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SNSが変える株式市場

SNSが伝統的な株式市場の構造を変える。個人がSNSで集団となりヘッジファンドを倒すデジタル・ディスラプション(創造的破壊)が起こった。

「空売りの締め上げ」で事象は起こった。株を空売りした投資家は空売り用に借りた株を返す必要があり株価が大きく値上がりすると損失覚悟の買戻しが必要になる。資金力を武器に空売りの多い銘柄を買い上げていく手法として一般的に行われていたが、今回、アマチュアである個人投資家がヘッジファンド締め上げて買い戻しに追い込んだ。

個人投資家がヘッジファンドを打ち負かす力を与えたのは①スマートフォンを使って低コストで手軽に株取引ができるインフラが整っていること。②SNSにより株式市場に民主化をもたらしたい個人に集団傾向(グループシフト)が起こったこと。という2点である。

デジタル・ディスラプター(デジタルを活用し創造的な破壊を仕掛けるスタートアップ企業)は顧客の不満をデジタルで劇的に解消させ市場シェアを席巻していく。顧客の不満解消のため従来のバリューチェーンに捕らわれない①コストバリュー②エクスペリエンスバリュー③プラットフォームバリューを顧客に与える。今回の個人の行動は3つのバリューが全て入っており強い力が生まれたと考える。

個人的には弱者が強者を倒す構造に痛快さを感じるが、株式市場の公平性、透明性を担保するために、今後、当局の規制等が入り、投資家保護の動きが出てくるだろう。しかしながら、堅牢な株式市場が想像もしていなかった個人投資家に翻弄されたころで、新たな局面に入ることは間違いない。