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世界の工業5(コンテンツ産業)

現代工業の潮流は、知識集約化へのシフトです。その一つにコンテンツ産業があります。コンテンツ産業の世界の様子をみてみましょう。

メディアコンテンツ

メディアコンテンツと言えば、世界的にはディズニーやハリーポッターなどが頭に浮かぶのではないでしょうか。
これらのコンテンツがこれまでにどれだけ収益を上げてきたかというグラフです。このような調査があるんですね。

映画などの興行収入、関連商品、ゲーム、コミックなどの売上の総合計が計算されています。
ようやく日本が世界をリードしている分野に出会いました。ポケモン、ハローキティ、アンパンマン、マリオ、少年ジャンプ、ドラゴンボール、北斗の拳、ワンピース、遊戯王といったコンテンツが世界で収益を上げています。
(北斗の拳は英語でFist of the North Starと言うのですね。)

家庭用ゲーム機

家庭用ゲーム機と言って思い浮かべる機種は世代によって違うのでしょうね。私はファミコンのドラクエで、復活の呪文を手入力していたことを思い出します。データはこちらからもらいました。

こちらも日本製が圧倒的です。Sonyとニンテンドーの2強体制です。

肝心のゲームソフトの売り上げはどうでしょうか。会社ごとのゲームソフトからの売上をみてみます。データはこちらからいただきました。

1位は中国のテンセントです。テンセントと言えば、WeChatですね。テンセントは中国最大のモバイルゲーム開発会社でもあります。いまやゲームは家庭用ゲーム機ではなく、スマホで大きな売り上げを上げていることがわかります。マーケットが変節してきていますね。家庭用ゲーム機自身もネット接続が当たり前になっていますが、気軽さで行くとスマホには勝てません。とは言っても、迫力のあるゲームはスマホでは難しいのでヘビーユーザーと時間つぶしのライトユーザーでセグメントが分かれていくのでしょう。マーケティングが肝になります。

新聞発行部数

もう一つの重要なメディアである新聞をみてみましょう。
世界の紙媒体での新聞発行部数をみてみます。データはこちらからいただきました。

発行部数は人口に比例するため、2021年の国民1000人当たりの日刊紙発行部数を計算して、2019年の国民一人当たりのGNIとの散布図にしてみました。これらには正の相関(相関係数r=0.51)があります。

1000人当たりの日刊紙発行部数では日本は飛びぬけています。これは世界的にみても珍しいことのようです。単一言語であることや、数少ない全国紙がシェアを占めていることなども影響していそうです。日本を外れ値として除外すると相関係数は少し高くなります。(r=0.54)

とはいえ、日本でも新聞離れは急速に進んでいます。

2008年には、1世帯当たりの新聞部数が1.0を割り込みました。これはデジタル化の影響が大きいのでしょう。(私もこのくらいの時期にデジタル版に変えました。)

まとめ

かつてはオタク文化として軽蔑視されていたコンテンツ産業ですが、内閣府がクールジャパン戦略を打ち出すなど、日本生き残りの1つとして位置づけられています。
コンテンツ産業は媒体とセットなので、媒体での優位性も同時に保っていかなければなりません。メディアはラジオからテレビへそしてインターネットへという流れがあります。ゲーム産業でも家庭用ゲーム機や携帯用ゲーム機からスマホゲームへの流れ、そしてネットゲームへの広がりなど、トレンドが目まぐるしく変化しています。
日本が優位性を持っているコンテンツ産業を守るだけでなく、戦略的に時代を作っていく必要があります。

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