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未病対策

少子高齢化が進み、社会保障制度の先行きに暗雲が立ち込める中、未病の人に働きかけて病気を予防する取り組みが今後、本格化してくる。

経済効果も大きい。経済産業省は生活習慣病やフレイル・認知症の予防策が取れれば、2034年には60歳以上の介護費を約3兆円、医療費を約1,100億円削減できると試算している。

東京医科歯科大教授、武部貴則先生が進められている「ストリートメディカル」が面白い。

「医療は病気の為ではない、人間のためにシフトしないといけない」というコンセプトのもと、医学書に頼るのではなく現場(ストリート)での気づきから医療を生み出す。ヘルスケアや医療の課題を見つけ、デザイナーや医療とは縁遠い人々を巻き込み、医学を日常生活に溶け込ませ、病気の発症を防ぐ。

人の心を動かし予防につなげるアイデアをいろんな分野の人たちが知恵を出し合わなければならない。中国の古い医学書「黄帝内経」には「一流の医者は病気にさせない、二流は病気になりかけた人を、三流は病気になった人を治す」とある。国民、皆が医者なのかもしれない。