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完全初見で『君を愛したひとりの僕へ』⇒『僕が愛したすべての君へ』の順で観た感想【好きなもの語り】

 劇場で上記予告編をぼんやり見て、「企画的に面白そうだな〜観てみようかな〜」くらいのニュアンスで本作を認識していて、

「どっちから観たら良いのかな?」

 をよく考えずに

『君を愛したひとりの僕へ』

『僕が愛したすべての君へ』

 の順で観てきました。

 結論としては、

『君愛』の「ここで終わるのかー」を先に体験して『僕愛』の「なるほどこう終わるのね、良かったね和音」
となったので個人的には『君→僕』派。

 でした。
 あ、この感想には本作のネタバレを大いに含みます(o・ω・o)まあ、観てない人は読まないnoteだと仮定して書いております。

 カエル的には、

『君を愛したひとりの僕へ』→『僕が愛したすべての君へ』

 と観た印象として、

数学の解と公式を丁寧に教えられてから、「算数には0、1、2と数字があって……」
と基礎の概念と、徐々にレベルアップしていく問題を出されたような感じ。
 
最初、「この映画は何を言いたいんだろう? どこへ進むのだろう?」がよく解らなかった。

 という印象でした。
 コンテンツに例えるなら、

『カメラを止めるな』の後半を先に見た感じ。

 または『涼宮ハルヒの憂鬱』を時系列順→テレビ放映順に見たような感じ。
 
 つまりある種のネタバレを先に食ったイメージでした。
 と言っても、最初何を食べているのか分からず口に詰め込まれてたようなものだったので、ネタバレにはなっていなかった訳ですが。

 ただ、いっこ制作側の意図ときっと反していただろうポイントとして。
 作品のコンセプトは「観る順番でヒロインが変わる」というもののハズですが、カエル的には圧倒的に後に観た(そして『君愛』の後半に出てきた)和音に対して強く関心を抱いたので、最終的に和音が幸せ(そう)に見える『僕愛』を後に観たのは正解だったと感じたこと。
 
 まあこれは受け取り手の感じ方の自由でしょうけれど。

『君愛』において和音が最終盤「これ(アクアマリンの指輪)お揃いなの」と老いた暦に言ったセリフが『僕愛』の和音に宛てた手紙で言及されていて「ああ、ここに掛かってるのか」と伏線回収に一喜しました。

『君愛』では和音と暦は結婚しておらず、結婚指輪を贈られていないので、『僕愛』の和音が左手薬指に着けているアクアマリンの指輪を真似ている。というのは、『君愛』和音の「暦を愛してる」の具現化なんだろうな、と考えるととてもいじらしくて和音が愛しい。 

 カエルは和音派。
 
 というか出演時間の分量として栞の登場時間が少な過ぎて、栞に対する暦の想いの量だけでは栞の魅力を魅せる時間不足のカバーはしきれないんじゃないかな……。
 栞に限った話じゃないけど、作画的・声優の演技的にもキャラ萌する作品じゃないし(ストーリーメインの作品だからそれはそれで良いのだけれど)。

■面白い反面難しい

 物語全般に関して思ったのが、物語にリアリティを持たせるための科学論が逆に枷になってた印象があるので、(ちゃんと説明しないと作品が叩かれる原因になるんだろうけど)理論的な話は論文的な物を映すカットか、パンフレットで補完するとかじゃダメだったのかな。
 って思った。

 ダメなんだろうなぁ。『君愛』の暦と、両作の和音の行動に「なぜそう行動したのか」の説得力を持たせられなくなるもんな。
 特に「和音が法を犯してまで13世界から来た(オプショナルシフトしてきた)」心象的な理由が。

 面白い作品が設定の説明が原因で「面白くない」「難しい」って評されるのが嫌なんだよなぁ。

 どこまで説明するか、という問題は制作チームもジレンマだっただろうと容易に想像できちゃう。
 
 原作ありの作品だから、カットされたシーンや会話、改変されてる部分もきっとあるでしょうし(和音が野良犬に襲われたのを暦(ユノ)が追い払ったシーンが最たるものか?)
 あのシーン、ホントにチラッとしか和音(らしき女の子)映ってないので、和音の言う「野良犬」がどこにかかってるのか、とても分かりづらいです。
 何周も観てもらうための戦略なのかも。


■流行りの挿入歌演出はどうかならんか

 本作に限ったことではありませんが、アニメ映画の作中に数回『まるっと一曲歌』の演出挿む流行り、どうにかならんかな?(o・ω・o)

 嫌いじゃないんですけどね。
『君の名は。』『ONE PIECE FILM RED』とかは絶対に必要な演出だし。
 
 だから「絶対に必要」なシーンに使ってほしいんだよ……!!

  本作では『僕愛』の後半、和音の手紙の語りシーンで重ねて挿入歌が流れていましたが、「さすがにそれは邪魔では?」と思いました。
 手紙が長々読まれるカットをいかに退屈にしないか、ってことなんでしょうけど……難しいね。
 でも大事なシーンだから和音の語りに注力してほしいなーって、後からだけど思わなくもない。


■『君愛』『僕愛』は面白かったのか?

 マイナスの話ばかりしたんですけど、作品はすごい面白かったと思ってます。
 というか好みの作品だった。が正しいか。

 科学的な話とか、2作品に分けて4時間かけて丁寧に描いたこととか、和音がカワイイとか、暦と栞が互いに最終的に幸せだったハッピーエンドとか、物語のその後を語り過ぎないエンディングとか。
 好みの作品でした。

 作画と声優は……制作チーム的にはベストアンサーだったんでしょうか。ってとこは、イチ消費者として気になってるところですが。

 今回、『君愛』→『僕愛』と観たのでもう一度『君愛』を観たらどう思うか、確かめてみたい気持ちがあります。
 今日シアターに行ったところ、既に両作合わせて3回の上映(どちらからでも梯子できるようになってる気遣いイイネ)だったので、観に行くならほんと早くー! って感じですね。
 
 きっと、配信サービスがスタートしたらもう一度観直すことになるでしょう。

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