農業大国いう観点からウクライナを分かりやすく解説してみる
ロシアとウクライナの国境紛争が懸念される昨今、食糧価格との関連性から、農業大国としてのウクライナに少しスポットライトを当ててみたいと思う。
こんなマニアックな記事、他にある!?笑
ウクライナは農業大国・穀物市場での一大プレイヤー
ブログ主は食糧安全保障の情報を、主に農林水産省のHPをウォッチして取り入れている。それを見ていて、とても気になっていた国がある。
それが、ウクライナである。
グラフは全て食糧安全保障月報令和3年12月版より
これは世界の小麦の生産・輸出・輸入量を現したグラフであるが、「小麦の輸出量」の第4位にウクライナの名前がある。EU全体、広大な土地を持つロシア、オーストラリアに次ぐ第4位。
続いてトウモロコシを見てみよう。
やはり、とうもろこしの輸出量も第4位。ウクライナという旧ソ連邦の一国家が並み居る農業大国を押しのけて第4位の輸出を行っているという事実・・・これは、ウクライナが農業大国であることの証左である。
従って、ウクライナの紛争や天候不良は世界の穀物市場に混乱を与える可能性が小さくない。
さすがに、下記に示すようにコメや大豆の輸出はグラフにはなかった(大豆の生産自体はあり)。
農業大国ウクライナ:日本との関係を中心に
ウクライナには「土の皇帝」と言われる広大な黒土地帯(チェルノーゼム)が広がっている。農業に向く肥沃な土地だそうで、かつてはナチス・ドイツも目を付けたそうである。
この世界で最も肥沃な黒い土が、農業大国としてのウクライナの基盤である。
これまた少し古い資料ではあるが、農林水産省のウクライナの現地調査のレポートがあった。ここにウクライナの農業事情が詳しく記されている。この中で特記すべきは、ここだろう。
「2008 年に、日本人農業専門家が大豆栽培の指導、試験栽培を開始」
ただ、これ以上の詳しい情報はよく分からなかった。近年、ウクライナでの大豆生産が急増しているそうなので、もしかしたら関連性があるかもしれない。
2012年の時点で、ウクライナからの初の大豆輸入の記事が存在した。
最近では、住友商事がウクライナでの農業ビジネスにかなり食い込んでいるようである。
ということで、「世界で最も肥沃な土地」を持つウクライナの動向は、食糧価格の今後を占ううえで無視できないものとなっている。
ロシアとウクライナが万一戦争状態になれば、世界的な穀物価格の上昇リスクが一つ増えることになる。
北方領土問題をかかえる日本にとって、ロシアとウクライナの紛争は完全に他人事とは言えない。ましてや、ウクライナの農業にかなり日本企業が入り込みつつあるいま、日本はどのように立ち回るのだろうか。
はたしてキッシーには、世界情勢が見えているのだろうか?
(画像は写真ACから引用しています)
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