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『竜とそばかすの姫』のお気に入りシーンだけ語る

 こんにちは(o・ω・o)カエル a.k.a オタクです。
 
 
 7/16は細田守監督作品『竜とそばかすの姫』公開日でしたね。
 
 作品を観終わったシンプルな感想は、

(蛙・ω・)<絶対に劇場で観ないといけない映画。テレビでは良さが15%くらいまで落ちる。ただし、内容を"良い!"と思うかは観る人の読解力と、感受性に左右される。

 です。
 正直、世論は酷評寄りになるかと思いますが、個人的に

(蛙・ω・)<このシーンと演出めちゃくちゃ良いな。

 と思った箇所があるので、そこをピックアップして書きます。
 ですので、レビューと言うよりはココスキ。


■スピーカークジラと復元されたAs

 

 前提として、考察になりますが『U』の世界のアバター『As(アズ)』について。

U ⇒ you(あなた)
As ⇒ us(私たち)

 まあ、これはたぶんインタビューとかパンフレットなどに書かれているのだと思いますが、映画冒頭のナレーションで「第二のあなた……」と言っているのでそうなのだと思います。
 
『U』という世界は『第二のあなたが生きる場所』であり、
『As』というアバターは「第二の私たちの身体」という意味合いを持たせているのでしょう。
 
 
 ということで、Uの世界は、第二のリアルである。
 
 と仮に定義付けします。

 
 で、冒頭で主人公 鈴 の分身であるBell(Belle)が巨大なスピーカークジラに乗って歌っていますが、

Bell ⇒ 主人公(一般人)
クジラ ⇒ 運営(が使っている舞台装置)

 であると私は仮説を立てます。

 冒頭では凱旋パレードのようなイベントでクジラに乗ったBellが映ります。
 これが公式のイベントであるかどうかは判然としませんが、この後の『Bellと竜の邂逅シーン』では『スピーカークジラ』や『スピーカーそのもの』は見当たらないので、

・凱旋パレードは公式が主催したイベントにBellが招かれたもの
・球体スタジアムでのイベントはBell主催(親友のひろちゃんPの主催)
 であると考えられます。
 
 
 そして後半のクライマックスシーン。
 
 Bellは自らAsをアンべイルし、Uの世界で鈴のオリジン(素顔)が晒されます。
 素顔が全世界に公開された状況で、鈴はこれまでのトラウマや仮想現実での栄光、その他諸々を乗り越えて鈴自身で歌を歌います。

 
 で。ここからが私の『ココスキ』
 
 現れるスピーカークジラの群れ。
 クジラは鈴を乗せ、鈴は歌い続けます。
 
 この時、鈴とクジラを映すカメラのアングルが、

クジラの左側を映し、歌う鈴も同時に映る
 

 
クジラの後方を大きく迂回
(鈴の姿は一瞬見えなくなる)
 

 
クジラの右側を映し、BellのAsに戻った姿が映る

 となっています。
 
 このカメラアングルの視点切り替えによるBellのAs復活の演出は、

Asを破壊された鈴に対し運営が行った救済措置(公式による認定)であり、Bellの行いを『U』の運営が公認した

 ということを表現しています。
  
 そして、スピーカーを身体に生やしたクジラは

Bellの想い(歌声)を拡散する

 を暗喩したものだということが解ります。
 
 その場に溢れた観衆がBellの歌声に応えた(コーラスに参加)こともこれを強化したもの。
 その後にジャスティンのスポンサーが一斉に乖離したのもです。

 
 
『竜とそばかすの姫』の歌シーンはどれも非常にクオリティが高くて演出も曲もスゴく良い、と思いましたが、
 
 クライマックスシーンの"クジラ"と"BellのAs復活"はとてもインパクトのある『困難を乗り越えて大成する演出』だと感じました。
 
 
 
 
 2回目以降を観る方はこの考察を脳の片隅に置いて冒頭とクライマックスシーンを観てもらうともっと歌シーンがグッとくるかもしれません(o・ω・o)

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