コーチングについて
こんにちは!カワブチです。
僕は今、認知科学に基づくコーチングのプロコーチとなるための勉強、トレーニングに取り組んでいます。
この記事では、コーチングに興味がある方、コーチングを受けたい方にとって、認知科学コーチングの理解が深まるように、具体例を交えながらお話します。是非、ご一読ください!
コーチングとは?
コーチ(coach)の語源は馬車と言われており、目的地まで連れていくことがその役割でした。
そこから、コーチは「クライアントをゴールに導くこと」が役割と言えます。※ゴールについては後述
ここで、カウンセリングとの違いについて触れておきたいと思います。
対話を通じて、クライアントに変化をもたらすという点では共通していますが、その対象が大きく異なります。
カウンセリングでは、クライアントの「悩み、困りごと」に対して、「共感、傾聴」を通じて、心を整理し、気づきを与えます。
一方、コーチングでは、「マインドの使い方」について介入し、「ゴール設定」をサポートします。
マインドとは?〜認知科学とは?〜
認知科学コーチングでは、その名の通り「認知科学」に基づき、コーチングを行なっています。
つまり、認知科学とは、「心とは何であり、心はどのように働くのか」について、科学的に研究、追求する学問です。そして、脳と心の情報処理がその対象で、脳と心をマインドと表現します。
実際に何をするのか?
ここまで、コーチングとは何か、カウンセリングとの違い、また認知科学とは何かについてお話しました。
”コーチングでは、「マインドの使い方」について介入し、「ゴール設定」をサポートします。”
と、お伝えしましたが、実際に認知科学コーチングでは何をするのか?についてはイメージが持てていないかと思います。
ここからは、コーチングで扱うマインドのカラクリ、そしてコーチングセッションにおける重要なポイントについて、専門用語とその解説も交えながらお話したいと思います。
ゴール設定
まず、コーチングにおける最重要事項は、「ゴール設定」です。
ゴール設定なくして、コーチングとは言えません。
ここで、ゴールについて説明します。
認知科学コーチングにおけるゴールとは、以下の条件を満たすものを指します。
①本音でやりたいこと(want to)であること
②現状の外側であること
③複数設定されていること
順に説明します。
①本音でやりたいこと(want to)であること
コーチングセッションでは、「誰に止められても、やってしまうこと」=本音でやりたいこと=「want to」を抽出します。
「誰かに褒められるため」といった”結果”に対する行為ではなく、”結果”がどうであれ、繰り返してしまう行為、つまり”その行為自体が報酬”になっていることです。
②現状の外側であること
現状の外とは、
・達成の方法、手段が思いつかない
・とてもワクワクするが、とても怖い
・周囲から止めらる
ことです。
逆に、
・今の状態が続けば、十分に達成されると思われるゴール(現状の延長)
・今以上に頑張れば、なんとか達成できそうなゴール(理想の現状)
は、現状の内となります。
つまり、現状のビリーフシステム(何を重要と判断しているか)やリソースを変えることが重要になります。
端的にいうと「ゴール設定をすると、プロセスは後から見えてくる」
このカラクリについては、後ほどお話します。
③複数設定されていること
ここで、バランスホイールという概念を紹介します。
コーチングでは、上記8つの領域について、オールライフでゴールを設定します。
例えば、仕事だけ飛び抜けて大きなゴールを設定し成果を残せたとしても、健康状態や家族との関係が良くないと、それは理想的な人生だと言い切れないと思います。
バランスホイールに則りゴールを複数設定することで、”マインドが”ゴール間のバランスをとりながら、オールライフで未来をつくります。
また、オールライフで考えることで、ゴール世界の臨場感を高めることができます。
マインドのカラクリ
さて、”コーチングでは、「マインドの使い方」について介入し、「ゴール設定」をサポートします。”とお伝えした、「ゴール設定」については理解を深めていただけたのではと思います。
ここからは、ゴール設定に向けて知っておきたい「マインドの使い方、カラクリ」について、用語の解説を交えながらお話します。
コンフォートゾーン
人間には、「自分にとって居心地の良い空間(ゾーン)」が存在します。
例えば、スポーツでいうホーム&アウェイ。
ホームでの試合はアウェイでの試合と比べてパフォーマンスが良いと言われていますが、この場合ホームがコンフォートゾーンにあたります。
一方、アウェイでの試合は、コンフォートゾーンの外、つまり不快な状況だった為、パフォーマンスが低下したと考えることができます。
さらにコンフォートゾーンを理解するために、「ホメオスタシス=恒常性維持機能」について説明します。
例えば、サウナに入った時、人間の体温はどのように変化するでしょうか?
人間の快適な体温は大凡36度とされていますが、サウナに入室すると体温が上昇する為、汗をかいて体温を下げようとします。
では、「この体温を下げる」働きは、何によって行われているのでしょうか?
その答えがホメオスタシスになります。
つまり、コンフォートゾーンである36度から、体温が上昇することでそのゾーンから外れた時、ホメオスタシスの働きによって汗をかき、体温をコンフォートゾーンの36度に戻そうとしているのです。
言い換えると、コンフォートゾーンはホメオスタシスによって作られている空間と表現できます。
また、コンフォートゾーンに戻ろうとする力、働きのことをモチベーションと言います。
RASとスコトーマ
私たちは、ホメオスタシスの働きによって作り出されたコンフォートゾーンの中に生きていることをお話しました。
ここでは、マインドの情報処理の理解を深めるため、「スコトーマ」と「RAS」について説明します。
日々の生活の中で、私たちの脳は毎秒五感を通じて大量のメッセージ(情報)に触れています。
それらの情報は全てインプットされる訳ではなく、脳の活性化ネットワーク、情報フィルターを通じて情報の取捨選択が行われており、そのフィルター的な役割を担うのが「RAS」になります。
RAS(Reticular Activating System)とは?
例えば、子どもが生まれた人は、生まれる前に比べて街にいる赤ちゃんの数が増えたように感じます。また、ベンツ(高級車)を購入した人は、こんなにもベンツが街中に走っていたのかと驚きます。
これらは、イベント(赤ちゃんの誕生、ベンツの購入)によって重要性が更新されたことによって、RASによるフィルタリング結果が変わったため、自身の認知も変わったと考えることができます。
このように、私たちの脳はRASによって、重要性(あなたの無意識における)に応じてインプットする情報とそうしない情報を取捨選択しています。
これは、「人間は、自身の無意識が重要と認識している情報以外はインプットされない」ということです。つまり、盲点になっているということです。
これを「スコトーマ」といいます。
RASによってインプットされなかった情報がスコトーマになるいうことです。
ここまでのRASとスコトーマの話を整理します。
人間は、自身の無意識における重要性に応じてRASがインプットする情報を取捨選択することで、スコトーマが生まれる。
つまり、重要性が変われば、RASも変化し、スコトーマも変化する、ということです。
これが、「ゴール設定をすると、プロセスは後から見えてくる」のカラクリになります。
ゴール設定によって、ビリーフシステムの重要性が更新されることで、RASによってインプットされる情報が変わる=スコトーマだった情報にアクセスできるようになることで、見えなかったプロセスが見えるようになるということです。
セルフトーク
ここまで、コンフォートゾーン、RAS、スコトーマについてお話をしました。ここからは、ゴール設定に繋がる「セルフトーク」と「エフィカシー」について、お話します。
実は私たちは、「しまった」「なんて俺は馬鹿なんだ」とか、自分の中で内省的にいってしまう独り言を毎日3万~5万回自分自身に語りかけていると言われています。
これらの内省的な独り言を「セルフトーク」といいます。
なぜ、セルフトークが重要かというと、マインドでは「言葉がイメージを作る」からです。
上記の流れによって、コンフォートゾーンが成形され、自身のパフォーマンスを決定します。
故に、セルフトークはゴールに関連する言葉である必要があるといえます。
エフィカシー
最後に、エフィカシーについてお話します。
日本語では、自己効力感と言います。
似たような言葉にエスティーム(自己肯定感)があり、自己肯定感は馴染みのある言葉ではないでしょうか?
自己肯定感とは、「現在のポジション、社会の中での地位に対する自己評価」のことです。
例えば、「XX会社の部長だ」「チームのキャプテンだ」など。
過去の実績などから、自分に対する自信を持った人がいるかと思いますが、まさにそのような人はエスティームが高い状態にあるといえます。
では、エフィカシーとは何でしょうか?
エフィカシーとは、「ゴールを達成する自己能力の自己評価」のことです。
例えば、やったことがないけど、何かできそうな気がすることってありませんでしたか?もしくは、なんでそんなことに挑戦するの?と常識を疑う挑戦に自信を持って挑んでいる人はいませんでしたか?
そんな彼らに共通するのが、エフィカシーです。
言い換えると「事を起こし実現していく力」とも表現できます。
「お金があれば、時間があれば、人脈があれば…」というのは、それらがないとできないと言っていることであり、エフィカシーが低い状態。
一方、リソースの有無を問わず、できると信じられているのがエフィカシーが高い状態といえます。
コーチングでは、want toであり、且つエフィカシーの高い領域でゴール設定を行います。
まとめ
認知科学コーチングについて、マインドのカラクリを中心にお話してきました。みなさんの認知科学コーチングに対する理解が深まっていれば、また関心が高まっていれば嬉しいです。
最後に一つ大切なことをお伝えさせてください。
それは、「コーチングは知識ではない」ということです。
つまり、知識をインプットしただけでは、自己適応に限界があるということです。それが、プロコーチも自身にコーチをつけている理由です。
未来をつくりたいと願う人は、是非コーチングを受けることをお勧めします。(繰り返しますが、カウンセリングではありません)
コーチングに関心を持たれた方は、お気軽にコメントやDMでご連絡ください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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