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大切なことを見失いそうになったら読みたい本。

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

差別、格差社会、ジェンダー、政治、家庭環境、この世は向き合うべき事で溢れています。

日本で生まれて日本で育った私はこの本に書かれた英国での毎日に驚き、自分の無知さを真正面から突きつけられました。
"大変そうだな"と他人事にせずもっと考えるべきだと思うし、関係ない話だと思ってる人は知らんぷりするのが癖になっているだけで本当は他人事じゃないことが多いんじゃないかな。

ヘビーなテーマではありますが、ブレイディさんの親しみやすい文体が心地よくてサクサク読み進められました。

どのエピソードもすごく印象的な一冊ですが、5章で出てくるシンパシーとエンパシーの違いについての話がとにかく刺さっています。
こちら特設サイトで試し読みができるようになっていたので載せておきます。

私にとってすごくタイムリーなテーマだったこともあり、すごく胸を打たれました。

私は幼い頃から政治や宗教の話はすべきでないと言われてきたし、人のためになりなさいと教え込まれ自分のことより常に他人が楽しいかどうかが重要になってしまって学生時代は常に人の顔色を窺っていました。
だけど数年前から自分とも他人とも"対話"するように心掛けはじめたんです。つい他人が喜ぶであろう相槌を打ちそうになった時、「本当に?」と己に問う。
相手を蔑ろにしたり否定するのではなく、そこでなぜそう思うの?と聞いてまず理解することが全てのスタートになるんだと実感しました。
嘘はつかずに素直に友と話すようになったことで「これはどうかな?」と意見を出し合って「それいいね!」とお互いが納得できてフェアで嬉しい選択肢へ導いていける関係性の"親友"になれたんです。

すごく嬉しい思い出だったけれど、この本のおかげでさらに大切にしたい経験になりました。

他にも語りたい部分が沢山あるけれど、読む楽しみを奪ってはいけないのでこの辺で終わっておこう。

詩織

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