。平日の帰宅後や土日はもっぱら、仕事で消耗したエネルギーやメンタルを回復することに努めることになる。回復する方法はと言えば、何も考えずに原始的な欲求に忠実になること。つまり、とにかく食べたり寝たりすることである。あとは、オードリーのANNを聞いたり、昔遊んだゲームのRTA動画を見たりする。ギターで昔作った曲を弾いたりもする。それを休みの日に一通りこなしたぐらいで、ようやく自分を気にかけ、こうやってnoteを書いたり、仕事以外の世情に目を向けたりする余裕が生まれ始めるのが日曜の夕方...というのがここ1ヶ月。
ここ最近の「リビング・イン・ニア・トーキョー」を読んでいただくとわかるように、出かけるということ自体もずいぶん少なくなった。ここには多分にコロナワールドの影響というのもあるのだけれど、仕事に熱中している結果そこまで外に行く余裕がないというのも無いわけではない。出かけたいのだけどね。
さて、つらつら書いたけれど、これからどうやっていこうか?というのが、いま自分が抱えている、取るに足らない個人的な悩みである。
「マネー!マネー!マネー!」は先月更新をしなかった。今月も来月もたぶん更新はしないだろう。始めようと思っていたことが、仕事の充実なりコロナワールドなりで全然始められていないし、現状リスクを冒して取り組む気もそんなに起きないので、当分コンテンツに面白みの入ってくる余地が全然ないな、というのが大きな理由。本当は有料にしちゃって、それなりに濃い目の個人情報を晒すことの対価を得られるものにしていこうと考えていたのだけれど、しばらく難しいだろう。
「リビング・イン・ニア・トーキョー」は続けていこうと思う。ひょっとしたら先週みたいに突然更新しなかったりすることもあるかもしれない。ただ途切れさせないようにはしようと思っている。多少薄めではあっても、パーソナルな歴史をどこか人目につくところに積み上げておくと、いずれ何かがあった時に使えるのではないかなという皮算用による。10年後15年後くらいに、サカナクション山口一郎さんの「テクノクション語録」みたいな立ち位置になってくれていればそれでいい。(ところで今見たら、Yahoo!ブログが終了したとかなんとかで、テクノクション語録も消滅していた。なんということだ...)
「INFJ」の話は全然書き始まらない。この手の人格分析、性格判断モノは、だいたい自分に満足できない時にたくさん書きたくなってしまうのだけど、今は満足しているのでそんなに書く気にならないというのもあるのだと思う。ここに関しては、まあいろいろ思うこともある。ボチボチ気が向いた時に少し書いてみようと思っている。いつになるかは分からない。
Youtubeもぜんぜん始まらない。「ちょっと伸びるかも」と書いていたが、ちょっとどころではなく伸びそう。思い立った時に始めないと、こうやってずるずるいくんだなあという典型例を垣間見ている気がする。かといって、じゃあ来週始めようかと言えば、前述した通りの事情なので、たぶん始まらない。結局、足がかりとしてのYoutubeという位置づけだったので、すでにやりたいことをやれてしまっている現状、そこまで興味を持てなくなってしまっているというのが本音ではある。ここにきて、始めることが逆にリスクを持ち始めてきていることも懸念。リスクヘッジを上手にやれるほど注力できるわけでもない。でも、気が向いたら始めるかもしれない。
そんな日々。10宣言しておいて1〜2くらいしか行動に移せないというのが人間。でもまあそんなもんだし、だからこその10宣言でもある。はじめに悩みとは書いたけど、実際のところそんなに悩んでいるわけでもないのかもしれない。
こんな状況下で無理に自分を責め立てたり追い込んだりしたところで、べつに誰が得をするわけでもない。環境が救われないのなら自分も救えない。それと同じように、自分が救えないのなら環境だって救えないだろう。だから、ゆっくりいこうと思う。
自分の身にふりかかるあれこれを、ぼんやり眺めながら、また日々は続く。
気負ったって仕方がない。のんびりいきましょう。
最後に笑えればそれでいいのだろう。
湿気と戦う日々です。
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