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幼稚園・保育園の発表会の撮影の仕方。

みなさんこんばんは、カワハラユウヤです。

福岡県のとある写真館にてカメラマンをやっております。

さて、久々に撮影方法についての記事です。

「保護者が自分の子どもを写真で撮影したい」という前提で、撮影の方法を解説します。


1.ステージから遠すぎず、近すぎない位置を確保しよう(大ホールなどなら近いほうが良い)

発表会というのは、園内で行う場合と、ホールなどを借りて行う場合の2種類があります。

・園内で行う場合

園内の時は、空間自体が狭いことが多いので、ステージからほどよく距離が離れているところがベストです。

あまりに近すぎると自分の子どもがどこに出てくるのかがわかりにくくなります。少し離れることで全体を見渡せます。


・ホールで行う場合

特に大ホールで行うときなどは、なるべく近くに行けるのがいいです。

ただ、ホールになると保護者の座る席が予めクジで決まっていることも多いので、ここは運に任せるしかありません。


2.カメラは望遠レンズが○。一眼レフなら150mm以上が望ましい

どこに座ることになったとしても、基本的には望遠レンズが望ましいです。

カメラマンはステージの全体を写すこともあるので標準・広角のレンズも持っています。

対して保護者の場合は自分の子どもを写すことがメインなので、なるべく子どもを大きく撮れるようにしておくのがいいでしょう。

具体的な数値で言えばタイトルに有るような150mm以上。後ろになればなるほどこの数値が大きいものがあるといいです。

ただ、最前列で近すぎるときなんかはこの限りではないです。


3.ダンスならシャッタースピードを上げて。劇なら止まった瞬間を狙って。

発表会は、主に「表現(ダンス)」「合唱・合奏」「劇」の3種類があるかと思います。それぞれ少しずつコツがあるので解説します。

・表現(ダンス)の場合

ダンスは基本的に激しく動きます。特に年齢が高くなるほど動きが大きくなるかと思います。

もし一眼レフを持っていたとして、設定をオートにしていたとしたら、ほぼ確実にブレることでしょう。

カメラはその空間の明るさを判断してちょうど良い明るさで写るようにするだけなので、少しこちらで設定をいじる必要があります。

数値をいじりたいなら「シャッタースピード」を上げること。(シャッタースピード優先撮影が○)

とりあえずよくわからないけど上手く撮りたいなら「スポーツモード」で撮影しましょう。

「なぜスポーツモード?」と思うかもしれませんが、スポーツモードは動く被写体を撮影できるようにシャッタースピードが早く設定されるからです。


・劇の場合

劇は年齢によってセリフの有無が変わりますが、ダンスほどの大きな動きをすることは少ないのでダンスに比べれば撮影しやすいです。

スポーツモードにするほどではないですが、あまりにシャッタースピードがおそすぎると手ブレが起きてしまうので気をつけてください。

撮影のタイミングは「セリフを言うタイミング」「ポーズをするタイミング」がベスト。可愛い瞬間を狙いましょう!


・合唱合奏の場合

合唱は歌、合奏は楽器を使っての演奏ですが、これらは劇よりもさらに動きが少ないです。基本的にはみんなその場を動かずに演奏します。

このとき大事なのは「自分の子どもがどこにいるのかを素早く把握する」こと。特に合唱はみな制服を着て並ぶので遠いとわかりにくいこともありえます。

曲自体は長くないので早めに見つけて望遠で歌っている瞬間や弾いている瞬間を狙いましょう。


4.いっぱい撮影しておこう!後で見返すとブレていること多し。手ブレ、被写体ブレに気をつけて。

これ、結構大事です。

以前に運動会の撮影方法について解説しましたが、運動会と発表会の撮影で一番違うことはなんだと思いますか?


答えは、「運動会は屋外で、発表会は屋内で行われる」ということです(例外はあります)。


これはカメラに慣れている人からすれば問題ないのですが、カメラをとりあえずオートで撮るくらいの人からしたら結構問題なのです。

オートで撮影するということは、シャッタースピード・絞り・ISO感度などの設定をすべてカメラに任せるということです。

この3つの要素で「シャッタースピード」がすごく重要で、シャッタースピードが遅くなってくると被写体がブレますし、さらに手ブレも起こしやすくなってしまいます。

屋外の撮影であればシャッタースピードが遅くなりすぎることはほぼないのですが、屋内になるとこれは十分起こりえます。

カメラマンから言わせてもらえば、シャッタースピードが「30分の1秒」より遅い状態でカメラを手で持って撮影すると、被写体もブレるし手ブレも起こします。


ちなみに僕が実際に発表会を撮影する時は、最低でも「125分の1秒」以上に設定します。劇なら200分の1秒前後、ダンスであればもっと早くします。その分、絞りとISO感度を調整して撮影するのです。


「ブレた写真」というのは、後でどうやってもブレていないように修正することはできません。

だからこそ自分の子どもに集中できるみなさんは、いっぱい撮っておいてほしいです。数枚だけだと、ブレていたらアウトです。


5.原則フラッシュ禁止なので注意!

これは場所にもよりますが、「ステージ発表」というのはフラッシュ禁止がほとんどです。特に大きなホールを借りての発表会なんかは照明もあるのでいらないです。

たまに一眼レフをすべてオートにしているがゆえにフラッシュが自動で光ってしまう方がおられます。

「発光禁止」にできるようにはしておきましょう。


最後に:たまには自分の目で見てあげてくださいね

さて、ここまで色々書いてきましたが最後にひとつだけ。


子どもたちは自分のやれることを一生懸命やっています。

保護者のやれることは、それをしっかり見守ってあげることです。

決して「記録に残すこと」がメインではないのです。


だからこそ、カメラばかり覗くのではなく、しっかりと自分の目で子どもを見てあげてください。


カメラをずっと覗くのは、カメラマンである僕たちが担います。

安心して、自分の目で見てあげてください。


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