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劇芸術専修の先生方にお聞きしました!~前編~

こんにちは、ちるちるです。

私たちapplauseメンバーが通う共立女子大学には、文芸学部という学部があります。この学部には4領域7専修があり、その中の一つが劇芸術専修です。この専修では文字通り、舞台での演劇や映画といった劇芸術を学び研究します。

そして劇芸術専修には5人、「劇」の専門家である先生方がいらっしゃいます。
今回、その5人の先生方に
①研究分野
②今まで観た中で強く印象に残っている作品(3作品まで)
③期待している作品(3作品まで)
をお聞きしてみました!

前編では阿部由香子先生、鈴木国男先生、村井華代先生にお答えいただいたものをご紹介します。


阿部由香子先生 トリミング済

①研究分野
近現代の日本演劇です。劇作家、戯曲、演出、劇団と観客など様々な観点から舞台作品を考察の対象としています。

②今まで観た中で強く印象に残っている作品

1986年6月 風力潜水艦『ペリカンロード』(大塚ジェルスホール)
早稲田大学のてあとろ'50から派生した学生劇団の旗揚げ公演。高校の帰りに初めて小劇場で観劇をして衝撃をうけ、まさか出演していた角田光代という大学生が小説家になるとは思ってもいませんでした。

1993年5月 TPT東京『テレーズ・ラカン』(ベニサン・ピット)
それまで翻訳劇をみて面白いと思ったことがありませんでしたが、デヴィッド・ルヴォーの演出に魅了され、材料が悪いのではなく日本人のシェフ(演出家)が調理方法を知らなかったのだということを痛感しました。

③期待している作品

3月15日~ 文学座アトリエ『コーヒーと恋愛』
文学座のアトリエ公演がもともと好きですが、今回は獅子文六(岩田豊雄)の小説原作の舞台化ということで面白くなるであろう条件がいくつもそろっているので。

4月21日~ 9PROJECT『夜長姫』(シアターグリーン BASE THEATER)
つかこうへい作品を中心に上演している劇団ですが、今回は坂口安吾の小説を原作として渡辺和徳さんが脚本・演出を担当される新作。芝居を上演するうえで大切なことが何かを知っている方々だなと思っています。

4月6日~ 松竹『滝沢歌舞伎ZERO2022』(新橋演舞場)
チケット入手困難ではありますが、一度ちゃんと見てみたいと思っています。


鈴木国男先生 トリミング済

①研究分野
現在は宝塚歌劇を中心にイタリア演劇・オペラ・ミュージカルを研究しています。

②今まで観た中で強く印象に残っている作品

1987年 宝塚歌劇団雪組『サマルカンドの赤いばら』
天海祐希さんたち72期生の初舞台お披露目の公演でもあり、それを旧大劇場で初日に見ることができたという点でも印象深い作品です。
僕の宝塚の原点のようなもので、いまだに自分の中のベストワンだと思っています。
  
2000年 宝塚雪組『凱旋門』
轟悠さんの退団は僕にとって衝撃的で、今もぽっかり心に穴が空いているようです。轟悠さんの宝塚での代表作ということでこちらの作品を挙げたいです。

1987年 『元禄忠臣蔵』(歌舞伎座)
中村吉右衛門さんの逝去もショックなものでした。吉右衛門さんの舞台は数えきれないくらい見ているのですが、特にこのときの吉右衛門演じる大石内蔵助はこの人でなければできないと思うようなものでした。

③期待している作品

OSK日本歌劇団『春のおどり』
(2月18日~20日大阪松竹座、3月25日~27日新橋演舞場)
OSKの百周年記念の公演です。2月に松竹座、3月に新橋演舞場で上演されます。元共立生の娘役唯城ありすさんの活躍が楽しみです。


村井華代先生 トリミング済

①研究分野
西洋演劇の理論や歴史を広く扱っています。今は特にイスラエルの演劇の研究が中心です。

②今まで観た中で強く印象に残っている作品

1983年 宝塚歌劇団花組『メイフラワー』
中学の修学旅行で見た、人生初の舞台。新大陸に向かうメイフラワー号に乗った人々の物語で、主演は高汐巴さん、若葉ひろみさん、大浦みずきさん。郷里には劇場がなかったので本当に面白く見ました。

1988年 ウィリアム・シェイクスピア原作・鈴木忠志演出
劇団SCOT『リア王』
四国の大学で演劇をやっているときにテレビで見た富山県利賀村野外劇場の公演です。俳優は全員外国人の男性で、リアは妄想に憑かれた老人、道化はナース。余りの驚きに、見た後すぐ一人で利賀村に飛んでいきました。

1984年 清水邦夫作・蜷川幸雄演出『タンゴ・冬の終りに』
大学の演劇部の先輩に見せられたテレビの録画。主演は平幹二郎さん、松本典子さん、名取裕子さん。生家の映画館にひきこもり、狂気に落ちてゆく俳優。蜷川舞台はその後何度も見ましたが、これを超える興奮には出会いませんでした。東京で演劇学を学ぶようになり、清水邦夫さんにお会いできたときは本当に嬉しかったです。

③期待している作品
今は、この人の次の作品を待望する、ということが特にありません。
出会うべきところで出会えればいいと考えています。


いかがでしたでしょうか?
作家の角田光代さんが出演されていた学生劇団の公演、72期生の初舞台、高汐巴さんトップ時代の花組…と先生方の貴重な観劇体験、筆者は聞いているだけでわくわくが止まりませんでした。

後編では土田牧子先生、佐藤洋先生のご回答をご紹介します!お楽しみに✨




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