練習日誌って何なの?

先週から高校時代の練習日誌を読み返しています。

人の記憶って塗り替えられるものなんですね…。
時系列や練習量が全然違っていたり、
故障はしてないと思ってたのに、毎日のように体がだるい重いだのあちこち痛いだのと書かれていたり、
トラブル多発でその度にノート1枚半びっしり状況説明や気持ちを書き綴っていたり、
自分の記憶とは違う高校陸上を過ごしていました。


練習日誌の役割

そもそも何で昔の練習日誌を読み返しているかと言うと、以前から選手の練習報告等を確認している際に、
『この内容で後日振り返った時に状況が分かるのかな』
『この報告ではどんなトレーニングをしたのか、どんな強度なのか全く分からないから返事のしようがないな』
と思うことが多かったからです。
チーム内の共有ではざっくり報告でも良いけど、練習日誌は本来自分の状態を記録するもの。
日々の練習時間や内容の他に体調(痛みや体重も)、睡眠時間、食事、練習・レース中の状況やタイム、自分の心身の状態などを記録し、自己観察をしていきます。
振り返りや自己観察を継続していくことで故障を回避したり、スムーズな立ち上げができたり、同じ状況下で失敗を繰り返さないといった成長が期待できます。
もちろん失敗だけではなく自分の成功体験を記録していくことで自己肯定感が高まり自信にも繋がります。

練習日誌今昔物語

ペーパー時代

練習日誌は本来自分の記録として残すものですが、定期的に提出して指導者のコメントをもらったりもします。
(ちなみに私の場合、高校では毎日、大学では週1で提出していました)
そういった【練習日誌=提出するもの】という文化が根付いているせいか、自分の為の記録という意識が薄れて「とりあえず書いときゃいいや」的なやっつけ作業になっている場合も。
読み返してみると、字でその時々のモチベーションがよく分かりました。
雑な字、小さな字、筆圧は弱いけど丁寧な字、はっきりくっきりな字。
きっと先生もこれらの字を見てコメント返しや練習のアレンジをしてくれてたんだなと思います。

アプリ時代

今はアプリを導入しているチームも多いですよね。
項目に沿って選択・数字の入力をしたり、痛みのある部分をタップしたり、コメントを入れたりと、移動などの隙間時間にも記録でき便利です。
自筆と違って感情の乱れは分かりませんが、各項目の数字によってグラフが作成され状態が把握しやすくなりました。
痛みについても人型イラストにチェックを入れるだけなので左右のどっち?とか、他にはどう?なんていちいち聞き出さなくてもひと目で分かります。

練習日誌は自分の為のツール

ペーパーにしてもアプリにしても指導者に提出したり共有するからとうわべだけ取り繕っていたり、自分に正直な記録を継続していなければ負担に感じるだけで自己の成長や自信とはかけ離れてしまいます。

「やりたくないな」と思う日があっても良いと思う。
信頼が崩れる日もある。
死ぬまで絶好調、人生ずっと自己ベストなんてあり得ない。
特に女性アスリートはそれも含めて正直に記録していくことで、ネガティブな状況はどんなタイミングでやってくるのか、これはホルモンバランスなのか、自律神経の乱れなのか、気象病なのかなど自分の傾向が分かり対処方法も得やすくなります。

練習日誌は自分の取り扱い説明書にも、成功への企画書にもなるのです。

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