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『かがみの孤城』観てきた。現実はこえーな。って話。

 こんにちは(o・ω・o)カエルです。

 劇場版アニメーション『かがみの孤城』観てきた。

 観に行きたくて、しかし都合つけれずやっと行けて。「構成良い」とか「面白い」とか色々噂されていたので楽しみにしておりました。

 で、感想をどっちで話すかという所です。
「ストーリーや構成や演技(作画・声優)の感想」を書くか、
「作品から感じるメッセージ性とか言外に感じた主観的な感想」を書くか。
 みたい話です。

 正直。ストーリーは伏線回収まで含めて、多分、色々察しやすい魅せ方に作られてるので、「これは〇〇だろうな」みたいなのは多くの方が感じたんじゃないかと。
 映画を2周もすれば序盤からの伏線も見つけやすいハズなので、面白み、構成の出来、は評価しやすいしされやすいんじゃないかと思いました。

 てことで「ストーリーや構成や演技(作画・声優)の感想」は今回は置いとく。

 高山みなみさんの「真実はいつも1つ」をコッチでも聞けて良かったですね?(白々しい目)


 では、「作品から感じるメッセージ性とか言外に感じた主観的な感想」について、カエルが幾つが感じたこと、考えた事の方をメインで話すんですが、

①:人は同じ穴の貉である

②:現実は小説より怖い

③:①も②も受け入れて我々は生きるしかない

 
 この辺を特に、簡潔に書きたい。書きます。
 本編のネタバレありますので未観賞の方はブラバでどうぞ。

①:人は同じ穴の貉である

「知り合って1ヶ月の嬉野遥を見下し嘲笑する不登校児たち」

 まーこれに尽きる話かと。
 学校で「財布」としてパシられる嬉野を「分かりやすいいじめられっ子」として見下す、

「複雑な家庭環境で半グレの晶子」
「嘘つき呼ばわりされハブられる政宗」
「姉を病気で失い母親から半ネグレクトされる理音」
「挫折から立ち直れない天才ピアニスト風歌」
「本音を話さず、実は家庭不和を抱える昴」
「クラスのカースト下位でカースト上位に目を付けられ家にまで殴り込まれるいじめられっ子のこころ」

 まあよくここまで個性的で掘り下げやすそうななキャラクター設定を作った。流石は天才辻村深月という所感です。

 
 で、「本当は良くないこと」と理解してても嬉野少年を見下してからかう面々よ。

 見てて心がイテーよ。
 この劇場版アニメーションは俺の悪口か何かか??

 的な。全世界のみーーんなが今やってることを暗喩しとります。
 作者の意図かは分かりません。
 が、みーーーーーんな、やってること。

同じ穴の貉


 これが一番印象深かった。


②:現実は小説より怖い


「アンタ私のカレシに色目使ったでしょ!ウザいのよブス!」

 という、クソしょーもない動機で、学校の阿呆なとりまき女子を二桁人数引き連れて、親不在時の女子中学1年の家に乗り込みインターホンを連打し、家の周囲を罵声を上げ走り回り、窓に両手叩き付け、半狂乱で喚き散らすクソ女(共)

 や、

 それを「お前とアイツの意見の行き違いだ。アイツもお前のこと心配してるから、当事者二人で顔突き合わせて、和解協議しろ」と暗に、一方的な被害者であるこころに何の悪びれも無く喜々として話す、学校で見下されてるイケメン若造教師。
※ちなみに虐めという犯罪行為において、最もやってはいけない愚の解決策(解決しない愚策)が「当事者同士を話し合わせる」です。
これは論文もあり、被害がさらにエスカレートすることが解っています。

 後半には、唯一無二の家族である祖母を喪った事をイイコトに、発育の良い中学3年生の美少女晶子とイイコトしようと夕暮れの和室に泥酔し乗り込む親族(?)。※恐らく後の身元引受人かなんか

 見てて心がイテーよ。(2回目)

 
 で、問題は、こういうことって、実際に現実で起きてることだから。ってこと。
 毎日ニュースで流れてる内容である。
 カエルは今は岡山県に住んでいるけれど、以前住んでいた地元長崎とは違う「犯罪のニュース」が毎日違う内容で午後のニュースで流れています。
 Twitterでは「岡山のナラズモノドライバー」がよくバズっておりますし、岡山は「歩行者優先道路における車の一時停止率全国最下位」です。
 岡山をディスりたいんじゃなくて、毎日、どこかで、

学校の阿呆はとりまき女子を二桁人数引き連れて、親不在時の女子中学1年の家に乗り込みインターホンを連打し、家の周囲を罵声を上げ走り回り、窓に両手叩き付け、半狂乱で喚き散らすクソ女(共)

「お前とアイツの意見の行き違いだ。アイツもお前のこと心配してるから、当事者二人で顔突き合わせて、和解協議しろ」と暗に、一方的な被害者であるこころに何の悪びれも無く喜々として話す、学校で見下されてるイケメン若造教師。

唯一無二の家族である祖母を喪った事をイイコトに、発育の良い中学3年生の美少女明子とイイコトしようと夕暮れの和室に泥酔し乗り込む親族(?)。恐らく後の身元引受人かなんか。

 これらと似たような事が起きている。
 毎日。どこかで。現実で。被害者が生まれている。
 それを恥ずかしいことと隠したり、泣き寝入りしたり、法的にも無法的にも訴える事ができず、最悪命を自ら投げ捨てる人が実際に存在してる


現実の世界は、世界一治安の良い日本という国でさえ、小説よりも、はるかに怖い現実で溢れている。

 

 この劇場版アニメーション、引いては原作小説。怖すぎるだろ。文学的風刺画家か何かなのか天才辻村深月。


③:①も②も受け入れて我々は生きるしかない


 でも、そんな世界で我々はそれら清濁を飲み込んで、飲み干して、消化して、血肉に換えて、生きていかなきゃいけないんですよね。

 最悪なことに。


『かかみの孤城』では素敵な群像劇が描かれていると思うんです。

「自分だけの『たった1つの本当の願い』」を叶えられるけれど、友達になった仲間のために、仲間との記憶を失わないために、真剣になる。

 ことだったり、

「怖くて仕方ない『学校』を、仲間とだったら乗り越えられると全員、裏切らずに登校」

 したり。

 幼くして亡くなった姉の最期の願いの中で、最高の1年間を、最高の仲間たちと一緒に、最高のエンディングを迎える。

 だったり。
 良い映画だと思います。
 内容の分かりやすさや、踏み込まないと解らないキャラクター背景の難易度が絶妙なバランスで絵と会話と脚本に落とし込まれていたり。


 高く評価されるのが腑に落ちる。
 すごく良い映画でした。


 という感想と、その鏡合わせに見えるモノとして、

 
 人間の薄汚い性根 とか、
 目を背けたくなるような世界 とか、
 自分も確かにソレである。という現実 とか、
 でもそれを解っていても俺たちは生きるしかないんや。

 っていう、『美しい鏡の中の世界』と『汚く醜い現実』がいっぺんに堪能できる。いやがおうにも味わわされる。

 
 そんな映画でしたね!!!!


(蛙・ω・)<そんな映画だと思いました。
 
 久しく感情的なアニメ感想となりましたが、スゲー良い(クオリティの高い)もん観れたから、「まだ観てないし迷ってるから感想やレビューに目を通してる」ってヤツがいたら、


(蛙・ω・)<早く行け。もう上映回数減少してんぞ。シアターサイズも小さくなってっから。と行け。


 と、感情的になってつい言ってしまいたくなる映画でした。


(蛙・ω・)<辻村深月天才かぁ??


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